DEICIDE / THE STENCH OF REDEMPTION (2006)

deicide08.jpg

ラルフ・サントーラ追悼エントリーその3。この週末はラルフ・サントーラ関連作漬けでした。
いや、陰陽座の新譜も聴いてましたが。

ラルフ・サントーラのデス・メタル本格デビュー作ですね。93年の時点でDEATHのツアー・メンバーなどもやっていましたが、デス・メタル・バンドの正式メンバーとしてアルバム制作に携わったのは多分本作が初だと思います。

DEICIDEは言わずと知れた(?)、デス・メタル第一世代とでもいうべきフロリダの古参。最もアンチ・キリスト色を強く打ち出し、命を狙われることもしばしばだったという危険極まりないバンドである。

ラルフ・サントーラ自身は敬虔なカトリックの家庭に育ったようだが、その辺はビジネスとしての「大人の割り切り」だったのか、EYEWITNESSやMILLENIUMが成功せず、世界を呪いたい気分になって自暴自棄になっていたのかは定かではありません(笑)。

音楽的にはデビュー時から大きく変わらぬピュアなデス・メタル・サウンドが展開されているわけですが、やはりラルフ・サントーラ加入効果はてきめんで、ギター・ソロについては私のようなメロディアスなHR/HMを好む人間が聴いても楽しめる構築美に溢れたスリリングなギター・ソロが楽しめる。

楽曲自体はコンパクトにまとまっており、全9曲と収録曲が少ないこともあって、私のような「メロデス以外のデス・メタルはちょっと…」という軟弱なリスナーでも耐えられる、というか結構楽しめる。その辺は素人にはあまり区別がつかないこの手のジャンルにおけるベテラン・トップ・アーティストならではの力量が出ているということなのだろう。

ラルフ・サントーラの加入によるメロディックなギター・ソロの導入がこの手の本格(?)デス・メタルを愛する人にとってどう受け止められたのかは知る由もありませんが、本作は海外のレビューでも評価が高く、商業的にも割と成功したようなので、ラルフ・サントーラの貢献は真性(?)デス・メタラーにも評価されたものと思われます。

しかし、MILLENIUMみたいなある意味誰でも聴ける音楽よりも、こういう音楽の方がビジネスとしては儲かるなんて、凄い時代になったものですね…。



関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

No title

adoreさんこんにちわ。
久しぶりにコメントします。

今回のニュースを見てショックを受け、追悼として色々聞いてました。
やはりMILLENIUMの2ndは名盤だと思うし、
1stもやるせないメロデイがたまらないです。
あと、ソロ作品も素晴らしいですよね。
出た当時は相当聞き込みした。
個人的にはDECIDEとかの時代は聞いてなかったので、
今度聞いてみたいと思います。

しかし、今年はZenoといい日本のメロハーファンにとって辛いですね。

No title

グレン・ベントンより先に亡くなるとは…。

陰陽座の新譜良いですよね。レビュー予定ですか?

ラルフの参加作品をリアルタイムで聴いたのは、コレが初めてでした。オーソドックスなデスメタルの上で流麗に舞うギターソロはインパクト絶大でした。それまではMillenium の「Hourglass」でしか彼のプレイを聴いた事がなかったので、こういう音楽性のバンドとも意外と相性が良い事にも少し驚きました。

彼が参加した「メタル」な作品ではコレが一番気に入っています。アルバムの出来なら(音楽性は違いますが)Iced Earthの「The Glorious Barden」に軍配が上がりますが、ゲスト扱いで全曲プレイしている訳ではないのとソロ自体もそれほど目立たないのでラルフのベスト・ワークとは言い難い気がしますし、あれはラルフよりティム オーウェンズにとってのベストと言った方が良いと感じるので、ソロの充実度を含めればこの「The Stench Of Redemption」の方を自分は選びます。

ラルフ脱退以降のDeicideとObituaryのアルバムを駄目元で1作ずつ聴いてみましたが、自分にはちょっと地味過ぎて両バンドともそれっきり疎遠になってしまいました.....

>紅の猫さん

MILLENIUMはあの時期のアメリカにあって貴重なサウンドでしたね。

実はソロは聴いてないんですが、DEICIDEやOBITUARYでさえ求心力のあるソロをプレイしていたのだから、きっと良いプレイが収められているのでしょうね。

しかし言われてみればMILLENIUMのラルフ・サントーラ、SHYのスティーブ・ハリス、ZENOのジーノ・ロートと、類い稀な才能を持った米英独の叙情系ギタリストは皆早死にしていますね…。

>名無しのメタラーさん

33歳で死ぬはずだったグレン・ベントンはピンピンしていて、ラルフ・サントーラが死ぬというのは、なんだかちょっと釈然としませんね(苦笑)。

陰陽座は相変わらず良いですね。まだ聴き込んでないので断言はできませんが、多分そのうちレビューするんじゃないでしょうか。

>YTさん

MILLENIUMのような音楽性でギター・ソロがメロディアスなのはある意味当たり前ですが、こういうデス・メタルでギター・ソロがメロディアスだとコントラストでより印象に残るという面はありますね。

私もICED EARTHの"THE GLORIOUS BURDEN"の方が音楽的には好きですが、ラルフのギターが冴え渡っているのは本作に軍配が上がるというのは同意見です。

No title

この一週間はラルフ参加作ばかり聞いていたのですが
歌メロ、ギターソロ、ギターインストと
最高の楽曲センスの持ち主だなと思う一方、
サウンドプロダクション、ファッション、バンドのコンセプトといった
外側のイメージ的な部分で質素というか素っ気ない感じは受けますね。
「勿体ない」というか「潔い」というか。

DECIDEはそういう点で圧倒的に素晴らしいですね。

しかし、上で名前が挙がっていたティム オーウェンズって
「雇われ」ってイメージが強く、その中でも当たり作品はICED EARTHのみで
実力の割にJPの珍作とインギーの駄作しかフューチャーされず、
かわいそうですね。
(JPのライブ盤はいつ聞いても気持ちいい傑作ですが)

>名無しのメタラーさん

おっしゃる通り、ラルフ・サントーラは音楽以外については割と無頓着な人だったんだろうと思います。

それは個人的には好感が持てますが、「売れる」ためにはちょっとネガティブに働いたのではないかという気がしますね。

いいブレーンとなるマネージャーが付いていればよかったんだろうと思いますが…。

リッパーについては、たしかに注目度の高いJPとインギーの元で名作を作れなかった(どころか駄作に付き合わされた?)のが不運でしたね。

ブレイズ・ベイリー同様、メジャーなバンドのフロントマンに抜擢された時点で運を使い果たしてしまったのかもしれません。