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DOLL$ FESTA 2018.7.29 at クラブチッタ 感想

以前一度書きましたが、私が2010年代に入って最も気に入っているバンドの一つがDOLL$BOXXでして、今回ボブ・ディランに惹かれつつもフジロックを蹴ってDOLL$BOXX主催のフェス(というか対バンイベントですが)DOLL$ FESTAに足を運んできました。

この週末は台風ということで、先週はどうなることやら、と危惧していましたが、メンバーの心がけが良かったのか首都圏については台風の影響は大してなく、今日は普通に晴れていた(とはいえ、西日本から来ようとしていた人は影響を受けたのかもしれません)。

このブログの読者にはあまり馴染みがないかもしれないので一応説明しておくと、DOLL$BOXXとは国内きってのテクニカルなガールズ・バンド、Gacharic Spin と、元LIGHT BRINGER、現Fuki Communeのヴォーカリスト、Fukiによるプロジェクトで、このイベントはそのDOLL$BOXXをヘッドライナーに、Gacharic SpinとFuki Commune、さらにFukiが掛け持ちで在籍しているUnlucky Morpheus、そしてGacharic SpinとSHOW-YAのヴォーカリスト、寺田恵子によるプロジェクト、寺田リック・スピンの計5バンドが出演するというもの。

つまり、出演5組のうち3組のヴォーカリストがFuki、3組の演奏陣がGacharic Spinという、出演バンドの割には出演者の少ないイベントです(笑)。

このイベントの前に買い物などしていたら到着が予定より遅れてしまい、開演時刻ギリギリの15時に到着。当日券込みでソールド・アウトになった(した?)場内は盛況で、前の方に進むこともできず入り口近くの後方で開演を迎えることに。

ちなみに客層は40代~50代と思われる男性が大半で、典型的な嬢メタルの客層。このイベントのTシャツ着用率の高さが高いロイヤリティと「お布施」に対する高いモチベーション(タニマチ意識?)を感じさせる。

Fuki Commune

1バンド目はFuki Commune。アルバムは未聴だったが、YouTubeでちょろっと聴いた曲でアニソンみたいなポップな曲をやるプロジェクトなんだな、と高を括っていたら、意外とメロスピな曲が多くて耳を引かれる瞬間が多かった。

ドラムが非常に私好みのタイム感の持ち主なのを筆頭に演奏のクオリティも高く、音量がいささか大きめで耳栓なしでは厳しかったが、普通にメタルのライブとして楽しめた。「Bloody Rain」なる新曲もカッコよかったし。

赤いドレスをまとったFukiも魅力的だった…と言いたい所だが遠くてあまりよく見えず。クラブチッタは天井高いんだからステージをもっと高くしてほしい。「お立ち台」に立った時だけ見えたパフォーマンスは、なんとなく仕事で何度か観た声優アイドルを思わせるものだったが、オーディエンスがサイリウムを振り回すようなことはなく一安心…だったのですが。この時点では。




寺田リックスピン

Fuki Commune終演後、タバコ組やトイレ組が場外に出たのに乗じてフロア中央あたりまで進出する。

2番手はイベントでSHOW-YAとGacharic Spinが共演したことをきっかけに結成された、SHOW-YAのヴォーカルである寺田恵子とGacharic Spinのコラボ・プロジェクト(ロゴがなぜかBABYMETAL風)。

要はGacharic Spinのメンバーをバックに寺田恵子がSHOW-YAの曲とGacharic Spinの曲を歌うという、プロジェクト名通り「そのまんま」な企画。

そしてGacharic Spinの曲がプレイされると、オーディエンスの1/4くらいがサイリウムを振り回し始める(苦笑)。

SHOW-YAの曲は、SHOW-YA自身もライブではプレイしたことがないという「地下水道の月」(名バラードです)みたいなレアな曲もプレイされ、「その後で殺したい」なんかはだいぶアレンジが変わっていて面白い。

AC/DCの「Whole Lotta Rosie」のカヴァーなんかもカッコよかったが、思いのほかメタルTシャツ着用率の低いこの会場でどれくらいニーズがあったのかは?

寺田恵子のためにあるような曲、「年齢不詳の魔女になりたい」は、途中に聖飢魔IIの「蝋人形の館」が挟まれ(「お前も蝋人形に…してやらない」)、個人的には非常に楽しめた。

SHOW-YAの代表曲、「私は嵐」と「限界LOVERS」はかなりオリジナルに忠実なアレンジで、オリジナルよりキレのいい演奏で楽しませてくれました(笑)。


Unlucky Morpheus

ゴシック・シンフォ風味のメロディック・スピード・メタル・プロジェクト。Fukiは先ほどのFuki Communeとは打って変わって黒い衣装を身にまとい、金髪のカツラをかぶっている。

どうやらいわゆる同人系のプロジェクトらしく、GALNERYUS / THOUSAND EYESのドラマーでもあるFUMIYAを除くと、メンバーが全員陰キャな感じ(笑)。

素に近いと思われるFukiのMCは、アッパー系コミュ障みたいな妙なテンションが個人的にはちょっと見ていて(聞いていて)落ち着かない(苦笑)。

でも音楽はクラシカルなメロディック・スピード・メタルとして非常にクオリティが高く、この手のサウンドは学生時代の私だったら思いっきりハマったと思われます(もちろん今も好きですが)。




Gacharic Spin

Unlucky Morpheus終演後、いったん場外に出て、ドリンクチケットをコーラに変えてカフェインと糖分をチャージ。ソールドアウトと言いつつギュウギュウではないので、再び先ほどと同じ真ん中辺りのポジション取りに成功する。

そして始まったGacharic Spin。いや、メチャクチャ楽しいですね、これ。彼女らの音楽はメタル指数でいったら本日一番低いのかもしれませんが、もはやジャンルとか関係なく全人類が楽しめるエンターテインメントという感じ。

キャッチーな楽曲、キレッキレの演奏、そして何よりメンバーが凄く楽しそうに演奏していること。寺田リックスピンの時から思っていましたが、特にギターの笑顔が素晴らしいですね。日々のビジネスで荒んだ心が癒されます。

昨年「コンサートに頻繁に行く人は幸福度が高いことが科学的に証明」という眉唾なニュースがありましたが、このバンドのライブは確かに幸福度を上げる気がします(笑)。

中でもハンバーガーの着ぐるみ(?)を着た、歌って踊れるキーボーディスト、オレオレオナの振り切ったパフォーマンスはインパクト絶大。

キーボードを前に傾けて弾いている時の運指を見せる、というのはイェンス・ヨハンソン(RISING FORCE~STRATOVARIUS)および彼に影響を受けたHR/HMキーボーディストによってよく見ますが、キーボードを横に(いや、縦というのか、あれは?)立ててソロをプレイするのは初めて見ました。

さらに、ダンサー(肩書はパフォーマー)がリュックのようにキーボードを背負い、四つん這いになった状態で背中のキーボードをオレオレオナが弾く、というのも私にとって斬新なパフォーマンスでした。メンバー全員歌えるだけに、まさに全員主役状態でステージ上が百花繚乱のごとく、「常にどこかで何かが起きている」状態。

このむやみやたらな全力投球感、かつて一度映像作品で観たことがある、ももクロのステージに通じるものを感じました(褒め言葉になっているかどうかわかりませんが…)。

本日に関しては私の右隣にいた人がずっと「振り付け」を踊り続けていて、しばしば私の方に勢いよく振り出されてくるその腕の動きをよけることに神経を使う必要があったのが若干の難点でしたが(苦笑)。ライブで楽しみたい、という人はこのバンドのライブを観るべきです。マジで。

もうここまでで充分満足でしたが、この後DOLL$BOXXがあるというのですから、6800円というチケット価格はきわめて良心的。




DOLL$BOXX

そして本命、DOLL$BOXX。約5年前にその存在を知ってから、ずっと観たいと思っていた夢が叶いました。

夢という割にはこれまでのライブを見逃していたのは、私があまり嬢メタル界隈のニュースを積極的に取らないという怠慢によるものですが(苦笑)。

そしてそのライブは5年越しの期待にバッチリ応えるものでした。

アルバムで私の心をとらえたFukiの歌唱は、本日3ステージ目にして(!)ピッチの安定感という面では最高のクオリティ。だんだん調子が上がってきたということなのか、ちょっと疲れているくらいのほうがパワーをコントロールしやすいのか、それともこのバンドの楽曲が一番合っているということなのかわかりませんが、心の琴線にダイレクトにドロップキックしてくるような強烈な歌声に、胸が熱くなるのを抑えられませんでした。

MCについては、何やら「クールなキャラ」を演じていましたが(とはいえ、わざと失言しては自らの頬を打つ、という小芝居で笑いを取ることは怠らない)、Fuki CommuneやUnlucky Morpheusの時のような素のトークよりもむしろステージMCとしては締まっていて、この人は歌手よりも声優の方が向いているのでは、という気がしてしまったり。

奇跡の歌声を持つFukiと、奇跡の演奏力を持つGacharic Spinのコラボレーションは、まさにマジカルと呼ぶに相応しいケミストリーで、FukiとGacharic Spinのメンバーの性格や音楽的な方向性はあまり合わない(少なくとも長期的にはどこかでぶつかりそう)と思われるだけに、レギュラーなプロジェクトにはならないだろうという意味でも非常に貴重なものを観た気分です。

メンバー全員カッコよかったですが、パワーもキレも女性離れしたテクニカルなドラミングをしながらヴォーカルもやり、時にスクリームし、時にラップし、要所ではスティック回しまでキメる はな さんにはつい恋に落ちそうでした(笑)。



アンコールでは出演者全員がステージに上がり、DOLL$BOXXのメンバーに、Fuki CommuneとUnlucky Morpheusのギター、そして寺田恵子御大を迎えてのセッション。

なお、DOLL$BOXXのTOMO-ZO(G)と、はな(Dr)は「疲れて帰った」とのことで(笑)、「たまたま通りかかった」北欧(の方)からメタルの素晴らしさを伝えに来た、METALLIC SPINのカワイ・トモーゾ(G)とノーズ(Dr)が代役として参加。この辺はこれまでの事情を知らない人には「?」な感じですね(苦笑)。

セッションでプレイされたのはM.S.G.の「Armed And Ready」。まさか「私は嵐」のリフに似ているから、という選曲でしょうか?。 METALLIC SPINらしい選曲といえばそうですが。

※METALLIC SPIN参考映像


5時間立ちっぱなしは少々しんどかったですが(約1か月後のEvoken Festはもっと長くなるのだろうか…)、とても素敵な「ひと夏の思い出」になるライブでした。どのバンドも、観るなら次は単独で観たいかな。

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コメント

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No title

こんにちは。私はGacharicSpinのライブにはかなり参戦してDOLL$BOXXも先日のZEPPにも参戦しました。この日は他のバンドとか重なったのとフェスは立ちっぱなしで腰に悪いので回避しましたが、他の方のブログとかでもかなり盛り上がったようですね。皆さん、普通のバンドに戻ります。って言ってたみたいですね(笑)また、DOLL$BOXX復活してほしいです。

>しんさん

たしかに立ちっぱなしになるフェスは腰に悪いですね。

長いイベントをやるなら座れる会場でやることを法律で義務付けてほしいです(笑)。

「普通のバンドに戻ります」はこの日をもって解散(?)した寺田リックスピンの寺田恵子姐さんの言葉ですね。昭和の方ならではの発言というか(笑)。

DOLL$BOXXも、この後GacharicSpinやFukiがそんなことをやっている暇もないほど大ブレイクしない限りはまたいつか復活するのではないでしょうか。