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SKELETOON "THEY NEVER SAY DIE" アルバム・レビュー

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イタリアの5人組の3作目にして日本デビュー作。

前身はJACK O' LANTERNという、ジャック・オー・ランタンとは何か知っていれば一発で想像がつく通り、HELLOWEENのカヴァー・バンドだったそうで、オリジナルをプレイするようになった現在も、基本的には"KEEPERS OF THE SEVEN KEYS"時代のHELLOWEENを思わせる明るいメロディック・パワー・メタルを基本スタイルにしている。

そういう意味で、やはり元はHELLOWEENのカヴァー・バンドからスタートした同郷イタリアのTRICK OR TREATに非常に近いバンドといえよう(そのTRICK OR TREATのヴォーカリストであるアレッサンドロ・コンティもゲスト参加している)。

ローランド・グラポウ(G : 元HELLOWEEN, MASTERPLAN)がゲスト参加したデビュー作"THE CURSE OF THE AVENGER"(2016)、IRON SAVIORやEDGUYのメンバーがゲスト参加したセカンド"TICKING CLOCK"(2017)は"Revalve Records"なるマイナー・レーベルからリリースされていたが、本作ではイタリアの有名メタル・レーベル"Scarlet Records"に移籍しており、レーベルのバックアップが増えたことを感じさせる、全ての面でランクアップした仕上がりになっている。

彼らは"Nerd Metal"(オタク・メタル)を自称しており、これまでの歌詞世界も基本的にファンタジー寄りのものだったが(オタク趣味とメロディック・パワー・メタルの親和性が高いのは洋の東西を問わないようですね)、本作は少年たちの冒険を描く1985年のヒット映画『グーニーズ』をテーマにしたコンセプト・アルバムとなっている。

世代的に、一番あの映画を楽しめる年齢で『グーニーズ』を体験しているため(コナミから出ていたファミコンソフトももちろんやりましたとも)、それだけで個人的には心惹かれるものがある。

そして"Scarlet Records"のコネか、前述のアレッサンドロ・コンティ(TRICK OR TREAT, LUCA TURILLI'S RHAPSODY, TWILIGHT FORCE)の他、ミケーレ・ルッピ(元VISION DIVINE、現SECRET SPHERE)、マーク・バジーレ(DGM)、モービー(DOMINE)、ジャコモ・ヴォーリ(RHAPSODY OF FIRE)など、イタリアン・メタルのファンであれば「おっ」と思うゲスト・シンガーが多くの楽曲に参加している。

これはコンセプト・アルバムということでAVANTASIAのスタイルをオマージュしたものだろうか(実際、本作にはAVANTASIAの"Farewell"のカヴァーも収録されている)。

とはいえテーマやゲスト・シンガーの魅力頼みのアルバムなどでは決してなく、メロディック・パワー・メタルとしての楽曲クオリティこそが本作の最大の魅力であり、「これぞ」のスピード・チューンからキャッチーな楽曲まで、HELLOWEEN直系の、和田誠氏が表現するところの「キーパー・サウンド」がここまで高いクオリティで聴けるアルバムは近年なかなかお目にかかれない。

もはやイタリアを代表するメタル・プロデューサーと言っても過言ではないシモーネ・ムラローニ(DGM)による音作りもバッチリで、バンド名などから感じられるB級感はサウンド的には皆無である。

もちろんベテランの大御所バンドのようなオーラはまだないものの、こういう聴いていてワクワクする、ポジティブなエナジーを感じさせてくれるメタルは昨今貴重な存在だと思うので、個人的に応援したいバンドである。

映画『グーニーズ』のテーマ・ソングだったシンディ・ローパーの"The Goonies 'R' Good Enough"のカヴァーもカッコよく仕上がっていてマル。【86点】




最近日本では名前を聞かなくなってしまったモービーが相変わらずの強烈なハイトーン・スクリームを聴かせてくれて嬉しいですね。

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コメント

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これは高品質なメロパワですね!
こういう一切の迷いのないサウンドには無条件でワクワクしてしまいます。

そしてなにより、モービーがまだボーカリストをやっていたことがめっちゃ嬉しいです!
まだこれだけ歌えるなら、ドミネの活動再開を期待したいです。

>高見沢さん

やっぱりこういう音はワクワクしますよね(笑)。

DOMINEは毎年、年に2~5回レベルでライブはやっているっぽいんですよね。

ただ、新作を作るほどのテンションでは活動していないようで、かつてかなりの名曲をクリエイトしたバンドだけに残念です。

前にYouTubeで昔の曲を視聴した時はもう少しファビオ・リオーネに寄せた歌い方でハーモニーボーカルの感じも似てた気がしたのですが変わったんですね。

ハロウィン+アニメ(カートゥーン)好きでゲーム好きみたいな感じを含めて、イタリアから第2のTrick or Treatの来襲かと思ってました。

こういう疾走するキーパーメタルはやはり良いですね〜。

>takkさん

まさに第二のTRICK OR TREATですね。
問題はTRICK OR TREATの人気もそんなにあるわけではないという点ですが(苦笑)。

でも、こういう音は無条件で気持ちよく聴けますね。

新宿のユニオンで三曲目が流れてるのを聞いて即レジに持って行きましたが大当たりでした。コンティが参加しているその曲と、ルッピが参加している六曲目を特に気に入ってますが、ここまでピュアにキーパーしてるアルバムは気持ちいいですね。
あとAvantasiaのカバーって初めて聞きました。おかげさまで本家のライブも予習バッチリでした(笑)

>さそりさん

近年稀に見るピュアな「キーパー・メタル」ですよね。

速い曲だけでなくルッピの参加した曲みたいな哀愁を帯びたキャッチーな曲にも魅力があるのがポイント高いです。

そしてAVANTASIAもカヴァーされる時代になったかと思うと感慨深いですね。デビューしてからもうすぐ20年ですから当然と言えば当然なのですが。