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THE NIGHTS / THE NIGHTS (2017)

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いやいや、最近異常な暑さですね。

家から駅も、会社の最寄り駅から会社も徒歩5分以内、基本的には空調の効いたオフィスの中で働いている私でさえ「正直しんどい」と思っているくらいですから、工事現場とかで働いている人なんて地獄ですよね。

というか、先日の大雨で家を失ってしまった人とか、本当にお気の毒ですとしか言えません。身体はもちろん、心を病むレベルの辛い夏になってしまっているだろうとお察しします(お察しだけしても何も起きないので、とりあえず心ばかりですが募金はしました)。

まあとにかく暑くてですね、こんなサイト/ブログをやっている割に軟弱メタラーな私としてはとてもゴリバリなアツいメタルを聴く気分にならないのですよ。

もちろん「暑い日こそ激辛カレーとか火鍋だろ!」みたいな思想があることは認知しておりますが、私は素直にざるそばとか冷やし中華を食べたいタイプです。

こんな暑い日々に聴くことができるHR/HMといえば、やはりHR/HM界における一服の清涼剤(?)、北欧メロディアス・ハードです。

そんなわけで、ちょうど1年前の2017年7月にリリースされたこのアルバムを今さら取り上げます。

このTHE NIGHTSは、サミ・ハイド(Vo)とイルッカ・ヴィルタネン(G)によって2015年に結成されたフィンランドのバンド(プロジェクト?)。

ベースはハッリ・コッコネン、ドラムはヤン=エリック・イーヴァリという人がクレジットされているが、本作のソングライティングの中心となっているのはサミとイルッカの二人のようだ。

両名とも新人ではなく、サミはセッション・シンガーとして国際的(といっても欧州限定のようだが)に活躍し、ソングライターとしてTHE MAGNIFICENTに"If It Takes All Night"や "Lost" 、 "Drive"といった楽曲を提供している実績もある。

イルッカ・ヴィルタネン(G)は母国フィンランドの人気バンドであり、来日経験もあるグラム・メタル・バンド、RECKLESS LOVEのプロデューサーとして知られ、彼ら以外にもフィンランドのロック・バンドやポップ・アクトの作品に数多く関わった経験を持つ、いわゆる裏方的な人のようだ。

そういうプロフェッショナルな人が中心となっているだけあって、楽曲のクオリティは非常に高い。再生ボタンを押して20秒ちょっとで「これは自分の琴線に触れる音楽だ」と予感し、それは見事に的中しました。

もはやアイドル系ポップ・アクトに提供できるんじゃないか、というほどに甘くキャッチーなメロディ、それを何とかHR/HMというジャンルに持っていく、2000年代にフィンランドで一世を風靡した「ノリノリ系ゴシック・メタル」に通じる、割とヘヴィでモダンなギター・ワークのマッチングは、80年代ばりのゴージャスなキーボード・サウンドに彩られているにもかかわらず、決して懐古主義なAOR系産業ロックにならない、ありそうでなかった個性的な音。

まあ、個人的には懐古主義な80年代AORでも全然構わないタイプなので、このバンドのモダンな部分についてはそれほど評価ポイントではないのですが、とにかく豊潤なメロディとハーモニー、Key奏者はいないにもかかわらずギターと同等にフィーチュアされたキラキラ系キーボード・サウンドがとにかくツボです。

曲展開が結構ダイナミックで、時にドラマティックというかシアトリカルな印象さえ与えるあたりも、しばしば単なるBGMになりがちなAOR系メロハーとは一線を画している。

ヴォーカルのやや甘ったるい歌声は好き嫌いが分かれるかもしれないが、このサウンドであれば、変にハスキーでパワフルなヴォーカリストを起用するよりは相応しいだろう。

残念なのは、このGoogleが世界の情報を支配するご時世に、およそ検索しようのないバンド名とアルバム・タイトルでデビューしてしまったこと(まあ、そもそもこの人たち公式サイトさえ持っていませんが…)。

今これからデビューするなら、KISSだって「KISS」なんてバンド名はつけませんぜ、きっと。

ただでさえ裏方系のミュージシャンによるプロジェクトなんて地味な存在になりがちなのに、このバンド名、このアートワークじゃ、本来興味を引かれるはずの人たちでさえスルーしてしまいそう(実際私も数か月前までスルーしていましたし)。

このブログでは折に触れ私の北欧メタル愛を語ってきたので、長年読者でいてくださっている方には同好の士も多いと信じていますが、そういう方で本作をスルーしてしまっていた人にはぜひ一度チェックしていただきたいバンドです。【87点】





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コメント

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7月でこの暑さ...8月はどうなるんですかねー(予報だと平年より高めぐらいらしいですけど)。

最近またこのアルバムを聴き直しているので、自分には丁度良いタイミングでのレビューですね(笑)。

The Magnificent の「Drive」を書いた人がメンバーなのと、「Juliette」の素晴らしさ(去年のベスト・チューンのひとつだと思います)が購入動機でしたが他の曲も北欧のバンドらしい爽快/哀愁のバランスが絶妙に取れたものが揃っていて、期待以上の出来でした。

モダンめなメロハーではコレとDegreedが去年リリースされた中では秀逸な出来だったと思います。アイドルが歌ってもそれほど違和感がなさそうという点も共通していますし、もし未聴でしたらおススメです。このバンドのKeyの存在感(特にソロは曲によってはGtよりも印象的)は意外とadoreさんのツボにハマる気がします。

No title

メロハー好きな私にはストライクなバンド、曲を紹介いただき感謝です。Degreed、Eclipse,W.E.Tなど良質なバンドが北欧にはたくさんあるのでもっと来日してほしですね。Magnificientあたりまたアルバム出してほしいです。

>YTさん

正直7月にして夏バテしてます(苦笑)。

DEGREEDもいいですね。NICKELBACKの北欧版みたいな感じで、レベル高いと思います。

>しんさん

北欧は人口少ないのに本当にメロハー好きにはたまらないバンドを次々と送り出してきますよね。

THE MAGNIFICENT、5年以上経っても新作が出ないということはもうやる気がないか、前作がよっぽど売れなかったか、ということなんですかねえ…。

No title

Julietteって曲がもの凄くTerra Novaっぽくて気になりました。当のTerra Novaは直近のアルバムもTwo Of A Kindの新作もイマイチだったから、このバンドをチェックしてみようかな。

>おいしいものさん

TERRA NOVAのような爽快系のメロハーではありませんので、それそのものを期待されるとちょっと肩透かしかもしれませんが、メロハー系の音楽が好きな方であればどこかしら琴線に触れるサウンドだと思いますよ。