UNIVERSE INFINITY / ROCK IS ALIVE

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当時日本盤リリースさえなかったものの、80年代北欧メタルの名盤特集などでは常連的な存在となっているUNIVERSEの再結成アルバム。

なお、「UNIVERSE」というのがあまりにありがちというか、もはやGoogleで検索不能なバンド名だからか、UNIVERSE INFINITYに改名している。

私がUNIVERSEの残した唯一のアルバム”UNIVERSE”(1985)を聴いたのはぶっちゃけYouTubeに上がっていた音源を通じてでしたが、確かにB級ながらマニアの間で名盤として語り継がれるのも納得の魅力があり、なぜこれが当時日本盤リリースされなかったのか理解に苦しみました。もっとアレなアルバムがたくさん日本盤リリースされていたはずなのに。

ライナーノーツによると、ギターのミカエル・クリングは若い頃ジョン・ノーラムとカヴァー・バンドをやっていた、もう一人のギターのペル・ニルソンは昔ジョーイ・テンペストのバンド仲間だった、キーボードのフレドリク・クリストレムが以前在籍していたバンドの前任キーボーディストはミック・ミカエリだった、とのことで、完全に「EUROPEのニアミス・バンド」であるようだ(苦笑)。

UNIVERSEはアルバム1枚でレコード契約を失い、1988年にひっそりと解散、メンバーはみな音楽業界から身を引いていた。

しかし、メンバー各人の交友は途絶えることなく、2002年に一堂に会した際、セカンド・アルバム用に書いていたマテリアルもあるし、再結成しよう、という話が持ち上がったそうだ。

そして実際にリリースが実現したのは今年、2018年。

まあ、堅気の仕事をして家庭も持っている大人が5人いたら、なかなか都合も合わず、いつの間にか10年以上の時が流れてしまった、というのは、学生さんには理解できないと思いますが、自分が40歳になった今となってはわからなくはありません。

“UNIVERSE”で歌っていたシェレ・ヴァレンは解散前に脱退しており、その後任として加入し、解散までヴォーカルを務めていたヤンネ・オーストレムはミュージカルの世界で成功していたため今回の再結成には不参加。替わって本作で歌っているのは元HOUSE OF SHAKIRA、というのが北欧メタル・マニアには通りがいいであろうアンドレアス・エクルンドである。

とまあ、くだくだとライナーノーツみたいなこと書きましたが、もう1曲目「Start Give All Your Love」のKeyによるイントロが流れた瞬間に思わず「これぞ北欧…」と呟きましたね。

聴き進むと、メロディアス・ハード色の強い曲から、ヘヴィ・メタリックな曲、まんまDEEP PURPLE、みたいな70年代色の強い曲まで様々なタイプの楽曲が収められており、それが「バラエティ豊か」というよりはやや散漫な印象を与えてしまうのは、プロフェッショナルなプロデューサーの下での制作経験がないためだろう。

とはいえ、個々の楽曲にはちゃんとフックがあって、メンバーの確かな音楽的センスを感じさせる。そして何より随所で聴かれる、我々日本のメタル・ファンが「北欧的」と感じる哀愁のメロディ、そして適度にマイルドな歌声がこれまた何とも北欧的で、私の感性のツボを絶妙に刺激してくる。

これらの曲は基本的に80年代に書かれていたものらしいが、質・量ともにこれだけの楽曲がストックされていたのだとしたら30年越しで再結成を諦められないのも無理はない。

これ、93年~98年くらいにゼロ・コーポレーションから出てたら、今回売れた枚数の10倍くらいは売れたんじゃないかなあ。本作が実際何枚売れてるのか知りませんが。【85点】


冒頭ドラマパートで動画サムネイルの女性が聴いているのは"UNIVERSE"収録の「Stories From The Old Days」で、オールド・ファンへのサービス的な演出でしょう。オリジナル・メンバーたちの風貌は完全に「ただのオッサン」ですが(苦笑)。Voの人はさすがにミュージシャンやってただけあって、多少「らしい」雰囲気がありますね。


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コメント

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どうせロートル感溢れる仕上がりなんだろうなと思っていたので、良好なサウンドプロダクションと1stよりも洗練された楽曲(頭2曲を除くと他の曲は往年の雰囲気に近い気がしますが)、ブランクを感じさせない演奏は嬉しい誤算でした。アンドレアスが加入したと聞いて、どんな感じになるかなと思って聴いてみましたが、買って正解でした。1stのVoのオッサン声もあれはあれで味があったと思いますが、この作品には野暮ったく聴こえてしまいそうなので彼の加入も良い人選だったと思います。

自分が(現Voのアンドレアス ノヴァクが参加したものも含めて)House Of Shakiraで一番好きな「On The Verge」収録の「Best Of Times」に匹敵する楽曲は無いかなと感じましたが、アンドレアス エクルンドが参加した作品で良い曲が一番揃っているのは今回の「Rock Is Alive」な気がします。あと2、3作ほどこのバンドに参加してくれると嬉しいです。次作は何年後になるやらといった感じですが(笑)

>YTさん

30年のブランクがあるだけに正直私もあまり期待していませんでしたが、曲を当時書いておいたのが正解だったということなのでしょう。予想外の好作でした。

アンドレアス・エクルンドのVoもハマっていると思いますし、曲のストックはまだあるとのことなので、ぜひリリースしてほしいですね。