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THOUSAND EYES / DAY OF SALVATION

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近年絶好調な日本のメロディック・デス・メタル・シーンの中核を担うTHOUSAND EYESのサード・アルバム。

前2作をリリースしていたSPIRITUAL BEASTを離れ、自主レーベルからのリリースとなっている。しかしそんな情報はどうでもいい。

いや、こりゃ凄い。とんでもない。再生してほんの数秒、JUDAS PRIESTの「Hellion」を思わせるイントロ曲の最初の4小節を聴いただけで「こりゃ傑作だな」と予感したが、予想を遥かに超える素晴らしさにグイグイ引き込まれ、聴き終えてしばし茫然自失。

楽曲のクオリティ、演奏、そして日本のバンドの弱点になりがちな歌唱(咆哮?)とサウンド・プロダクションまで一分の隙も無い。アグレッションと叙情性、怒りと泣きが怒濤の如く迸り、聴き手を翻弄する。

勢いのある楽曲ばかりなのに、楽曲単位でもアルバム単位でも緩急のメリハリがちゃんとついているというのが凄い。それは高度に計算された構成力の賜物であるはずなのに、計算など感じさせない激情の産物に響くのがまた凄い。

カタルシス、Googleで検索すると「舞台の上の出来事(特に悲劇)を見ることによってひきおこされる情緒の経験が、日ごろ心の中に鬱積(うっせき)している同種の情緒を解放し、それにより快感を得ること。浄化。」と出てくる。

意識的にせよ無意識にせよ、多くの人にとってHR/HMという音楽を聴くことはこのカタルシスを得て、怒りや悲しみといったネガティブな感情を浄化し、快感を得ることが目的になっていると私は思っているが、ここには最上級のカタルシスがある。そういう意味では究極のHR/HM作品と言っていいかもしれない。

ネガティブな感情に囚われがちだった思春期にこそ、このアルバムに出会いたかった。「日本のバンドはちょっと…」「ヴォーカルがデス/ハードコアっぽいのはちょっと…」という人でも騙されたと思って聴いてほしい、そんな傑作である。【93点】

◆本作のティザー


◆本作収録「Days Of Salvation」のMV

個人的に#4「Lost Forever」が大好きなので、その曲でもMV作ってほしい。


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コメント

非公開コメント

これは国内外問わずメタルの歴史に残る名盤になると思います。デビューから恐ろしい程順調に成長を続けていますね。今年リリースされた(まだ3月ですが)デス系では今のところこのバンドと、Bloodshot Dawnの新作が個人的には頭一つ抜けてる感じですね。(Orphaned LandとThe Crownはもう少し聴き込んでから判断しよう)

Gyzeの記事のコメント蘭に国産メロデス四天王という言葉がありましたがThousand Eyesはその中でも一番パワーのあるバンドという印象ですね。Serenity In Murderは美しさ、Gyzeは北欧っぽさ(北海道っぽさ?)とそれぞれ特徴が違う所もイイと思います。自分はもう1枠はVeiled In Scarletではなく、Shatter Silenceを入れてますね。ヤコブ ハンセンがマスタリングしたサウンドは他の3バンドを凌駕していると感じる場面もあるので。

このあとAmorphis 、Barren Earth、Kalmah(adoreさんの「12Gauge」のレビューを見るとあまり評価は高く無さそうですが、自分にとってはこのバンドを知り初めて聴いた「The Black Waltz」はチルボドのどのアルバムより良いと感じ、これ以降も良作を出し続けているので今回も期待しています)も待っているし大変だ.....嬉しい悲鳴ですが。

今年も出来るだけ良い作品が聴けると良いなあ。

No title

これは本当に凄いアルバムですよね。
日本のメロデスというと「メロディは良いけど、演奏が薄っぺらくて音質もあまり良くない」というのが自分の見解だったのですが、見事にその既成概念をぶち壊してくれました。
アルバムトータル時間も丁度いいのでリピートを誘われてしまいますね。
国産メタルも遂にここまで来たか、と感慨深いものがあります。

BAND-MAIDは聴かれないのですか?
今年入って聴いた国産バンドでは個人的に本作ととも自分の中ではツートップなのですが。

No title

前2作もかなりのクオリティでしたが、今作は正に傑作ですね。
このバンドは単純にクオリティが高いだけではなく、聴き手に伝わって来る熱量というか激情というか・・・、中々言葉では表現しずらい部分ですが、普通のバンドとは違うレベルの物を持ってますよね。聴いていてグッと引き込まれる感が半端じゃないです。

小さめのハコ(WILD SIDE TOKYO だったかな?)では一度観ましたが、俄然大きなハコで観たくなりますね。

激情のメタルから産み出される最上のカタルシスによって「救済の日」が訪れる・・・。
最高です!(中二病か!)

No title

最初に聴いた時は特に前作と比べて「メロディックデスラッシュ」としての純度は控えめだなと思ったのですが、もう一度聴く頃には彼らの掲げるテーマであろう「慟哭」が前作までよりも比較にならないくらいひしひしと感じました。
デスラッシュな曲はもちろんなんですがLost ForeverやAstral Skiesなどのもはや歌モノと言える位ヴォーカルがメロディックに聴こえる曲がまた最高ですね。

>YTさん

歴史に残るかどうかはどれだけシーンに影響を与えたかという、必ずしもアルバムのクオリティだけによって決まるわけではないものなので何とも言えませんが、少なくともMyメタル史に燦然と輝くことは決定です(笑)。

Shatter Silence、名前だけしか知りませんでしたが、確かにいいですね。

KALMAH、作品の質の安定感はメロデス界隈ではトップレベルだと思ってますよ。
一方で四天王的な枠に入れるには決定的な何かに欠ける気がしているのもまた事実ですが(苦笑)。

>元学生メタラーさん

「メロディは良いけど、演奏が薄っぺらくて音質もあまり良くない」バンド、いますね、確かに(笑)。
このバンドは薄っぺらさが皆無な所が素晴らしいと思います。

BAND-MAIDは、YouTubeがおすすめしてくれるので(笑)公開されているMVは一通りチェックしています。

悪くない、むしろ結構いいとは思うものの、このサイト/ブログで扱うにはちょっと鉄分が不足しているかなあ…と思っているのが正直なところです。

>kimさん

わかりますよ、熱量というか激情というか、そういう言葉にしづらいもの。
このバンドに魅力を感じる人は皆それを感じていると思います。

この音は、恐らく思春期の私にとっては文字通り「救済」になり得たものだと思います。

>minさん

本作の慟哭(©前田氏@BURRN!)は半端じゃないですよね。

「Lost Forever」や「Astral Skies」などの(彼らにしては)メロウな曲は、私のようなメロディ志向の強いリスナーにアピールしそうですね。

No title

 前作でまた速い曲をやるというインタビューを見て
マンネリ化するんじゃないかとタカを括って
今作を聴きましたが速い曲は勿論聴かせる曲もパワーアップして大満足
聴き終わったあとにCDを拝んでしまいました(苦笑)
今年の上半期ではBloodshot Dawnと並んでベストアルバム候補です。


>かつ丼さん

音楽的に新しさがあるわけではないのでマンネリといえばそうなのですが、そんなことを言わせないだけのクオリティと気迫がありますね。

しかしCDを拝むって(笑)。

No title

あえてケチをつけるというか
惜しむらくはこれが2018年の作品だと言うことか…
20年前のメロデス全盛期にこれが出ていれば…

>人さん

おっしゃる気持ちはよくわかります。
今このジャンルでこれだけの傑作が出ても、きっと世界は変わらないでしょう。

とはいえ、これまでの名盤を消化し、現代の録音技術があってこそ、この音があるというのもまた事実だと思いますので、我々は今この音楽に出会えた喜びを享受するしかないのでしょう。