EMIR HOT / SEVDAH METAL

emirhot01.jpg

そろそろ年の瀬も近づいてきたので、今年聴いたけれども忙しくてすぐに感想を書けなかったCDをいくつかサクサクレビューして行きたいと思います。

本作は、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身(現在はイギリスに在住)のギタリスト、エミール・ホットのソロ・デビュー・アルバム。

90年代後半には地元でNEON KNIGHTS、SOUTHERN STORMなどといったバンドで活動していた実績がある。その後バークリー音楽院に合格した後、イギリスの音楽学校に移り、正規の音楽教育を修めたそうだ。

「Shrapnel」系のギタリストの作品を愛聴し、「Guitar Hero UK 2005」なるイギリスのコンテストで優勝した実績を持つエミールのプレイ・スタイルはいわゆる典型的なネオ・クラシカル系のそれで、本作でも随所でテクニカルな速弾きを炸裂させている。

しかし、本作の最大の特徴はタイトルにもあるボスニアのトラディショナル・ミュージック「セヴダ」の導入で、そのちょっとエキゾチックな響きが本作をネオ・クラシカルの類型に陥ることから食い止めている。

10分を超える大作である#5「Sevdah Metal Rhapsody」は当地の民謡のメドレーであり、#8「Hora Martisorului」はルーマニアのジプシー・ヴァイオリンの巨匠であるグリゴラス・ディニクの曲(かつて北欧のソロ・ギタリストで、日本でもアルバムがリリースされていたスティーヴン・アンダーソンもこの曲を取り上げていた)で、この2曲は彼の東欧出身のアイデンティティを特に色濃く表している。

ただ、その他の曲においては必ずしも東欧音楽の要素とネオ・クラシカルのHR/HMスタイルがなじんでいるとは言えず、この東欧的なメロディがツボに入るかどうかで評価が分かれるところだろう。

とはいえ、普通のネオ・クラシカル系HR/HMとして聴いても、Voにジョン・ウエスト、Drにマイク・テラーナという元?ARTENSIONの強力メンバーを迎えているのでそれなりに品質は高い。

所属がB級メタルの宝庫「Lion Music」なので音質はイマイチだが、イングヴェイだって音質はイマイチですし、それはネオクラの宿命ということで…(苦笑)。

しかし私はROYAL HUNTの近作を聴いていなかったので、久方ぶりにジョン・ウエストの声を聴いたのですが、噂どおり手術後の声の劣化は聴いててちょっと切なくなりますね…。

あれほど力強く余裕たっぷりだったハイトーンがヨラン・エドマンを思わせるか細いファルセットになってしまっているとは…。ちとショックでした。【82点】


◆EMIR HOTのMySpace
http://www.myspace.com/emirhotguitar

◆公式サイト
http://www.emirhot.com/
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント