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Greta Van Fleetという存在からLED ZEPPELINの位置づけを考える

昨日に続いて独り言を呟きます。いや呟きというには長いのでもはや公園のベンチに座って繰り言をブツブツ言い続ける危ないオッサン状態になっているわけですが(苦笑)。

Greta Van Fleetが予定されていたサマーソニック2018への出演をキャンセルした、というニュースがあったので、それをきっかけにこの文章を書こうと思いました。

現在アメリカで最も注目されるロック・バンドと言われるGreta Van Fleetですが、日本のHR/HMファンにどれくらい知名度があるのかはわかりません。

ミシガン州の人口わずか5000人の町から、3人兄弟とその友人で結成し、昨年2017年に平均年齢19歳の若さでデビューしたばかりの新人バンドである彼らのサウンドは、普通に聴けば初期LED ZEPPELINそのもの。

ロバート・プラント翁も「公認」状態で「21世紀のLED ZEPPELIN」との呼び声も高い存在です。

そして、初期LED ZEPPELINといえば、ハード・ロックという音楽の雛型を作った存在として、ロック史的には「元祖ハード・ロック」的存在として語られます。

しかし、現状HR/HMのファンがGreta Van Fleetの存在を充分に認知・評価しているかというと、そうは言えないというか、完全に「守備範囲外のバンド」という扱いのような気がします。

その原因は主にレコード会社のプロモーションの方針というか、HR/HMではなくもっと広義のロック・バンドとして彼らを売っていきたい、という意識があるからだと思います。

そして実際、この時代において「HR/HMファン」をやっているような人がGreta Van Fleetの音をハード&ヘヴィだと感じるかというと、必ずしもそうは感じないことでしょう。

私自身、LED ZEPPELINというバンドはカッコいいと思っていますが、HR/HMとして評価していたかというと、そうではありませんでした。

だってSLAYERやPANTERAはおろか、HELLOWEENやMOTLEY CRUEと比べてさえ表面的なハードさには欠けるというか、むしろのどかで古めかしい音だと感じたからです。少なくともスタジオ音源を聴く限りは。

とはいえ、少なくとも80年代末の段階では、HR/HMのフィールドで語られていたはずなんですよね、KINGDOM COMEとかそれっぽい音を出しているバンドもいましたし。

逆にパンク/ニューウェーブの流れから出てきたTHE MISSONなんかが元LED ZEPPELINのジョン・ポール・ジョーンズをプロデューサーに迎えて、それっぽい要素のあるアルバムを出したら「HR/HMに媚びを売っている」と批判された、という話も聞いたことがあります。

まあ、KINGDOM COMEはKINGDOM COMEで、当時メッチャ叩かれていたようですが。ロック・バンドとして神聖不可侵なLED ZEPPELINの音を敬意なしにパクって金儲けしようしている連中、みたいな扱いで。

これはフロントマンだったレニー・ウルフのビッグマウスな人徳のなさが原因だったような気もしますが、まだLED ZEPPELINが解散してから10年も経っておらず「ほとぼりが冷めていない」タイミングだったというのもあるのでしょう。

レニー・ウルフ的にはGreta Van FleetがLED ZEPPELINそのままな音を出して絶賛されている状況は「なんでやねん」という気分かと思いますが、解散から30年の時が流れほとぼりが冷めたのと、ほぼ同世代だったKINGDOM COMEには辛辣な評価をしたリアルタイム組の人たちも、息子のような年齢の若者がやっているとなれば、自身も歳をとって丸くなったこともあり、微笑ましく見守りたい気分になったということなのでしょう。

まあ、そもそも90年代、HR/HM逆風の時代に、NIRVANAのカート・コバーンを始め、当時トレンドだったオルタナティブ・ロックのミュージシャンたちもLED ZEPPELINはリスペクトしていたんですよね。そのせいでLED ZEPPELINというロック史における最重要カードのひとつは、その後欧米でメインストリームなロックとなったオルタナティブ・ロック系の手に渡った感があります。

実際の所、90年代以降、コアでエクストリームな方向に向かうか、80年代的なサウンドに固執するかという二極化したHR/HMのフィールドでLED ZEPPELIN的なサウンドを出しているバンドはほぼ皆無でしたし、基本的には70年代のロックをベースとするオルタナティブ・ロック勢に「LED ZEPPELINをルーツとする音楽」の座を奪われるのもやむを得なかったのかもしれません。

LED ZEPPELIN的なサウンドをHR/HMというジャンルから疎外してしまったことが、HR/HMが「ロックの王道」から外れる大きな原因になってしまったのではないかなあ、みたいなことをGreta Van Fleetのサウンドを聴いて考えた、というのがこの文章で言いたかったことですね。

まあ、私自身LED ZEPPELINの音楽から感じるカッコよさと、いわゆるHR/HMを聴くときに期待するカッコよさはいささか異質だったりするのでそれも仕方がないのかな、という気もするのですが。

とりあえず、今年はLOUD PARKがないので久しぶりにサマソニに行こうかな、という気持ちもあったのですが、お目当てのひとつであるGreta Van Fleetがキャンセルだったのでその気もなくなりました。フェスの魅力は偶然出会ったバンドの魅力を見つけるセレンディピティにあるとはいえ、さすがに1日に3バンドくらいは「観たいバンド」が欲しいので。


この曲を初めて聴いたときには素直に「おっ、これはまんまZEPだけどカッコいいな」と思いました。

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コメント

非公開コメント

カッコイイですが

バンド名、覚えにくいですねぇ...

No title

ツェッペリンが一番好きなバンドなので、はてさて、このバンドはどんなもんかなと視聴してみたのですが...う~ん素直にかっこいいですね...
 
 再生して20秒くらいは「なんだこの短髪の兄ちゃんは...金髪ロン毛じゃないのか~い!」と思ったんですが、逆にこういうアピアランスの人の方が若い人に受けるのかもしれません。
 下手に恰好までリバイバルしてしまうと、The Answerみたいな微妙な立ち位置にになってしまいそうですし、そもそも同じルックスだとどうしてもロバートプラントと比べられてしまいそうですし...


 ツェッペリンというルーツをメタルが失ってしまったのは不思議ですね。
 
個人の体感ですが、大学のバンドサークルにいた時も、メタラーはあまりツェッペリンを聞かず、むしろメタルをあまり好まない人がツェッペリンには明るかったりという事があり、確かにルーツの喪失を感じました(笑)。

 ツェッペリンのようなサウンドを除外してしまった事によりHR/HMが王道性を失ってしまった、というのは確かにそうだと思います。
 とはいえ、欧州などではエクストリームなメタル、もしくは美麗さを極めたようなバンドは少しづつ地位を築いているように感じられますし、いつの日か「欧州においての王道」という座につける日が来るかも... 
 しかし、ネットが普及し世界が広くなってしまった今、ツェッペリンやメタリカの様にバカ売れして王道を築き上げる!っていうのはなかなか難しそうなので、地道な作業になりそうですが...(笑)

The AnswerとWolfmotherは結局大成しないままで終わってしまいそうな気がしますが、(The Answerの“Revival”はZepぽさはあまり無いですが、結構好きです)このバンドはどうなるかなぁ。Zep度は上に挙げた2バンドより高いと思いますが、今以上の成功を収めたいならどこかで多少の路線変更は必要かなと思います。彼らが独自色を打ち出しても成功出来る程の器かまだ分かりませんが。

Kingdom ComeはZepフォロワーをやめた途端微妙なアルバムばかりになってしまった印象ですが、1stは似てる云々抜きにしてカッコイイHRアルバムだと思いましたが時代が悪かったんでしょうか.....。(セールスだけ見たら一応成功の部類に入るとは思いますが)このバンドのおかげでレニー・ウルフとブルース・ゴウディの関連作品も聴いてみたいと興味を持つきっかけになったので、1stだけは割と思い入れがあったり。個人的にはZepフォロワーが生んだ作品の中では1番気に入っています。

記事で触れられていたので書き込もうと思ったらGreta Van FleetよりもKingdom Comeの事も結構書いてしまいました(汗)。

時代が一回りしたのでしょうか。
私が仕事で扱う商材も若者には受けるとして、一昔前の昭和デザインを推しています。

このバンドの曲を初めて聴きましたが、彼らの場合は、Zepの単なるコピーに止まらず、歌い方がHip-Hop調であったり、格好がストリート系であるなど、
"一回りした時代" + "新しさ"
が、若者ウケしてるのかなと思いました。
ただ、かといって、このバンドがHR/HMかと言われるとまた違うような…。

Zepもハードロックのカテゴリーに入れられることがありますが、当時、彼らを形容する言葉がなくて付けられた、つまり、今のHR/HMの定義とはまた違う括り方をされた気がします。
そして、Zepの曲は、この頃普遍であったブルースやカントリー要素の比率が大きいですし、後期は民族音楽成分が強い。そういった意味でも違うのかもしれないです。

なので、ハードロックと位置付けるとしても、最初の2枚と4作目だけでしょうか。

>Loki Holstさん

人名が由来らしいですが、日本人にとって覚えやすくはないですね。アメリカ人にとってはどうなのでしょうか。

>紅さん

私が大学時代にバンドサークルにいた時も、メタル・ファンはあまりツェッペリンを聴いていなったですね。古いバンドであればDEEP PURPLEの方が明らかに聴かれていました。

HR/HMはツェッペリンの持つ「HR/HM的でない要素」をそぎ落とすことでジャンルのアイデンティティを確立したわけですが、そのそぎ落とされた部分にこそ「ロックの王道感」があったのかもしれません。

まあ、もはやこれだけ大衆の嗜好が細分化してしまうと「王道であること」自体にどれだけ意味があるのか、って気もしますが。

>YTさん

THE ANSWERやWOLFMOTHERが大成する感じはありませんね。残念ながらクラシック・ロック・マニア慰みもの止まりでしょう。

このバンドはまだ非常に若いのでどうなっていくのか見当もつきませんね。ずっとこの路線で10年後、20年後もやっていくとも思えませんが。

KINGDOM COME、私は実はセカンドの方が好きです(笑)。

>ファイアパワーさん

LED ZEPPELINの時代から見ればきっと時代は2周りくらいはしているのだと思います。

このバンドは欧米では普通に『METAL HAMMER』や『Loudwire』などのHR/HMメディアで扱われていますし、欧米ではゴリゴリのエクストリームなメタルはともかく、80年代のギラギラしたHR/HMも、90年代のオルタナティブ・ロックも、もはや「クラシック・ロック」の名のもとにボーダーレスになっている気がします。

実際このバンドも、向こうでは必ずしも若者に支持されているというよりむしろオッサン受けしているようですし。

ZEPはHR/HMな曲もそうでない曲もプレイしていたバンドだと思いますが、日本のHR/HMファンがひょっとすると世界で一番「ピュアなHR/HMであること」にこだわる国民なのかもしれませんね。

No title

>LED ZEPPELINというロック史における最重要カードのひとつは、その後欧米でメインストリームなロックとなったオルタナティブ・ロック系の手に渡った感があります。

ロック(オルタナティブ)論壇方面の「変化するのがロック」「シリアスなのがロック」みたいな(今は大分形骸化しましたけど)理屈を支える為の格好の材料としてツェッペリンが担ぎだされ「メタル」の方のパープルやプリーストは「パターン化」「非現実的」とされロックの踏み台にされてきた。みたいな歴史がありますよね。(もっともツッペリンもヒッピーを引きずったファンタジーロックだったが音の迫真性がとかビートの革新性がみたいな理屈で知性化されていった)

またテクノやヒップホップなどの「ロックに替わる新しい音楽」にも影響を与えているとされ(例えばテクノユニットのChemical Brothersの発言に「Led Zeppelinが今でも活動を続けていたら僕達の様な音楽をやっていたはずだ」と言う物がある」)ハードロックとしてよりも先進的な表現であることを強調された史観が作成されてもいきました。

こうやって歴史観や正統性を(誇張や恣意も込みで)作成して立場を確保するという「学閥政治」みたいなものはメタルよりロックのほうがずっと上手かったと認めざるを得ないですよね。それがどこまで正確な歴史観かというと大分怪しいとは思うのですが「世の中的なオフィシャル」の椅子を獲る事には莫大な意味が発生してしまうので。

振り返ってみると日本におけるロック・メタルに関する歴史観は大部分がrockin’onとBURRN!の縄張り争いによって出来上がってきたのではないかと思えてきます。
つまり(レコード会社の棲み分けも込みで)BURRN!が「HR/HM」としたもの「以外」のヘヴィロックにrockin’onが「オルタナティブ」「ラウドロック」「モダンヘヴィネス」「ミクスチャー」etc…等の名前を付けて結局の所rockin’on系統のロックの方が「正統」を得る結果になったと。

いや、実際の所は洋楽人気の衰退に伴って人気邦楽バンドのカードを多数保有していた(というかROCKIN’ON JAPAN誌で作り上げてきた)事が直接の勝因なのでしょうけど、BURRN!が邦楽バンドをどう扱っていたかというと…。
やはりBURRN!は先を見越した政治が下手だったのでしょうか…。

>222さん

ロックに対して過剰な意味づけとしての理屈をこねることについては、常に『rockin'on』の方が長じていたと思います。

『rockin'on』と『BURRN!』に争いがあったとすれば、それはロックの「スピリット」を重視するか、「スタイル」を重視するかという価値観の闘いだったといえるでしょう。

『BURRN!』が抱えていた「スタイル」(HR/HM、産業ロック、プログレ)というのは、演奏力の高さなど、「優越ポイント」がわかりやすい、昭和的感性を持つ日本人好みのものだったと思います。だからこそ発行部数の点においては長らく『rockin'on』以上の数字を持っていたのでしょう。

ただ、そのスタイルを「古い」「気持ち良くない」と感じる新世代が増えてくると、多様性と新しさを肯定する『rockin'on』の柔軟なスタンスの方が支持されるのはある意味必然だったと思います。

そういう意味で、新しい世代に対応しようとせず、「自分たちはロックの(HR/HMの)正しいスタイルを実体験している。若い小僧どもにそれを教えてやろう」というマウンティングの気持ち良さに耽溺し、自分たちが気持ちいいと思わない新しいスタイルを頑固に許容しようとしなかった『BURRN!』は、自分たちの地位を守ることに対して何の戦略もなかったと言えるでしょう。

なまじそれなりの期間に渡って数字(売上・部数)がついてきてしまったために、「自分たちが本当に良いと思うものを推す」という大義名分のもとに、HR/HMのイメージアップやポジション作りのための政治や戦略を怠った結果が現在の『BURRN!』と日本のHR/HMマーケットのていたらくなのだと思います。

むしろメロディックメタル的にはQueenの存在感がでかい

完全に個人的な意見ですがLED ZEPPERINというバンドは、確かにハードロックのパイオニアの一つではあるのですが、同時にStone rosesやPrimal scream、SuedeといったUKロックの始祖的バンドの一つとも考えています。

LED ZEPPERINのあの変てこりんな曲のスタイルが、斬新なロックバンドとしての地位を確立し、よりメインストリームなロックシーンへ影響を与えたのに対し、様式的でメロディを重んじるDEEP PURPLEはどちらかというと日本人に影響を与え、より混沌とした初期BLACK SABBATHは欧米のアンダーグラウンドな所で人気を得てメタルになったような気がします。(あくまで個人的な感想です)

そういった意味ではLED ZEPPERINはロック史に残る偉大なロックバンドであり、メタルには成り得なかった、という感覚がが強いです。

余談ですがBURRN!などにも寄稿していたライターの方が知り合いにいるのですが、ちょっとでもrockin’onのアーティストと被ると、すぐ相手の編集部からメチャメチャ苦情が来たという話を聞きました。
逆もまた然り。
ひどい話だと思いました。

>Ario✠cH さん

まあ、LED ZEPPELINが狭義のHR/HMの枠に収まるバンドではなかったことは確かですよね。

しかし雑誌で取り上げるかどうかなんて編集部のスタンス以前にレコード会社がそれを望むかどうかが大きいような気がしますが(レコード会社が望まなければ発売前にレビュー用音源も手に入らないでしょうし、インタビューも実現しないでしょう)、それでも苦情が来るとはもはや一般人には意味がわからないですね(苦笑)。

MV感想

>この曲を初めて聴いたときには素直に「おっ、これはまんまZEPだけどカッコいいな」

まさに私も同意見です。主にボーカルがロバートプラントっぽいせいか⁇
レッドツェッペリンはハードロックの元祖として語られる偉大なバンドであり、この偉大なバンドに多大な影響を受けているだろう若いバンドがHR/HMファンの守備範囲外だとしたら勿体ない。
レッドツェッペリン自体BURRN!でも評価されていたはずなんだがなぁ。それ以上にリッチーブラックモアの評価が高過ぎるのかヽ(´o`;。
個人的にはあまりにもレッドツェッペリン過ぎて、もう少しオリジナリティーが欲しいと感じました。その分差し引いて87点‼︎

>ゆうていさん

ここに書き込まれたコメントを見る限り、彼らのサウンド自体はHR/HMファンの守備範囲外ではなく、充分にアピールできるものなのだと思います。

ただ、少なくとも日本のレコード会社はこのバンドをHR/HMとして売ろうとは思っていない、むしろHR/HMのイメージを付けたくないと思っているようですね。

ここに貼った以外の曲を聴くと、LED ZEPPELINに極めて強い影響を受けつつも、よりブルースなどの黒人音楽の要素を強く押し出そうとしている印象を受けました。

そういう意味では、日本ではここ20年くらいブルース系のHR/HMバンドで大成功したバンドというのは殆どいないので、レコード会社としてはターゲットはHR/HMファンではない、と思っているのかもしれません。

新MVキター!!
https://www.youtube.com/watch?v=86_vnQc1oBE

個人的には、Rushみたいに
最初はLed Zeppelinそっくりでも
キャリアのどこかの時点でオリジナリティのある存在に化けて欲しいなと密かな期待をしています。(笑)

>Loki Holstさん

ずっとこの音楽性というのは本人たちも飽きるでしょうし、そもそもLED ZEPPELIN自体多彩な音楽性を持ったバンドでしたから、どこかで音楽性を変える/広げるでしょうね。

それはそれで賛否両論を呼びそうですが、若いバンドなのでどんどん可能性を広げてもらいたいと思います。