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PRIMAL FEAR / APOCALYPSE

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もはやドイツを代表する正統派ヘヴィ・メタル/パワー・メタル・バンドと言っていいであろう、PRIMAL FEARの通算12枚目となるフル・アルバム。

前作『RULEBREAKER』(2016)からメンバー交代はなく、マグナス・カールソン、アレックス・バイロット、トム・ナウマンのトリプル・ギター体制で制作されている。

元々キャリアのあるメンバーによって結成されたバンドなので、デビュー作の時点からあらゆる面において高い水準に達していたバンドだが、ここ数作の充実ぶりは、もはや「安定感がある」などという、ベテランにありがちな形容ですまされるべきレベルではなく、特にここ3作については毎回「最高傑作なのでは?」と感じさせられているのだから舌を巻く。

事前にMVが公開されていた#4 “King Of Madness”や#8 “Hounds Of Justice”で今回も間違いのないアルバムを届けてくれそうだと予感していたが、その予感を上回るクオリティをアルバム全体として感じさせてくれるのだから、このバンドのポテンシャルは底が知れない。

個人的にはやはりイントロダクションである#1 “Apocalypse”に続く#2 “New Rise”が彼らの楽曲の中では必ずしも主流ではないメロディック・スピード・メタル然とした疾走曲なのがポイント高い。こうしてのっけから気分を上げてくれるアルバムはやはり印象がいい。

余談ながら海外(カナダ)のレビューサイトで、この”New Rise”が弱いのでオープニング曲を変えるべきだった、という意見を見かけ、世の中にはやはり色々な感性があるものだと感じさせられました。

その後も彼ららしいソリッドなメタル・ナンバーを核に、ややキャッチーな味わいの曲から、ドラマティックなバラード、エピカルな曲まで、正統派ヘヴィ・メタルという文脈の中で許される充分なバラエティがあり、そのいずれも高品質なのだから、自分のバンドでメイン・ソングライターをやっていたレベルのミュージシャンが複数いるバンドはやはり強い。

どうでもいいですが、8分におよぶエピック・チューン#10 “Eye Of The Storm”のイントロはHELLOWEENの”A Million To One”を思い出させますね。

デラックス・エディション収録の3曲のボーナス・トラックも、アルバム本編から外れた理由はなんとなく理解できるものの、それぞれ単体で充分に聴く価値があるクオリティの楽曲で、ファンであれば必携だろう。

また今回バラードの#6 “Supernova”が悲壮美に満ちていてとても良いのですが、これまた日本盤ボーナス・トラックである「オーケストラ・ヴァージョン」が原曲に輪をかけて素晴らしくて、こちらを本編に収録した方が良かったのでは、と思ってしまいました。

なお本作は本国ドイツのチャートで10位と、バンド史上初のTOP10ヒットを記録。特に話題性や新しさなどなくても、その質にちゃんと評価がついてきているというのが素晴らしいですね。【88点】





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コメント

非公開コメント

この人たちが「外す」ということが想像できないくらい安泰して来てますよね...それこそCold Lakeみたいなことにでもならない限り、失敗はないとおもいます。

>さそりさん

このメンバーが固定される限り、このバンドのクオリティは鉄壁でしょうね。

「COLD LAKE」は伝説的黒歴史作ですから、さすがにあのご乱心を繰り返すバンドはいないと信じたいです(笑)。

No title

New RiseはPRIMAL FEARとしてはこれ以上のオープニングがあるのかというくらい鮮烈な曲だと私は思いましたね。
この曲を聴いて、既にチケット購入済みだった日本公演がさらに楽しみになりました!
(なんとな~く、この曲はやってくれなそうな気もしますが…。)

カップリングのSINNERはほとんど聴いたことがなかったので予習が必要ですね~

>pndnskさん

私も"New Rise"は彼らのアルバム史上でも1、2を争う名曲だと思います。

でも、おっしゃる通りライブではやらなそうですね。彼らのセットリストは割と保守的なので…(苦笑)。

近年のSINNERは私もほとんど聴いていませんね…。でも、ライブで聴いてカッコよければ復習する、でもいいんじゃないでしょうか。

Supernova

Supernovaは、僕もヘビロテです。速い曲も、しっとりした曲も円熟したバンドならではですね。国内盤を買ったので、メイキングも見たのですが、ラルフも様々な環境にチャレンジしているのだなと思いました。

収入とスケジュールの問題があるものの、LIVEには行ってみたい気持ちが強くなりました。

アルバムで上手なシンガーは、数多くいますが、LIVEでも魅了させてくれるヴォーカリストとなると少ないですよね。ラルフはパフォーマンスも素敵ですし。

>田中さん

まさに円熟のアルバムですね。それでいて勢いというかエッジもちゃんとあるのが素晴らしいですが。

彼らのパフォーマンスは王道メタル感があっていいですよね。私も都合がつけられればライブを観たいと思っています。

メタル入門

> 彼らのパフォーマンスは
> 王道メタル感があっていいですよね。

(僕がヘドバン厨^^;というのも、あるかも
知れませんが、)BABYMETALは売れているし、日本のバンドだって、キャリアのあるバンドや、若手も充実してきている気がします。

僕は若手だと、BAND-MAID、ベテランだと人間椅子が好みです。今年はJudas Priestも来るし、メタル羅針盤としてキッズにも聴いてもらいたい1枚ですね。

日本はチケット代もCD代も高いですが、来日ありがたや~、という気持ちもあります。

いまは配信や、ネットで多様な音源が入手できますが、学生だった2001年に、プエルト・リコのショッピングモールにあるCDショップに入ったら、SONATA ARCTICAの
1st日本盤が輸入盤として売られていて、たしか価格は、日本円で¥4500~5000円ぐらいだった気がします。

幅広い文化に触れられるのは、日本ならではの特権かも知れないですね。最近は、西新宿のレコードショップが軒並み無くなっていますけど。まあ、新宿なら、ユニオン、タワレコで補っているんでしょうね。

>田中さん

今、BABYMETALを筆頭に日本のメタル系アーティストは質量共にかなり充実していると思います。

そういう意味では、普通に音楽を聴いている人にとっては日本のバンドだけで充分満足できてしまうかもしれません。

一方でJUDAS PRIESTのような大御所をはじめとする「過去の名盤」はそれこそ山のようにあるので、PRIMAL FEARのような、「現役で今まさに脂が乗っている」バンドがあまり注目されていないような気がしていて、そういう思いがこのブログを更新させている面はありますね(笑)。

私も田中さんがプエルト・リコに行かれた時期に学生でしたが、卒業旅行でヨーロッパに行ったとき、やはり日本盤は高かったです(笑)。

ボーナス・トラックが収録されているとはいえ、2倍くらいの価格差で、誰がこんなの買うんだろ…と思ってしまいました(笑)。

西新宿のレコード屋が提供していた、マイナーな音楽を紹介する、という役目は完全にネットに奪われてしまいましたね。

正直な所、もはやCDやアナログレコードなどのフィジカルな音源はマニア向けの「グッズ」でしかないと思います。

今やディスクユニオンもマーチャンダイズを扱わないと商売が成り立たないようですからね…。