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SERENITY / LIONHEART

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デビュー10周年を迎えた、中欧オーストリアの芸術の都・ウィーン出身のシンフォニック・パワー・メタル・バンドの通算6枚目のフルレンス・アルバム。

いや~、2017年も終盤になってようやく出てきましたね、勇壮系シンフォニック・メタル・ファン必聴の傑作が。

歴史好きには有名な名前だし、SAXONも同名タイトルのアルバムを制作しているので、タイトルを見ただけでコンセプト・アルバムである本作のテーマをすぐに理解出来る人も多いだろう。アラブの名将サラーフ・アッディーン(欧米ではサラディンと呼ばれる)との激闘によって語り継がれる第三次十字軍遠征において勇名を馳せたイギリスの獅子心王、リチャードI世が本作のモチーフである。

リチャードI世は戦闘のさなか、肩に受けたボウガンの傷が元で41歳という若さで死去したのだが、本作のアートワークはまさに肩に矢を受けたリチャードI世。騎乗する馬に寄り添うように死神が歩いているという、そのものズバリな代物。

そして本作の音楽はKAMELOTとDARK MOORを足して2で割ったようなSERENITYのシンフォニック・パワー・メタル・サウンドの魅力が、勇壮なテーマによってこれまで以上に煽情力を増した仕上がり。

イントロダクションである「Deus Lo Vult」(ラテン語で「神の欲するままに」の意で、十字軍が鬨の声として使っていた)が、まずハリウッド映画のようなドラマティックさで素晴らしい。個人的に序曲が素晴らしいメタル・アルバムに外れはないと思っているのだが、本作もその例に漏れない。

MVになった「United」、「Lionheart」という強力な2曲でツカミはバッチリ。ヘヴィかつ緊張感に満ちた「Hero」から、ライブでの大合唱が目に浮かぶ「Rising High」がさらなるストーリーへの没入を呼び、女声Voとのデュエットが美しいバラード「Heaven」から、エレガントなピアノ・インストの「King’s Landing」で酔わされた後に来るキラー・チューン「Eternal Victory」で完全に昇天。

これまたイントロのコーラスはライブで合唱必至の「Stand And Fight」も、トビアス・サメット(EDGUY, AVANTASIA)似の声を持つベーシスト、ファビオ・アモーレと、ヴォーカリストであるゲオルグ・ノイハウザーのコンビネーション歌唱が印象的なアンセム・ソング。

アルバム終盤も、物語が終焉に向かっていくことをしっかりと描き切る、説得力に満ちたソングライティングが光る楽曲が並んでおり、最後まで緊張感を保ちながらドラマを堪能させてくれる。

いや~、前作『CODEX ATLANTICUS』がちょっとヌルい仕上がりだったので、実はあまり期待していなかったのですが、今回はMy琴線にドンピシャです。音の風格というか説得力のようなものはまだ及ばないかもしれないが、楽曲のクオリティだけに関していえば既にRHAPSODY OF FIREやKAMELOTに比肩しうる、あるいは凌駕してさえいるかもしれません。

コンセプト・アルバムって往々にしてライブ映えしなかったりするものですが、本作は1曲1曲を紐解くと、かなりライブ映えを意識したと思われる楽曲が揃っていて、ライブを観たい気持ちが募ります。ぜひLOUD PARKの大舞台で、と言いたい所ですが、このクラスのバンドだと現実的にはEvoken de Valhallさんに期待ですかね(苦笑)。【88点】

◆本作収録「Lionheart」のMV


◆本作収録「United」のMV



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コメント

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「シンフォニックだったらプログレ色がある方が聴き応えがあって旅が出来て好き」
という人もいるとは思いますが、
ストレートに曲を進行させるシンフォニック・メタル・バンドの中では
現時点で世界トップのバンドだとおもいます!

No title

これは最高傑作じゃないでしょうか
今まではクォリティは高いんだけどもうちょっと足りてないって印象だったんですけど、メロディの充実が半端じゃないです
Lionheart
Rising High
Stand And Fight
の三曲が特にリピートしまくりです

No title

一応歴史好きなのもあり珍しく視聴しないで
ジャケ買いをしたものです。
ファンタジー寄りのコンセプトが多い中こういうコンセプトもカッコいいですね(ファンタジーが嫌いなわけではありませんが)
史実モチーフにありがちな難解さ冗長さが無いですし
一回でいいからライブが観たいです。

>Loki Holstさん

私もプログレッシヴなのも嫌いではないものの、基本的にはストレートな方が好みなので、今の彼らは一番信頼できるシンフォニック・メタル・バンドですね。

>肋骨さん

「Rising High」や「Stand And Fight」みたいな楽曲が好みであれば、間違いなく本作は彼らの最高傑作でしょうね。

個人的には『WAR OF AGES』も彼ららしい傑作だと思いますが、メタルな感性の持ち主に広くオススメできるのは本作だと思います。

>かつ丼さん

私は英語がスッと日本語同様に頭に入ってくるような英語力の持ち主ではないので、日本語以外で歌われる限り正直テーマは何でもいいのですが(笑)、彼らは作り話より史実に興味があるようですね。

本作はホントにライブを観たくなるアルバムだと思います。売れてほしい。

I swear

こんにちは。
まさに傑作、ですね。
特にRising Highに心ときめきました。
かのLegacy of Tudorsと並ぶ名曲だと思います。

僕は前作もとても好きですが、短いスパンで出してきて、すごい勢いですよね。
来日するらしい?Kamelotと一緒か、Myrathとカップリングツアー企画でもしてもらえないでしょうかねぇ。

※SS名古屋遠征レポ見返してみました。bmsymとコメントしていたのが僕です。

>とんさん

随分わかりやすいHNに改名されましたね(笑)。

「Rising High」人気ですね。今回は本当に傑作だと思います。

スタジオ盤が早いペースで出るのは往々にして長いツアーができるほど人気がないからだったりするわけですが(苦笑)、KAMELOTの前座をやれば、かなりのファンを獲得できそうな気がしますね。

ハイクオリティ

個人的には最高傑作だとは思いませんでしたが、納得のいく作品でした。

相変わらずファンタジー小説や歴史好きのファンの心を鷲掴みにしてくれますね。

>ストラディキャスターさん

音楽にスケール感やロマンを求めるリスナーのツボを突いてくるサウンドですね。

これだけの作品を作っても、日本はおろか欧州でもそれほど人気が高いように思えない…と思ったら本作はドイツのチャートで29位まで行ったようですね。ようやくのブレイクするのでしょうか。