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HELLOWEEN 来日公演 PUMPKINS UNITED TOUR 2018.3.16 at EX THEATER ROPPONGI 感想

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カイ・ハンセン(G, Vo)とマイケル・キスク(Vo)がHELLOWEENのツアーに参加する、というニュースは、私のような『KEEPER OF THE SEVEN KEYS』をバイブルと仰ぐHELLOWEENファンにちょっとしたセンセーションを巻き起こしました。

これは行かねばなるまい、とニュースを聞いた瞬間に即断したわけですが、チケット発売日、うっかり前夜に深酒し、泥酔して目覚ましもかけずに寝て、起きた時には東京公演がソールドアウトしていました。

ZEPPじゃ狭すぎるとは思っていましたが、まさか発売開始から3時間を待たずして完売とは…。

PCモニターに映るイープラスの無情な画面を前にしばし石化し、しかたない、これは直前にヤフオクするか…と一時は諦めました。

しかし、私はこれまでの人生で何度か「自分は持ってるな」と思う体験をしたことがありますが、今回もそういう事態が起きました。

追加公演が、全日程に先駆けて発売されたのです。初日ですよ初日。そして今度はぬかりなく神速でGET。なんと2階指定席最前列です。

そして待ちに待った3月16日当日、客先での打ち合わせも18時ちょっと前に終わり、当然そのまま会場であるEX THEATER ROPPONGIへ。

つい先月ARCH ENEMYを観たばかりの会場だ。あの時は仕事が終わらなくて遅刻したが、本日は開演20分くらい前に到着。平日仕事終わりとしては自分史上最高と言っても過言ではないスムーズさで到着したあたり、自分とHELLOWEENの絆の強さを改めて感じる(錯覚です)。

とはいえ、20分前でも入場口には結構な待機列ができていて、やはりクリエイティブマンの仕切りか…と。まあ、指定席の人間はスッと入れるようになっていたので、その点はありがたかったのですが。

ドリンクチケット(コイン)がSUICAで買えるのがいいですね。新しい会場ならではです。

ドリンクチケットを飲み物に換えようかと思ってドリンクカウンターに向かいましたが、えらい並んでいたので、万が一にも開演に間に合わなかったら悔やんでも悔やみきれない、と思い、終演後にしようと断念しておとなしく席に向かう。

2階席からフロアを見下ろすと、ソールドアウトしているだけあって場内はごったがえしている。ただ、上から見た感じ、男ばっかり。かつてはHELLOWEENのライブってメタル系としては珍しいほど女性が多かったものですが(といってもせいぜい3割程度ですけどね)。

場内ではDEF LEPPARDやらRAINBOWやら、オヤジメタラー向けのクラシックなHR/HMがBGMとして流れている。そしてOZZY OSBOURNEの「Bark At The Moon」が流れた後、全く毛色の違う、ロビー・ウイリアムスの「Let Me Entertain You」がそれまでのBGMより大きな音量で流れて、ショウの幕開けが近いことを予感させる。

この「PUMPKINS UNITED」ツアーは、昨年10月のメキシコ公演を皮切りに、かなりの数のライブを重ねていますが、あえてセットリストなど事前情報はチェックしてきませんでした。

それはもちろん、自分にとって新鮮かつ特別な体験にしたいからで、結果的にそれは正解だったと思っています。

ということで、これからこのツアーを観る、という人は、いったんここでブラウザのタブを閉じてください。ネタバレがあります。というか全てがネタバレです。当ブログの駄文を読むのは、ライブが終わった後で全く問題ありません。

スマホだとPCと違って追記機能がないので、画像置いて先の文章を遮断しておきますね。

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場内が暗転し、聞こえてきたイントロはなんといきなりの大作、「Halloween」。

興奮して立ち上がりそうになるが、指定席最前列は着席で観るように指示があったし、後ろも座っていて私が立つと後ろの方が見えなくなるので、そこは逸る自分を抑え込む。

なるほど、綴りこそ違えど、実質バンド名を冠した曲から始める、というのは納得のいく選曲だ。そしてライブではフルでは聴いたことがない(メドレーで部分的に聴いたことはある)楽曲という点でも、個人的に大好きな曲であるという意味でも、納得、いや満足のいく選曲と言わざるを得ない。

オリジナルを歌っているのはマイケル・キスクだが、ステージ上にはマイケルのみならず現シンガーであるアンディ・デリスもおり、ヴォーカル・パートをマイケルと分け合っている。

ぶっちゃけ、この曲はマイケル・キスクだけで聴きたい気持ちもあるが、アンディも頑張っているし、別に文句はない。そして何より、カイ・ハンセンとマイケル・ヴァイカートが一緒にあの神がかったロシア民謡のようなツイン・リードを奏でているのだ(サシャ・ゲルストナーもいます。念のため)。ややサウンドのバランスは悪いが、音量がデカすぎたり、こもっていたりという感じではないのでまあよし(次の曲からバランスも改善されていき、最終的にはかなり良い音響になりました)。

ステージのバックではいかにもAfter Effectsで作りましたという感じのアニメーションを流すのが今回のツアーの趣向のようだ。「Halloween」の曲世界に合わせて、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のような感じのアニメーションが展開されているが、ぶっちゃけメンバーを目で追うのに必死でほとんど見ていないというのが正直な所です(苦笑)。

そして続くは母国ドイツにおける最大のヒット曲、「Dr. Stein」。もう序盤でKOを決めにかかる選曲ですね。個人的にはもう既に「Halloween」だけでノックアウトされていましたが。

マイケル・キスクはかなり派手に歌詞を間違っているが(苦笑)、声はとても良く出ている。アンディ・デリスも声は出ているが、ピッチはやや不安定で、二人ともちょっと時差ボケがあるのでしょうか。

背景では「Dr. Stein」のシングルのジャケットに登場しているスティーン博士が登場、歌詞のストーリーに合わせたアニメーション(もどき)が展開されている。

「Dr. Stein」が終わると、ステージ背後のスクリーンで『鷹の爪団』的な『Seth & Doc』なるフラッシュアニメのような映像が流れる。

そのショートアニメが終わると、「March Of Time」のドラマティックなイントロが始まり、場内から大歓声が起きる。この曲はマイケル・キスクだけで歌いきる。スピード・チューンなので、盛り上がりは言うまでもない。

マイケル・キスクが袖に引っ込むと、今度はアンディ・デリスが出てきて「2000年に戻ろう。『THE DARK RIDE』アルバムの曲だ。でも、ダークな曲じゃないよ!」とMCをして始まったのは「If I Could Fly」。

割と暗い曲じゃないですかね?(笑)。まあ、ダークというよりは物悲しい曲という感じなので、欧米人の感覚ではこういう曲をダークとは言わないのかもしれません。

アンディの歌唱はこの曲でもフラットというかやや調子っぱずれでしたが、この曲に対する反応が前3曲より薄めだったのは、アンディのせいというよりは単純に比較的新しくてスローテンポな曲だから、ということでしょう。

そのままアンディ一人で「Are You Metal?」に突入。ある意味キャッチーな曲名だし、ライブ映えして然るべきメタリックな曲ですが、個人的にはやはりHELLOWEENがこういうメタメタしい曲をプレイすることにはやや違和感が。

アンディの音程は相変わらず怪しいものの、楽曲が繊細な歌唱を求めるタイプの曲ではないので、スクリームとシャウトで乗り切る。アンディ、歌える時にはかなり歌えている人なので、ひょっとするとイヤーモニターの返りが悪いのかもしれません。

「Are You Metal?」が終わると、再び『Seth & Doc』のアニメが始まる。どうやら今回のツアーではこのアニメが転換の演出になっているようだ。Sethが投げ込んだアイテムによって、HELLOWEENの歴代アルバムのアートワークが映った指輪型のスロットが回り、その結果で次の曲が決まる…みたいな設定になっているっぽい。

そして今度はアンディに代わって再びマイケル・キスクが登場、『KEEPER OF THE SEVEN KEYS PT.2』から「Rise And Fall」がプレイされる。「Dr. Stein」と共に、「HELLOWEENはコミカル」という印象を決定づけた曲のひとつだ。

コミカルとはいえ、ちゃんとメタリックではあり、それまでどちらかというと「怖い音楽」的なイメージだったメタルにこういう陽気で楽しいノリを持ち込むことで、それこそ女性ファンが入って来られるような親しみやすさを醸し出したという意味で、HELLOWEENのこういう曲の意義は結構大きいと思います。

私個人が好きなタイプの曲かというと実はそうでもないのですが、もちろん死ぬほど聴き込んだアルバムの曲なので落胆などするはずもない。

逆に、次にプレイされたアンディが歌う「Waiting For The Thunder」は、哀愁漂う好きなタイプの曲ですが、新しい曲なので「Rise And Fall」ほど高ぶらない。典型的な老害現象ですね。

しかしこれが次にプレイされた「Perfect Gentleman」くらいに古くなるとまた一気に色めき立つ。こういうポップさのある曲をプレイしてサマになるメタル・バンドってやっぱりHELLOWEENしかいないよなぁ…としみじみ。

『Seth & Doc』のアニメで、今度はスロットが明らかに『WALLS OF JERICHO』のアートワークを印象付けるような形でストップし、場内からどよめきに近い歓声が上がる。

そして恒例の「Happy, Happy, Halloween」のSEに続いて期待に応えるかのようにカイ・ハンセンがステージ中央に登場、デビューEPの1曲目である「Starlight」がスタート。

そしてメドレー形式でカイ・ハンセンがヴォーカルをとっていた時期の代表曲と言っても過言ではない人気曲「Ride The Sky」になだれ込み、そのギター・ソロが終わると「Judas」へ。

最後に「Heavy Metal (Is The Law)」がプレイされ、「カイ・ハンセン・タイム」は終了。この時期のサウンド、イメージであれば、さっきの「Are You Metal?」みたいな曲も違和感が少ないのですが。

お次はステージから張り出した花道に椅子が二つ置かれ、そこにマイケルとアンディが座って「Forever And One (Neverland)」に「A Tale That Wasn’t Right」という、各々が歌ったバラードの代表曲と言っていいであろう楽曲がデュエットで歌い上げられるバラード・タイム。セットリストに色々な趣向が凝らされている。

その後再び『Seth & Doc』のアニメを挟んで、『BETTER THAN ROW』からのシングル、「I Can」。サビはシンプル&キャッチーながら、盛り上がりには欠けるので、ライブ映えはイマイチな気も。レコーディング音源で聴く分には大好きな曲なんですけどね。

またまた『Seth & Doc』のアニメを挟んで(さすがにクドく感じられるようになってきた…)、今度は何の曲かと思いきやダニ・ルブレのドラム・ソロが始まる。どうしても今回のツアーの主旨的に地味になりがちな彼にスポットライトを当ててあげようという気遣いか…と思いきや(そういう意味もあると思いますが)、途中からオリジナル・ドラマーである故インゴ・シュヴィヒテンバーグのドラム・ソロ映像が映し出されるトリビュート・タイムに。もちろん観衆からは大きな反応がある。

終盤はインゴのドラム・ソロ映像の音源と、ダニが実際のドラム演奏で掛け合いをするかのような新しい趣向の演出がなされてドラム・ソロ・タイムが終わる。いや、本当に今回のツアーはステージ演出の企画が盛りだくさんで、プロモーターの力が入っていることがよく伝わってくる。

ぶっちゃけ何の企画もなしにただ普通に曲をプレイするだけでも、カイ・ハンセンとマイケル・キスクが参加するというだけで集客に困ることはなかったと思いますが、ここまで色々と楽しませ、思い出に残る工夫をしてくれるというのはとても良心的。

CDを買うという「モノ消費」の時代からライブに足を運ぶという「コト消費」の時代に変化した現代の音楽業界にあって、こういうツアーの企画力は非常に大切だと思います。もうアルバム完全再現くらいでは誰も驚きませんからね。あのツアーではあんなことをやっていたなあ、という記憶に残す工夫をどれだけできるか、次回は何をやってくれるんだろう、という期待感を作れるかが、「またあのバンドのライブに行きたい」という動機づけの大きなポイントになると思います。

話が逸れましたが、ドラム・ソロの後にマイケル・キスクが登場して始まったのは、なんと「Dr. Stein」のシングルB面曲だった「Livin’ Ain’t No Crime」。まさかこんなマニアックな曲をライブで聴くことになるとは…。

てか、はっきり言って「隠れた名曲」というほどの曲でもないし、この曲をやるくらいなら他に聴きたい曲が…と思っていたら、ワンコーラス程度で「A Little Time」へ移行。

冷静に聴けばHELLOWEENの楽曲の中で特に際立った曲ではないと思いますが、「守護神伝ソング」なので当然盛り上がる。サビもコーラスしやすいですしね。

またまた『Seth & Doc』のアニメを挟んで、今度はマイケルとアンディ二人で『MASTER OF THE RINGS』からの「Why?」がプレイされる。さっきの「Forever And One (Neverland)」ではアンディがメインで、マイケルはコーラス要員という感じでしたが、この曲は完全にデュエット形式だ。アンディ時代の曲をマイケルが歌う、というのもまたこのツアーならではの特別な試みと言えるでしょう。

ただ、個人的にはそんな特別な曲がなぜ「Why?」なのか、という思わず二か国語ダジャレみたいなことを思ってしまいました。いや、『MASTER OF THE RINGS』からやるなら「Where The Rain Grows」でしょう、というのが日本人の感覚ではないでしょうか。もちろん「Why?」もキャッチーな佳曲なのですが。

しかしそんなちょっと微妙な気持ちも続いて始まった「Sole Survivor」の力強いイントロで一気に吹き飛ぶ。大好きなんですよこの曲。個人的に、気持ちを強く持ちたい時に聴く定番曲ですね。近年のライブでもちょくちょくプレイされていたようなのですが、私が観たときにはフルでプレイされたことがなかったんですよね(メドレーはあり)。

さらに「Power」がコールされると、場内はさらに沸き立つ。その盛り上がりは『KEEPER OF THE SEVEN KEYS』からの楽曲に勝るとも劣らない。さすがは日本で一番売れたアルバム、「THE TIME OF THE OATH」からのリード・シングルである。こういう曲がちゃんとあるから単なるリユニオンではなく、マイケルとアンディが共存するという変則的なツアーが興行として成立すると言えるだろう。HELLOWEENは前任シンガー時代の遺産で食っているバンドではないのだ。

そして、アンディ・デリスが「次で最初のセットの最後の曲だ」と言うと、「愛のあるブーイング」が巻き起こる。

アンディが「この曲は僕が初めて聴いたHELLOWEENの曲で、その時僕は3歳だった」と大幅に年齢をサバ読みして笑いを取る。

「本当を言うと15歳…いや、17歳、18歳だったかな…」と往生際悪く真実に近づいていき、さらに笑いを取ったあと、「とにかく、なんて凄い曲だ、と衝撃を受けたんだよ」と言って始まったのは、「How Many Tears」。再びアンディ、マイケル、カイのトリプル・ヴォーカルによって歌われるこの超名曲に、場内はさらに興奮の坩堝へ。

こういう、ブレイクする前(元々のリリース時には日本盤さえ出ていなかった)の曲でさえ、ブレイク後の有名曲と同等、あるいはそれ以上に認知され、支持されているというのもまたHELLOWEENというバンドの日本における人気の特殊性を示している。

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いったんメンバーが引っ込み、アンコールを求めるオーディエンスの手拍子が「Happy, Happy, Halloween」のコールに変わった頃、『KEEPER OF THE SEVEN KEYS PT.2』のイントロダクションである「Invitation」の威厳と栄光に満ちた旋律が流れ始める。

なるほど、アンコール1曲目がこれか。確かにピッタリだね、という思いの通りに始まった、彼らのレパートリーでも恐らく1、2を争う人気曲、「Eagle Fly Free」。

もちろんライブ定番曲なので何度も聴いているのですが、なにせ歌っているのはオリジナルのマイケル・キスク。アンディのようにキーを大幅に下げていないので、この曲の持つ異様なまでの高揚感がストレートに伝わってくる。先週サンダースティアーを絶叫して喉のウォーミングアップはバッチリなので(?)、声を限りに合唱する。

そして「もうだいぶ夜も更けたがまだ大丈夫か? 長い曲をプレイするよ…サシャ!」というマイケルの呼びかけに応えて『今日から俺は!』の伊藤を思わせる(私と同世代の人しかわからないか…)重力への反抗ヘアスタイルのサシャ・ゲルストナーが、「Keeper Of The Seven Keys」のイントロのアルペジオを弾き始める。

1曲目に「Halloween」がプレイされた時点で、もしかしたら「Keeper Of The Seven Keys」もプレイするのではないか…と薄々期待してはいましたが、こうして実際にプレイされると目頭が熱くならざるを得ない。

メタル史上長い曲というのは数あれど、ここまで完璧に構築された曲というのはほとんど存在しないのではないか。世の大抵の「大作チューン」は同じパートの繰り返しが多いだけとか、前奏や間奏が長いだけ、もしくは複数の異なる曲を無理やり「三部構成の1曲」などと言い張って作ったような曲ばかりで、この曲のように統一感のある曲調のもとに次々と展開し、起承転結あるドラマを描き出すことに成功しているケースは極めて稀である。

複雑かつ精緻に構築されながら、プログレのような難解さはなく、メロディは常にキャッチー。間奏部でさえメロディの流れが断ち切られることはなく、あくまでひとつの曲を紡いでいるため、飽きる暇もなく長尺を聴かされている。

特に後半のソロ・パートにおける絶品のリード・ギターのメロディは数百年に渡って磨かれてきた欧州音楽の精髄というべきマジカルな調べを奏でており、このツイン・リードをカイとヴァイキーが並んでハモっている姿を見ている時、同じ視界にマイケル・キスクとマーカス・グロスコフ(B)が入っていたこともあり、あらためて「ああ、自分はついに伝説を実際に目撃することができたんだ…」という実感が湧いてきました。

ちなみに今まで触れてきませんでしたが、マーカスは相変わらずギタリストが弾いてみたくなるような動きの多いベースラインを、他のメンバーの誰よりもロック・ミュージシャン然としたパフォーマンスでプレイしており、すごくカッコよかったことは特筆しておきたいと思います。

アウトロのアルペジオに乗せてメンバー紹介が行なわれ、アンコールが終了。しかし、熱心なファンであれば、まだ「Future World」と「I Want Out」がプレイされていないことに気付いている。

そして再び『Seth & Doc』のアニメから、聴きなれない(聴いたことはある)イントロが始まる。そしてそれが昨年10月に発表された「Punpkins United」であることに気付くのにそれほど時間はかからない。

音源こそ買っていないものの、YouTubeで何度も再生しているので「Red Hot!」の唱和にもぬかりはない。こうして過去の名曲と並んでも何ら見劣り(聴き劣り)しない、完成度の高い曲である(ファンの求めるものを提示してきたなー、というあざとさは感じますが/笑)。

そして曲をプレイし終わった後、「この曲をプレイするのはなんと今日が初めてなんだ」とMCで知らされる。

え、そうなの? ツアー開始直前に発表された曲なので、てっきりこのツアーではずっとプレイしているものだとばかり思っていました。そして帰宅後に調べてみたら、事実これまでの公演ではプレイしていない。

いやー、この日本に対する特別扱い、嬉しいですね。日本は過去間違いなく世界で一番HELLOWEENのCDが売れた国だと思いますが、近年はかつてほどの人気は感じられず、かつては5,000人規模の会場でプレイしたことさえある彼らが、こうして2,000人も入らない会場でプレイするようになってしまっているというのに。

とはいえ、このツアーで7公演が組まれている国というのは他にありませんからね。本国ドイツでさえ4公演、日本の2倍の人口がいるブラジルで3公演ですから。会場規模はわかりませんが。

追加公演である本日さえソールドアウトしているわけですし、やはりHELLOWEENにとっても日本は特別な国だという思いはあるのでしょう。

そしてカイ・ハンセンがステージ中央で単音弾きを始めた時点で、次の曲を察したファンから歓声が上がる。

もはやファンにはおなじみ、グリーグ作曲のクラシック曲、「ペールギュント:山の魔王の宮殿にて」のメロディから、「Future World」がプレイされる。

こうなると最後は当然、「I Want Out」。フロアにいくつも投げ込まれたオレンジ色の巨大なバルーンが宙を舞い、時にメンバーもそれを蹴ったりヘディングしたりする中、アンディとマイケルが場内を左右に分けて合唱を競わせた後、ついに終幕。

エンディングは映画「ブレイブハート」の壮大なテーマ曲が流れるなか、メンバーのカーテンコール。場内からは惜しみない拍手が贈られる。本当に今日のお客さんのロイヤリティは高く、後ろの方まで常に腕が上がっていたし、私のいた二階席でさえ大きな合唱が巻き起こっていました。盛り上がり方の温度感や表現の仕方に個人差はあれ、冷めた目で見ていた人なんてほとんどいなかったと思います。

「なぜこの曲?」という曲がなかったわけではないし、それこそ「あの曲もやってほしかった」なんてことを言いだしたらきりがないですが、最大公約数的にはかなり満足度の高いセットリストだったのではないでしょうか。

演奏やパフォーマンスにユルい部分があるのはもはやこのバンドの個性ですが、それをややネガティブに捉える私のような不敬の輩でさえ、企画や演出を含めた総合的なショウとして非常に完成度の高い、感動できる体験だったと断言できますね。3時間という長丁場ながら、長さを感じることは全くありませんでした。

終演後、ドリンクチケットを持ち帰り可能なレッドブルの缶に交換し、その後のこのこグッズ売り場に行くと、もはやグッズは根こそぎ購入されてスッカラカン。このご時世、ヤフオクやメルカリでの転売目的の人間もいるのでしょうが、HELLOWEENはIRON MAIDENなどと並んで、グッズを買うタイプのファンにとって最も購買意欲を掻き立てられるバンドのひとつなのでしょう。

私は本日の感動の記念品として「Pumpkins United」のCDシングルを購入、会場オリジナル特典のクリアファイルをもらって帰途につきました。

ちなみに帰りの日比谷線で驚愕したのは、コンサートの最後に場内に投げ込まれたオレンジ色の大型バルーンを肩の上に抱えて持ち帰っている人がいたこと。

そしてその人は私と同じく恵比寿駅で乗り換え、JRの駅へ。私は山手線に乗りましたが、その人は埼京線のホームへ向かっていました。埼玉までアレを運ぶ気なのでしょうか。彼が不審物を持つ人間として駅員や警察に咎められずに帰宅できたことを願わずにいられませんでした。

帰宅後、ようやく自らに情報解禁して過去の公演のセットリストを見てみると、他の国では「March Of Time」の代わりに、私がマイケル・キスクのヴォーカルで観たい曲No.1である「I’m Alive」をプレイしていたことを知ってショックを受ける。

私は3月27日の最終日のチケットも取っているのですが、その日に「I’m Alive」をプレイしてくれることを願ってやみません。






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コメント

非公開コメント

No title

私も23、24日のZepp Tokyoを楽しんで来ようと思います。
I'm Alive演ってほしいですね
それかSavage(実はキスク時代で一番好き)
あわよくばバルーンを獲って家まで持ち帰って部屋に飾ります(笑)

カボチャたち最高!

お言葉に甘えて、途中で止めました(;^ω^)

ARCH ENEMYも、もしかしたらご一緒してたかも^m^

23日、楽しんできてから、余韻を感じつつ改めて読ませていただきます(*^^*)

No title

今日行きます。
本当に伝説ですよね。アンディとキスクのwhere the rain grows が聴きたいです(^^)

記事の感想

凄い。読んでいるだけでライブを見た気分になれる熱い記事で、もうお腹がいっぱいです。
私が初めて買ったメタルアルバムはXの「BLUE BLOOD」ですが、海外のバンドだとHELLOWEEN「MASTER OF THE RINGS」なので、HELLOWEENには思い入れが有ります。KEEPER OF THE SEVEN KEYS Part2は弟が所有していました。兄弟ではあまり好みが被らないのですが、同じバンドのアルバムを買ったのは日本だとXとZIGGY、海外だとHELLOWEENとMR.BIGとEXTREMEとBON JOVIの6つだけなので、当時の人気は凄まじいものを感じます。

No title

武道館でも人は集まったんじゃないかと思うんですよね
そうすればまさに記念碑的なライブが更に・・・って気がしないでもないです
red hot!

まとめてお返事

>かつ丼さん
2日とも行かれるのですね。
「I'm Alive」は他の国でやっているので可能性ありそうですが、「Savage」は…?

バルーンを置けるとは広い部屋にお住まいなんですね(笑)。


>珍獣メガネコアラさん
読むのを止めて正解です。23日、猛烈に感動してきてください。

2月21日に行かれていたのであれば、ARCH ENEMYはご一緒していたのだと思います。
とはいえこれまでもそういう「ご一緒」はたくさんしてきていたのだと思いますが(笑)。


>black&greenさん
道民だったんですね。
札幌公演は噂によるとアンディが風邪で曲数が少なかったとか…?


>ゆうていさん
この文章だけでお腹一杯になられたら困ります(笑)。
ゆうていさんとは完全に同世代と思われるのでおっしゃることはよくわかりますが、HR/HMを聴いているというだけで好みは被っていたのではないでしょうか(笑)。

当時の人気は今と比べると凄かったと思いますが、とはいえビーイング系や小室系の方が凄まじい人気でしたよね。


>肋骨さん
私ももっと大きいハコでやれたのではないかという思いがありますが、さすがに武道館は厳しいかと…(苦笑)。

彼らのファン層ってアラフォーメインなので、子育てとかでなかなかライブに行くのがままならない世代なんですよね。

私も参戦しました!!

adoreさん、いつも楽しく拝見しています。久しぶりにコメントをお送りしたくなりました。私も3/16六本木EXシアターに行きました。3年位前にAcceptのライブで2階指定席にしたら立てないことを知ったので、今回は1階スタンディングでチケットを取りました。待ち時間は大雨となり、指定席の方の誘導後の入場のため、傘をさしながらひたすら待ちました。今回は整理番号が591番という過去もっとも大きい数字でしたが、自分の番号のときにもまだ大勢残っていましたので、入りきれるのかなという不安も少し。物販は、事前に調べていて、2ウェイバッグやTシャツ、タオルをチェック、一旦は買うのを止めようと自分に厳しくいたのですが・・・並んじゃいました。買っちゃいました。おかげで入るのが遅くなり、後方しか空いていない状況、無理やり陣取り時を待ちました。ライブの内容はadoreさんが書いてくださっている通りでしたが、カイと喜助とヴァイキーが一緒にいるのをこの目で見たときにはジンと来るものが抑えられませんでしたね。私はセトリチェックを我慢できず、事前に自分でプレイリストまで作っちゃっていましたが、I’m AliveがMarch Of Timeになっていたので、United来るかも!と期待していました。ご指摘の通り、この曲じゃなくこっちでしょ!はいくつかありますが、観たいもの聴きたいものは提供してもらったと思いますし、Andy時代の曲を喜助が歌うなんて考えられないことだったので、最高のライブだったと断言してよいですね。23日のZeppも取っていますが、3時間という長丁場で40分くらいで帰れる六本木でも足パンパンでしんどかったので、全然遠くなりしかも翌日仕事で5時起きなので、ライブ後のことをかんがえるとちょい不安も。。。でももう一度観れるなんて最高の贅沢ですよね。今回も長々とすみません。

No title

最高でした!
確かにアンディは調子悪そうで、パワーやソロサヴァイヴァーはやってくれませんでしたが、I’m aliveをやってくれましたよ。管理人さん大好きでしたよね?最終日期待出来るんじゃないですか?

実は私的に大事件がありまして、ライブ後に行ったメタルバーにカイさんがやって来て、ハグしてもらいました!
自分は間の悪いタイプなのに、最高についてました
大往生出来そうです(笑)

>Ryoさん

カイとキスクとヴァイキー、そしてマーカスが再び同じステージに立っているのを見るのは、リアルタイム体験者でなくともやはりグッと来ますよね。

翌日5時起きで3時間のスタンディングはキツいですね…。
HELLOWEENに力をもらいつつ、できるだけ早く帰ってお休みになった方がよさそうですね。

>black&greenさん

「I'm Alive」を聴けたとは羨ましい。

とはいえ、あくまでアンディ曲が削られた埋め合わせとしての選曲だとしたら、最終日にアンディが復活していたらやらないのでは…と危惧しています(苦笑)。

札幌にもメタルバーがあるんですね!
生カイに遭遇とは羨ましい。しかもハグまでされたらそれは成仏できますね(笑)。

私は23日の公演に行く予定ですがadoreさんのブログをみてますます期待がたかまりました!チケットを買ってから半年位ずっと楽しみにしていたのでその分初めての生HELLOWEENを楽しみたいと思います。

夢の日

この日を待ち望んでいました。

マイケル・キスクとカイ・ハンセンがHELLOWEENのメンバーとして来日するなんて一生ないだろうと思っていました。

その分だけ一生の思い出になりそうです。

>ごえたさん

まだ観ていないのに読んでしまったんですね(笑)。

でも、文章では伝えきれない感動があるはずですので、期待を超える体験をすることができると思いますよ!

>ストラディキャスターさん

私はUNISONICが実現した時点でいつかは何らかの形であるだろうと思っていましたが、これほど早く実現するとは思っていませんでした。

マイケル・キスクのハイトーンが衰えないうちに観られてよかったと思います。ぜひ一生の思い出にしてきてください。



大阪参戦しました。私も一切のHelloween情報を遮断していてこのエントリーもようやく見れたのですが、同じことしてた人がいて安心しましたw
個人的にはEagle~一曲で元が取れましたね。アンディ云々ではなくあれはキスクが唱うための曲だし、それを今も歌えることに感激しました。

>名無しのメタラーさん

大阪も盛況だったようで、お疲れさまでした。

HELLOWEEN情報断ちをしている(いた)方、結構いるんじゃないですかね。
今週末の東京公演が終わったらこの渾身の感想文もようやく読んでもらえるのではないかと思っています(笑)。

マイケル・キスクの歌う「Eagle Fly Free」が目当て、という人は多そうですね。
おっしゃる通り、あれはマイケル・キスク独特の明るいハイトーンが最高に映える、彼の声あってこその楽曲だと思います。

昨日は、仕事で大阪にはいたんですけどね……。
でも最終日のZeppはチケット取りました!
有給休暇も貰えたので、東京まで遠征しますよ!

>通行人Rさん

最終公演ですか。私も行きますよ。

平日遠征は大変かと思いますが、きっと苦労に見合った感動を提供してもらえると思います。

24日参戦しました

24日行ってきました。高校時代に散々聞きまくったkiske時代の曲をたくさん堪能できたので、満足です。
Andi時代のライブには行ったことがないので、一応予習していたのですが、予習不要でしたね。まさか、Kids of the centuryを演るとは思わなかったけど(笑)。
もうちょっとAndi時代の曲があっても良いかな?とも思いましたが(聞いてみたかったというのもあるのですが)、限定リユニオンだし、今回はこれで良いのではと。
I'm Aliveも良かったけど、HalloweenやKeeper of the seven keysをライブで見れただけで感動ものです。また見たいなぁ。

名古屋行きました!

東京でチケットが取れなかったので泣く泣く名古屋へ......
なんとI'm Aliveやりました!やらないのか、と思ってたので、リフが聞こえて来た瞬間「あれ?なに?」と戸惑いましたが理解した瞬間超興奮しました!他のセットリストもいろいろ変えてるみたいなので、最終日もやるかもしれません。
とにかく楽しかったです!

>ひろくん さん

このツアーが5年に1度とか10年に1度とか、ある程度定期的にやってくれるようになったら、本来のHELLOWEENのツアーではもっとアンディ時代の曲メインのセットリストでライブをやってほしいですね。

いずれにせよ、「Halloween」や「Keeper Of The Seven Keys」みたいなリハーサルも大変そうな曲までライブでフルで聴けるのは感無量ですよね。

これだけ好評なら、これっきりということはないんじゃないでしょうか。彼らも儲かるわけですし(笑)。

>さそりさん

遠征で名古屋ですか…私もやったことがありますが、お疲れ様です。

でも、それだけの価値があるライブだったと思いますし、遠征したことでより一層記憶に残る体験になったのではないでしょうか。

「I'm Alive」、私が行った日以外は全部プレイしているみたいで、非常に複雑な気分です(笑)。

これで私が行く最終日にプレイしなかったら成仏できません(笑)。


No title

27日の最終日に行ってきました。
自分も事前の情報をシャットアウトして参加しましたが、大正解でした。感動できる本当に素晴らしい体験になりました!

本人によるマイケル・キスク期の曲はどれも新鮮で、こみ上げる思いから目頭が熱くなるぐらいの感動でしたが、やっぱり"Eagle Fly Free"は別格でしたね。
ショウ全体としても、3時間という長さを感じさせない素晴らしいものでした!

1曲目の"Halloween"から「もしかしてKeeper Of The Seven Keysも・・・」って部分は自分も全く同じことを考えていました(笑)

>kimさん

同じ場所にいらっしゃったんですね。

私は遅刻で間に合いませんでしたが、「Halloween」をやられたら「こりゃ『Keeper Of The Seven Keys』あるな…」と思いますよね(笑)。

アンディ時代もライブの定番だったとはいえ、マイケル・キスクの歌う「Eagle Fly Free」はやっぱり格別でしたね。これ1曲でチケット代の元が取れたと感じた人は多かったのではないかと思います。