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LOVEBITES / CLOCKWORK IMMORTALITY

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毀誉褒貶はあれども、BABYMETALの大成功は、間違いなく日本の女性HR/HMアーティストに海外での成功の道を開いた。

BAND-MAIDや、このLOVEBITESがワールドワイドで評価されているという現状は、BABYMETALの存在なしでは成しえなかったとは言わないが、もしそれがなかったらもっと遠回りを強いられたことだろう。

いずれにせよ、チャンスをつかめるのは実力があってこそ。ドイツの『Wacken Open Air』やイギリスの『Bloodstock Open Air』といった大規模フェスでの反応も上々だったという話だし、イギリスの老舗メタル雑誌『METAL HAMMER』誌上の『Golden Gods Awards』において『Best New Band』に選出されたという事実も、「日本の、女性だけのメタル・バンド」という物珍しさによるところは少なからずあるだろうが、それだけで選ばれるものであればこれまでにいくつもの嬢メタル・バンドが存在していたわけで、彼女らのサウンド、パフォーマンスがある一定の水準以上に達していたからこそ達成できた成果に違いない。

前作から約1年ちょっとでのリリースは、間にEP『BATTLE AGAINST DAMNATION』を挟んでいることを考慮すれば短く、じっくり作り込むというよりは「鉄は熱いうちに打て」という感覚で制作したのではないかと思われる。

その分、前作に比べると楽曲が少ないこともあって、一聴した感じではややあっさりした印象を受けた。

しかし、IRON MAIDENのような正統派メタルや、時に往年のMETALLICAをすら彷彿させるスラッシーなタッチも聴かせるピュア・メタルなサウンドには充分なフックがあり、前作に比べると元ネタがモロ見えな点にも垣間見える、練り込み不足に感じられる部分も勢いで聴かせるソリッドさがある。むしろライブでは本作の楽曲の方が映えるかも。

デビューEP以来のミッコ・カルミラ&ミカ・ユッシラによるプロダクションも、特にKeyの絡め方やギターのハーモニーの録り方など、私が愛してやまないフィンランドのメタル・サウンド特有の透明なエッジがあって耳に心地よい。

個人的にasami(Vo)の歌声は(声域こそメタルを歌うに充分な広さだが)極めてJ-POPシンガーっぽいと感じているが、今の時代ワールドワイドで勝負するに当たっては「日本人っぽさ」はむしろ個性であり、武器だろう。

一方で、キャッチーさを保ちつつ、ジャパメタ・バンドが陥りがちな「歌謡曲っぽさ」を漂わせたり、日本のガールズ・バンドがやりがちな甘さに流れたりすることがない辺りは、よほど本人たちがメタル好きなのか、ちゃんとしたブレーンが付いているのかわかりませんが、このバンドが世界各国のメタル・ファンに受け容れられる大きな要因と思われる。

前作に引き続き今回も終盤が強力で、STRATOVARIUSライクな#8 "The Final Collision"、メロディック・パワー・メタル・ファン歓喜のスピード・チューン#9 "We The United"、そしてうら若い(年齢は知りませんが)女性が弾いているとは思えないエモーショナルな泣きのギター・ワークが冴える7分を超えるドラマティックなパワー・バラードの#10 "Epilogue"の流れはExcellent.

どうでもいいっちゃいいことですが、ガールズ・メタル・バンドなのにメンバーの写真をジャケットに出さない姿勢を貫いているのも個人的には好感度高いですね。

そういえば最近Voが脱退したあのバンドに代わってこのバンドが台頭してきてからは、「嬢メタル」というワードはあまり使われなくなって、「ガールズ・メタル」という呼称の方が使われるようになっているような気がするのは気のせいでしょうか。【85点】





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コメント

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No title

こんにちは。このバンドはデビューしてからCD購入、ライブ全参戦(インストアライブも(笑))しています。この娘たちは本当にメタルが好きなんだなあって(特にベース)曲を書きますね。記載のあるように元ネタがわかるぐらいですが(;^_^A
ギターの一人が作曲やコンポーザー的な役割をしていて他のバンド(21ℊ他)との掛け持ちして中心的な存在です。
本アルバムは賛否両論のようですね。キラーチェーンがないだの、起伏がないだの、聴きこむとよさが出てくるとか。いろいろありますがこれだけの曲、ライブ動員があるのはやはり凄い!(レコード会社のプッシュもありますが)これからもチェックしていきます。

こんばんは。

最近のバンドではカッコいいとは思いますが購入までいかず。

某バンドのvoやgtとかbabymetalとか病気で仕方ないとはいえ脱退で活動休止が多くて応援しづらいのが実情(°▽°)

浜田麻里、ショーヤ、陰陽座、ラウドネスなどのタフさを見習って長く活動して欲しい!

このバンドとメアリーズブラッドとバンドメイドには、メンバー変わらず硬派を貫いて末長く頑張ってもらいたいですね。
硬派と言ってもポップでキャッチーな曲はあっても良いですが。

>しんさん

いわゆる「追っかけ」ですね(笑)。

本作は、確かに前作に比べると薄味な感もありますが、賛否分かれるほど悪い要素はないように思いますけどね。

赤坂BLITZが即日完売はなかなかの勢いですね。

ガールズ・バンドは好きな人とそうでない人がくっきり分かれがちなので、フェスとかに積極的に出演してファンの裾野をどんどん広げてほしいですね。

>としっちさん

いやいや、脱退などでダメージを負っている時こそ応援のしどころでしょう(?)。

女性バンドってどうしても若さが魅力になってしまいがちな所がある上に、出産や子育てなども考えると、長くコンスタントに活動するのが男性バンドより難しそうですが、SHOW-YAというロールモデルもありますし、末永く活躍してほしいですね。

>ハゲハナゲがナゲェさん

Mary's BloodもBAND-MAIDもこのバンドも、ポップかどうかはともかく充分キャッチーだと思いますけどね。

ALDIOUSなんかを観ていると、J-POP寄りという意味でポップな曲をやっても必ずしも売れるわけではない感じがあって、難しい時代だな、と思います。