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VOLCANO / DARKER THAN BLACK

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2015年以降、それ以前の寡作ぶりはなんだったのかと思うほどにコンスタントなリリースを続け、もはや「7月の風物詩」というほどに(?)恒例化しているVOLCANOの、スタジオ・フル・アルバムとしては7作目となる作品。

VOLCANOはこれまで英単語ワンワードのアルバム・タイトルにこだわって(?)きていたが、本作は初めてセンテンスというか複数ワードによるフレーズのタイトルになっている。

『DARKER THAN BLACK』…10年くらい前にそんなタイトルのアニメがありましたね。もっとも(当然ながら)本作はそのアニメとは一切関係なく、「BLACK」は屍忌蛇の本名である「黒岩」とリンクしているそうですが(笑)。

これまで変わっているのはタイトルだけではなく、サウンドも過去作とは変わっている。セカンド「DAVI」以降、このバンドには良くも悪しくもいわゆる「ジャパメタ」っぽさがあったが、本作にはその色が薄く、いつになくエクストリーム・メタル色、あるいはハードコア色が強い。

#4「Great Crisis」などはブラック・メタルばりのブラスト・ビートがフィーチュアされているし、#8「Arena」や#9「Penetration」のヴォーカル・パートはまるでハードコアだ(といっても、アメリカのハードコアではなく、80年代ジャパコアっぽい所は世代ならではのご愛敬)。

制作時、屍忌蛇がTHE CROWNにハマっていたようで、その影響が出たのか(もっとも、本作は全然THE CROWNっぽくはない)、このバンドのメンバーが持つルーツのアグレッシヴな面にフォーカスされた作風である。

このサイト/ブログをある程度コンスタントにご覧いただいている方であればご存知の通り、私はメロディ重視派なので、そういう作風が必ずしも好みなわけではない。

しかしこのバンドの場合、歌メロをメロディックにしてしまうと、実は極めてジャパメタ的なセンスのバンドであることが浮き彫りになってしまうことがあるので(メンバーの大半はいわゆるジャパメタ世代なので仕方のないことですが)、その匙加減は意外とデリケート。

そして、こういうアグレッシヴな作風であればこそ屍忌蛇の、オールアドリブでさえメロディックに泣きまくるギター・ソロとのコントラストがより印象的に響くと言えなくもない。

元々VOLCANOの魅力というのはスラッシュ以降のモダンなアグレッションと70年代ハード・ロックをルーツに持つクラシックなメロディ・センスの絶妙な融合だったので、ある意味本作はこのバンドのコンセプトに最も忠実な作品なのかもしれない。

てか、じっくり時間をかけて構築してさえここまでメロディックなソロを弾けないギタリストがごまんといるというのに、このギター・ソロが全部アドリブだというのだから本当に舌を巻く。

彼について何も知らなければ、「きっとこの屍忌蛇という人は、大きな哀しみを抱えて生きている人に違いない…」と思う所なのですが、下記のようなインタビューを読んでしまうと、ねえ…(苦笑)。特に2番目。「屍忌蛇」の「蛇」ってコブラ、つまり股間のことだったんかい!

52歳ヘヴィメタル界の超問題児・屍忌蛇の“爆裂”インタビュー! 4歳で飲酒、歌舞伎町で暴動、ギターがなければただのクズ!?

「僕のセックスは五十二手、股間はコブラ」52歳ヘヴィメタル界の問題児・屍忌蛇の下半身武勇伝が激ヤバ!

「落ち武者の幽霊と晩酌したらウィキにも載ってる有名志士だった」ヘヴィメタル界の問題児・屍忌蛇のオカルト体験!


てか、そもそもなんでTOCANAなんて音楽サイトじゃない所で本作の発売記念インタビューをやっているのか、意味が分かりません(苦笑)。

まあ、このブログで本作をレビューしようと思った動機はこのインタビューを読んだことがきっかけだったので、そういう意味では意味はあったのかもしれませんが。【83点】



ちなみに、当サイトで91点をつけたVOLCANOの名作デビュー・アルバム、『VIOLENT』が今秋再発されるそうです。これは朗報ですね。

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コメント

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とりあえずジャケットはこのバンドの中では一番好きですね。目にした時かなりの傑作になるのではと勝手に思っていたので、その点に関してはほんの少し期待値を下回ってしまいましたが.....。一昨日買ってきたばかりなので、もう少し聴き込んだら評価は変わるかも?アグレッションは彼らの作品の中でも屈指だと感じましたが代表曲になりそうなのが今のところ見つからないのが原因かもしれません。

「俺の胃液」は完全にボーナスですね(笑)。まあ特典だし別にいいですけど。

屍忌蛇のインタビューの記事...やっぱり素面じゃないんですね(汗)。遠くから見てる分には面白いと思える人ではあるなぁと思いますが。というか教員免許持ってることにビックリしました。教師とか嫌いな人なんだろうなーと勝手に思ってましたから。

「Violent」再発するなら「Die Hard」の曲も入れてくれたら嬉しいですね。(このバンドのEPは持ってないので)気は早いですが、「Mythology」のリレコかリマスター&リミックス版も個人的には聴いてみたいです。あのアルバム音質マトモになれば更に印象良くなると思います。

No title

VOLCANOのアルバム発表ペースの早さはすごいですね!
どのアルバムも一定以上のクオリティを維持しているので、毎年安心してCDを購入しています。
アイディアが溢れてしょうがないというよりは、やっと作曲のコツを掴んだという感じでしょうか。

前作は速いテンポの曲が少ない上に
泣きのインパクトが薄かったので
数回聴いてからあまり聴かなくてなってしまったのですが
今回は良いですね
まくし立てるパートが多いので
英詞より日本語詞の方が良いような気が...
Great CrisisとGuardian Deityがお気に入りです。

>YTさん

「俺の胃液」って、要は「Scatter Toxins」のデモですよね? 屍忌蛇の仮歌が聴けるならファンとしては価値があると思いますが、まあ真剣に受け止めるものではのでしょうね。

私も屍忌蛇が教員免許を持っているという話は驚きました。というか正直大学を出ているとは思ってませんでした(笑)。

『DIE HARD』はたしかに『VIOLENT』再発のボーナス・トラックにピッタリですね。尺的にも。『MYTHOLOGY』はリマスターというよりはリミックスしないとダメなやつでしょう。

ただまあ、リミックスにかかる費用をペイできるほどの枚数が売れるかというと? ですが…。

>高見沢さん

活動再開後のVOLCANOは本当に安定していますね。

作曲のコツを今更つかむようなレベルのキャリアの人たちではないですから、「このバンドの新作を作る」ということを年間スケジュールにちゃんと組み込むようになったということなのではないでしょうか。

>かつ丼さん

前作も悪くはなかったというか普通に良かったですが、正直一番インパクトがあったのはイントロでしたね(笑)。

まくしたてるパートはまさにジャパコアなので、おっしゃる通り日本語の方がハマったような気がします。

もっとも、このバンドは日本語を使わないからこそ独特な存在感を放っているような気がしますが。

「Guardian Deity」、インタビューでマイク・ヴェセーラ時代のLOUDNESSを狙ったらBLIND GUARDIANになった(笑)という話が出ていましたが、このバンドにしては珍しいほどメロディック・パワー・メタル然とした曲ですね。AKIRA(B)の曲ですが。

中間部の「Carry On」のリフっぽいパートにはついニヤついてしまいました(笑)。