VOLCANO / IRREGULAR

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最近ハイペースでのリリースが続いている印象の、屍忌蛇(G)率いるVOLCANOによるカヴァー・アルバム。

屍忌蛇と言えば知る人ぞ知る(?)カヴァーの達人で、これまで『STAND PROUD!』(1998)、『DUAL WORLD』(2014)という、クラシックなメタルのファンであればたまらないカヴァー・アルバムをリリースしてきているわけですが、なぜにVOLCANOでカヴァー・アルバムを作る必要があったのか。

まあ、『STAND PROUD!』や『DUAL WORLD』みたいにゲストを集めて作るよりラクに作れる、というのはあるのかもしれません。

そして、ベタと言ってもいいほどに有名曲を集めていた『STAND PROUD!』や『DUAL WORLD』と違い、割と渋めなアーティストや、有名バンドでもマイナーな楽曲が含まれているのが本作の特徴。

選曲はメンバーがそれぞれ持ち寄ったそうで、屍忌蛇の選曲が#1「1789」、#4「Don’t Tell Me You Love Me」、#8「I’ll See The Light Tonight」。NOVの選曲が#2「Invaders」、#10「Home Sweet Home」、AKIRAの選曲が#3「Headhunter」、#6「Hard Blow」、#7「Bring Me The Night」、SHUNの選曲が#5「Rise And Fall」、#9「I’ll Kill You」となっている。

メンバーで候補曲を持ち寄るなんて、大学でバンドサークルに入っていた時の「選曲会」を思い出してちょっと懐かしい気持ちになりました。AKIRAさんの選曲が一番ガチなメタラーを感じさせますね。

正直、IRON MAIDENが「Invaders」なのと、HELLOWEENが「Rise And Fall」なのは理解に苦しみましたが、前者はメイデン自体あまりプレイすることなく、カヴァーもほとんどされていないから、後者はあまり明るい曲をプレイしないVOLCANOがカヴァーしたら面白そう、という意図で選んだそうで、それなりに「狙い」はある模様。

どちらの楽曲も、オリジナルよりアグレッシヴな印象になり、屍忌蛇の一人ツイン・リードも冴え渡っていて、なかなか楽しめる仕上がりです(しかしそれでも「Invaders」のサビは、歴史に残るメタル・アルバムのオープニング・チューンとしては弱いと思う)。

SILVER MOUNTAINの「1789」は、かつてGALNERYUSもカヴァーしていましたが、やはりSILVER MOUNTAINで1曲カヴァーするならこの曲なんですかね? まあB級感というか、ぶっちゃけアマチュアっぽい曲ですが(コーラスとか…)、間奏部のフランス国歌を含め、インパクトはありますけどね。

そのシャウトの強力さゆえに、あまり器用なシンガーという印象のないNOVさんですが、NIGHT RANGERの#4「Don’t Tell Me You Love Me」やMOTLEY CRUEの#10「Home Sweet Home」といったポップな曲も(イカツくはなっていますが/笑)ソツなく歌いこなしていて、確かな歌唱力をあらためて証明している。

個人的には、オリジナルへの愛着もあり、YNGWIE MALMSTEENの#8「I’ll See The Light Tonight」からXの#9「I’ll Kill You」という、「I’ll」で始まる2曲(この曲タイトル並びはわざと?)の流れがハイライトでしたね。

いずれのカヴァーも、オリジナルよりアグレッシヴでありつつ泣きの要素も増量された屍忌蛇らしいというかVOLCANOらしい仕上がりで、個人的には期待値を超える満足感を得られました。

どうでもいいですが、KROKUSの#3「Headhunter」って、ネタ元は絶対にJUDAS PRIESTの「Exciter」ですよね。



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コメント

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No title

全曲好きな曲で奇跡のようなカヴァー・アルバムです(笑)
XとOVERKILLが熱いですね。
特にOVERKILLは最近のアルバムからの選出なのがポイント高いです。

個人的に「Invaders」はメイデンの中でもかなり上位に来る程好きな曲なので弱いとは思いませんでしたね〜。

むしろinvadersがmaidenが好きな人で、そういう印象なのが意外です。
もっとカヴァーするバンドが居ても良いと思う位の曲だと思うんだけどなあ。

>元学生メタラーさん

結構バラけた選曲なのに全曲好きとは、もはやこのバンドに一生付いていくしかありませんね(笑)。

おっしゃる通り、OVERKILLの選曲が80年代のクラシックではなく、近年の曲なのは私も熱いと思いました。

「Invaders」に限った話ではないのですが、サビが単語を叫ぶだけ、みたいな曲は私にはシンプルすぎる気がして、あまり好きになれないんですよね~…。

>YTさん

またもや「Invaders」ファンが。実は人気曲だったのですね。

個人的にはIRON MAIDENのアルバム・オープニング曲というのは名曲揃いですが、デビュー作から『FEAR OF THE DARK』までのアルバムの中では「Invaders」が一番弱いと思っていました…。

No title

最新作がレビューされていなかったのでもしかしたらVOLCANOに興味を失ってしまったのかと思っていました。

シンプル過ぎるとは思いますがアグレッシブでカッコイイので「Invaders」って割と人気曲ってイメージです。わたしはオープニング曲の中では「Caught Somewhere In Time」が一番好きです。

このカバーアルバムは楽しめましたがボリューム不足なのでどうせなら1人3曲ずつで全12曲収録なら嬉しかったです。IN FLAMESとかLOUDNESSとか聞きたいですね。

NOVは各種洋楽トリビュートアルバムやら地獄カルテットでモー娘やらLUNA SEA、水戸黄門など色んな曲をカバーしてるので怖いものなしですね(?)

メンバーはカバーアルバムをシリーズ化したいと語っていますが、入手困難な1stや音質最悪の3rdのリレコーディングのほうが需要ありそうな気がします。

この記事とは関係無いですがジーノ・ロートも亡くなってしまいましたね。
彼の残した音源はZeno以外を含めても多くはありませんが、全て良い作品でした。特に未発表音源集ですがZenology ⅡはZenoで一番好きですね。(4と6は名曲!)
パットといい素晴らしい作品を作ってくれたミュージシャンがどんどん居なくなってしまうのはイヤですね.....

>名無しのメタラーさん

いやいや、興味を失ったわけじゃないですよ。

ただ、あの新作は私にとってレビューを書きにくいアルバムだったのです(レビューサイト/ブログをやっている方であれば、出来の良し悪しとは関係なく、レビューが書きやすい作品とそうでない作品があるということはご理解いただけるのではないかと思います)。

私もメイデンのベスト・オープニング・トラックは「Caught Somewhere In Time」ですね。一般的には「Aces High」だと思いますが。

たしかにカヴァーよりは入手困難な過去作のリレコの方が新しいファンにとってはありがたいかもしれませんね。

いずれにせよ、純粋な新作とライブをちゃんとこなしたうえで「課外活動」は行なっていただければと思います(笑)。

>YTさん

最近またメタル界隈の訃報が多い気がしますね。まあ、60歳超えていたら仕方がない面もあるのかもしれませんが…。

ジーノ・ロートは本人にロックスター願望がなかったせいもあるのでしょうが、才能に相応しい評価を得たのは日本だけだった気がしますね。

こうなると、結果的にZENOのラスト・アルバムとなった「RUNWAY TO THE GODS」はマイケル・フレクシグに歌って欲しかったなあ、という気がします。

パット・トーピーの訃報もビックリでした。
これからこういう報せが増えていくのは避けられないんでしょうね…。