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SEPULTURA 来日公演 at duo MUSIC EXCHANGE 2018.5.23

諸事情あってブラジルを代表するエクストリーム・メタル・バンド、SEPULTURAのライブを観に行ってきました。

諸事情あってメタルのライブを一度も観たことがないという女性と2人で関係者席での鑑賞です。

オープニング・アクトとしてまずはUNITEDの登場。彼らのライブを観るのはLOUD PARK 15以来ですかね。

華には欠けるものの、ソリッドでストイックなスラッシュ・メタル・サウンドが気持ちいい。
ギター・ソロでツイン・リードのハモりが聴ける曲が多いのがいいですね。

ステージ中央前方では盛んにモッシュなども起きていましたが、前座ゆえに盛り上がりはそこそこ。

その空気に対して「オッサンたち温存しようとすんなよ。温存しようとしてんの見え見えなんだよ。ド平日だけど関係ねえ、今週捨てようぜ」というMCで笑いを取るテクはベテランならでは。

7月に7年ぶりのニュー・アルバムが出ることを告知を挟みつつ、40分ほどプレイして終了。

UNITEDのステージが終了して程なく、伊藤政則氏が御降臨されました。

よりによって私の真ん前に着席されたため、基本的にSEPULTURAのライブ中、伊藤政則氏の後頭部しか見てません。

セットチェンジを経てSEPULTURAの17年ぶりという来日公演がスタート。
17年ぶりということは、『BEAST FEAST』以来なんですね。

このバンドの場合、マックス・カヴァレラ(Vo, G)が1996年に脱退してからは、むしろそのマックスが始めたSOULFLYがSEPULTURAのファンを継承するような形になったため、日本では人気が急落。それは必ずしも日本に限ったことではなかったが、特に「ヴォーカリスト=バンドの顔」という意識が強い日本ではその傾向が顕著だった。

かく言う私も現ヴォーカリストのデリック・グリーンが加入して以降のSEPULTURAのアルバムをまともに聴いたことはなく、4曲目の"Territory"がプレイされるまでは「知ってる曲がない」状態。

もっとも、曲を知らないと楽しめないような音楽性でもなければ、そんなレベルのバンドでもないわけで。

700人収容というあまり大きくないハコとはいえ場内はほぼ満員という感じだったし(とはいえあれだけモッシュが起きていたということはギュウギュウではなかったということだと思いますが)、開演前の「SEPULTURAコール」はかなりの熱量で、私がよく行くようなメロディック・メタル系のライブよりもオーディエンスの熱気は段違いに高かったです。

Voのデリック・グリーンがとにかくゴツい。黒人がバスケットボールのユニフォーム着ている時点で既にメタル・ミュージシャンには見えないわけですが、そのガタイのゴツさはバスケ選手というよりも完全にヘビー級のプロボクサー。恐らくフィジカルでの殴り合いになったら最強のミュージシャンは彼なのではないでしょうか。

マックス・カヴァレラの復帰がかなわないのは、コイツとモメるのが怖いからなんじゃないかとさえ思える迫力でした。
いや、時折見せる笑顔などを見ると結構いい人なんじゃないかという気もしたのですが。

ただなあ…そのガタイに対して歌声は割と普通というか想定の範囲内というか。言葉を選ばずに言えばあんまり個性がないんですよね。この手のサウンドのヴォーカルは声にパワーさえあれば充分なのかもしれませんが、なんか物足りない。まあ、この手のジャンルの歌声に個性を求めるのは酷なのかもしれませんが。

時折ただでさえ狭いステージをさらに狭くしているパーカッションを叩き、トライバル感の演出に貢献するものの、前任のマックス・カヴァレラと違ってギターをプレイしないので、ギター・ソロの時に音が薄くなってしまうのは如何ともしがたい。

いや、アンドレアス・キッサーのギターはかなり良かったですよ。一見ラフに、しかしその実、正確かつ強靭なリフを刻むサウンドは変な湿度がなく爽快なまでにザクザクしていましたし、一方でワウをかけて弾くことが多いギター・ソロのトーンには泣きとまでは言わないもののエモーショナルな味わいがあってちゃんと聴かせてくれる。

一緒に観ていた女性も、メタルこそ初体験ながら、ライブ自体は年間40本くらい観ている音楽リテラシーの高い人なので、「ギターいいね」と、そのギター・プレイの魅力はちゃんと伝わっていました。

そしてその彼女をさらに驚かせたのはエロイ・カサグランデのワイルド極まりないドラム。ワイルドに叩いているようでいてリズムは正確、そしてそのアタックの強さは、スラッシュ・メタル・ドラマーの中でも屈指の実力者として知られたイゴール・カヴァレラの穴を埋めるに充分な力量でした。

しかしこの逞しいドラマーが、2007年のLOUD PARKで観たANDRE MATOSのバックでドラムを叩いていた16歳の少年とは…。

あの時は美少年と言ってもいいような華奢な感じだったのに、白人の加齢に伴うトランスフォームは日本人の想像を超えるものがあります(苦笑)。

やはり感銘を受ける所があったのか、同じく関係者席で観ていた某ミュージシャンも、ギタリストであるにも関わらずずっとエア・ドラムをしていました(笑)。と言ってもUNITEDの時からエア・ドラムでしたが。

そして新旧織り交ぜた本編ラストでプレイされたスラッシュ・メタル史上屈指の名曲、「Arise」の殺傷力はやはり尋常ではなく、私も思わず「着席ヘッドバング」というシュールな行動をせずにいられませんでした。

「Arise」を終えてステージに引っ込んだ後の「SEPULTURAコール」もかなりのアツさで、デリック・グリーンが「Absolutely Amazing!」と言っていたのもまんざら社交辞令じゃなかったのかもしれません。

アンコール1曲目に「Slave New World」がプレイされた後、日本に戻ってこれた喜びと、本日の盛況に対する感謝の意を表した後、「日本のファンのために特別なことをするよ」とアナウンス。

アンドレアス・キッサーが「俺たちの前に素晴らしいプレイをしてくれたUNITEDのシンガー、マサを呼ぶよ」というと、袖からUNITEDの湯浅正俊が現れる。

「日本のメタル・ゴッド、マサ・イトーに捧げるよ」と言って何を始めるかと思いきや、コールされたのは「ウルトラセブンの歌」。

最新作『MACHINE MESSIAH』の日本盤ボーナス・トラックだったようですね。だいぶ前だけど彼らと同じブラジル出身のハードコア・バンドR.D.P.(Ratos De Porao)もカヴァーしてましたが、ブラジルではウルトラセブンが人気なのでしょうか(それともそのR.D.P.のっバージョンをカヴァーしたという感じなのでしょうか)。

湯浅氏がオーディエンスに「お前ら歌えるよな? 俺もコレ(スマホの画面)見ながらだけど」と言って笑いを取りつつ、ハードコア・バージョンの「Urtra Seven No Uta」をプレイ。

とりあえずオーディエンスは「セブン♪セブン♪セブンセブンセブン♪」の箇所だけ合唱(笑)。

なお、同行していた女性の感想は「(UNITEDの)ヴォーカルの人、喋っている時はすごくいい声なのに、どうして歌う時は変な声で歌うのかな? これがデス声ってやつ?」

…違います。

捧げられた当人である伊藤政則氏はこの曲が終わるとそそくさと退出して行かれました。

その後最新作からの曲が1曲プレイされ、締めはもちろん彼らの音楽的評価を格段に高めた名盤『ROOTS』からの「Ratamahatta」と「Roots Bloody Roots」。

私は「Arise」のようなストレートなスラッシュ・ナンバーの方が好みですが、これらの曲に個性とインパクトがあることは認めざるを得ない。

いや~、でもやはり流石でしたね。ぶっちゃけ座ってエクストリーム・メタルの知らない曲を聴いたら寝てしまうんじゃないかと危惧していましたが、全然眠くなりませんでした。

ぶっちゃけ招待された時は「SEPULTURAかあ…。ここ20年くらい聴いてないしなあ…」とやや後ろ向きな気分でしたが、オーディエンスの盛り上がりのアツさも含め、予想外に良いライブでした。やはり国際的に成功しているキャリアの長いバンドのライブは観て後悔することはありませんね。

◆最新アルバムからの「Phantom Self」のMV


◆スラッシュ・メタル史上に残る名曲「Arise」のMV


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コメント

非公開コメント

羨ましい!

Sepultura見に行きたかったです!
僕はデリック加入後のアルバムから聞き始めたので、マックスよりデリック派ですね。
マックス=Soulflyのイメージがついてます。
今年はラウドパークの開催がないようなので、来年開催されたら是非ともSepulturaをラウドパークのデカイ会場で見たいですわ。

>通行人Rさん

もうデリック・グリーンが加入してから20年になるのに、未だにマックスのイメージが抜けないあたり、私は完全に老害ですね(笑)。

やはり初めて知った時の印象というのは強いです。

本来はこんな狭いハコではなくLOUD PARKのような大きなステージでプレイすべきバンドだな、と感じました。

懐かしのSepultura

いつも楽しく拝見しております。

私、beast feastで前回のSepultura観たんですが、それ以来だったんですね。
当時の印象は、nationリリース時とかでまだデリックがこなれてなかったからか、会場の大きさをコントロールできていない感じでした。
そういえば、冒頭ではデリックもギター担いでてビックリした記憶もあります。

あと、やはりその巨体は特徴的でしたね。
beast~で競演していた日本の地獄車のボーカルさんと、別のライブでお話しした時には、「あのボーカルは大きくて本当に怖かった」と言ってました(笑)

>ナマコさん

Beast Feastに行かれていたような生粋のエクストリーム・メタラーさんが当ブログをご覧になっているとは驚きです(笑)。

今回に関して言えば、さすがに20年やっているだけあってデリック・グリーンのフロントマンぶりは堂々としたものでしたね。

デリックは知らない人が夜道で会ったら恐怖以外の何者でもないでしょうね(笑)。

今日は。
自身、loudpark2017以来の投稿、失礼いたします。

正直、私は公演当日の仕事が思いのほか早く終わり、持て余していたところにふとsepulturaが思い浮かび、赴いた次第です。
私も知っている曲が殆どありません.....
Arise ,refuge resistそして Roots bloody roots ぐらいです。

思えば1996年師走、青山チケットエージェンシーよりmax cavarela脱退による公演中止の電話を受け切符払い戻しの措置を受けたのは今では良い思い出です。

デリックグリーンは加入当初はギターを弾いていたような記憶が......

しかしながら、場所の大小あれど自分のいた場所に御大と幾度も一緒となりますと、
思い切ってサインをもらいたくなる気分です。

最近は更新頻度が高いようですが、お仕事にゆとりを持てるようになりましたのでしょうか?

因みに本日はat the gates を鑑賞しております。


>Tomさん

御大のサイン? 伊藤政則氏のですか?

バッタリ出会えれば結構もらえそうな気がしますけど、どうなんでしょうね。結構気難しそうな雰囲気もありますし。

メンバー脱退による公演中止と払い戻しは、良い思い出かどうかともかく、印象に残る思い出であることは間違いないですね(笑)。

先にコメント下さっている方の内容からしても、デリックも昔はギターをプレイしていたようですね。

更新頻度が上がっているのは、働き方改革で早く(と言っても22時ですが)帰ることが強制されるようになったのと、短いエントリーを書くことにトライしているからですね。

Tell me true ....

「諸事情あって」×2
「某ミュージシャン」
「招待された時」
いずれも捨て置けないんですが...笑

>学生気分41の初夏さん

招待してくださった方にご迷惑がかかるといけないので詳細は言えない、などというとそもそもそんな思わせぶりなこと書くなよ、という感じなのですが(苦笑)、私がSEPULTURAの単独公演を観に行くということ自体、何の説明もないとちょっと変かな…?などと思いまして。

…自意識過剰ですね(笑)。お恥ずかしい。