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Evoken Fest 2019 at 渋谷ストリームホール 2019.8.31

前エントリーを受け)そんなわけで行ってきました、Evoken Fest 2019二日目。

会場は渋谷ストリームホールという、東急電鉄による渋谷駅南側再開発によって昨年9月に開業した、オフィス・商業・ホテルの複合施設、渋谷ストリームの中にあるライブハウス。

渋谷駅直結とあるものの、初めて行く施設なので、どこから直結しているのかよくわからず(16b出口、と言われてすぐに「ああ、あそこね」という人は通勤などで毎日使っている人くらいではないでしょうか…)、ちょっと右往左往して到着。

大規模再開発なので、入っている飲食店もなかなかいい感じだし、開業してまだ1年も経っていないのでキレイ。

フロアに入ると、700人収容ってこんなものか、という程度の広さながら、天井が高い上に、邪魔な柱や梁もなく、かなり見やすい感じ。

ILLUSION FORCE

昨年活動を開始し、今年の5月にデビュー・アルバムをリリースした日本のメロディック・パワー・メタル・バンド。

日本の、と言ってもヴォーカリストは韓国人、ベーシストはアメリカ人と、多国籍な編成のようだ。

私も含め、最初はフロアも(前方で盛り上がっているコアなファンと思われる人を除き)「様子見」という感じでしたが、90年代のSTRATOVARIUSあたりを思わせる明朗なメロディック・パワー・メタル・サウンドは初見の人間にもわかりやすい魅力があり、破綻のないパフォーマンスもあって次第にフロアから上がる腕も増え、盛り上がってくる。

ヴォーカリストがフロアに向けてハイトーンのスクリームをアピールすると、フロアからも結構凄いハイトーン・スクリーム(約1名)が返ってきてビックリ、そしてVoさんが負けじと超ロングノートのハイトーンをキメる、などのやりとりも生まれつつ、コマのようにくるくるよく回る上手のイケメンなギター、子熊のようなルックスながら、アンジェロ・ラッシュめいた手つきでテクニカルなプレイをキメるベーシスト(後で調べた所、バークリー音楽院を卒業しているとか)など、日本のこの手のバンドにしては珍しく「ただ演奏しているだけ」にならないステージングを見せてくれる所はポイント高い。

そして何より、ステージが始まってほどなく一度機材トラブル?で袖にフェイドアウトしていった下手側のギタリストによる「俺らも昨年まではそっち(フロア)側にいたんです」「ロッピーでチケット買って、うわーTWILIGHT FORCEが見れる~!とか言ってたんです(笑)」「だからこうしてこのステージに立てて本当に嬉しいです」といった微笑ましい発言によってオーディエンスの共感を獲得、「このフェスを成功させるために、バトンをつないでいきたいと思います」みたいな好感度の高い物言いは社会人レベルが高い感じでした(笑)。

今のところ音楽そのものにあまり個性は感じられないのですが(パワー・メタルにそんなものはいらない、という説もありますが)、日本のバンドとしては楽曲もパフォーマンスもかなり完成度高くまとまっていて、この日のパフォーマンスで新たなファンを獲得できたのではないかと思います。


VICTORIUS

続いてはドイツのメロディック・パワー・メタル・バンド、VICTORIUS。ILLUSION FORCEの時点ではハコの半分くらいだったオーディエンスが7割くらいまで埋まってきた。

2017年の4th "HEART OF THE PHOENIX"までは割と普通の欧州型メロディック・パワー・メタルという感じだったが、昨年リリースされたEP "DINOSAUR WARFARE"で、音楽性はそのままに急にイメージを変え、「恐竜メタル」なる打ち出しでちょっとDRAGONFORCE的なネタっぽいセンスを漂わせるバンドに変貌した。

何よりビックリしたのは、私の記憶だと黒髪ロングヘアだったはずのヴォーカリストが金髪のショートヘアになっており、まるでアイドル・バンドのメンバーかのような爽やかイケメンルックスになっていたこと。

とはいえもちろん音楽が急にアイドル・バンドになるはずもなく(笑)、サウンドは疾走感の強いメロディック・スピード・メタル然とした勢いのあるもので、フロアは大盛り上がり。

そのヴォーカリストと、頭の片側をイマっぽく刈り上げた上手のギタリストがステージを動き回ってメタル・バンドらしからぬ華やかで明るい雰囲気を醸し出しつつ、下手のギタリストはいかにもメタル・ミュージシャン然としていて、メンバー同士ちゃんと仲良くできているのかしら…などと余計な心配をしてしまいました(笑)。

スタジオ盤で聴くとちょっと軽い(音質の話ではない)印象もあるのだが、そのドイツのバンドには珍しいカラッとしたフィーリングで繰り広げられるパワー・メタル・サウンドは、そのメタルバンド然としていないルックスとあいまって、この手のバンドには珍しい密室感を感じさせずに盛り上がることができ、これはこれでひとつの新しいパワー・メタルの在り方を示唆するバンドだな、と思いました。

爽やかなルックスのパワー・メタル・バンドが増えれば、若い女の子のパワー・メタル・ファンも増えるかもしれませんし(?)、この路線で頑張ってほしいです。


MANTICORA

昨年、約8年ぶりのニュー・アルバムをリリースしたデンマークのパワー・メタル・バンド。

ただ、私はVICTORIUSの終演後、ステージのあるフロアを出て、ひとつ下のドリンクカウンターと物販スペースのあるフロアにポツンと出店している、EVP主催イベント初の「フェス飯」であるケバブ屋(LOUD PARKに出店していた業者ではない)でケバブサンドを購入し、食事タイムにしていました。

本当はステージ転換の間にサクッと食べて、彼らの開演までには戻るつもりだったのですが、ドリンクカウンターのビールサーバーが調子が悪かったようで(まだ新しい会場のはずなのに…)、ドリンクカウンターが大渋滞。これに並んでいたらMANTICORAの開演に間に合わないことは確実(ちなみにケバブ屋も大渋滞でした)。

ケバブのような塩っ気の強いものをビールなしで食べるのは不可能なので(?)、どうせ翌日も観ることだし、とMANTICORAを最初から観ることは諦めた。

ビールサーバーの不調はかなり長く続き、私の前に並んでいる人の数人は諦めてハイボールなど他のアルコールを注文していましたが、私は別にアルコールが飲みたいわけではなくビールが飲みたいので、スタッフが感じているプレッシャーをあえて無視しつつ粘り続け、20分近くかけてようやく1杯のビールを手に入れる。

ビールを飲みつつケバブを頬張っている間、上の階からMANTICORAのプレイが漏れ聞こえていたが、この聴こえ方だと轟音と調子っぱずれ(に聞こえる)な叫び声が響いてくるだけで、魅力的な音楽には聞こえないというのが正直な所(苦笑)。

食べ終えた後、よくTwitterやYouTubeで見かけるキングレコードのメタル担当者の人が誰かを関係者控室に招き入れるのを横目にしつつ、ステージのフロアに戻る。

戻ると既にラストの曲である"Through the Eyes of the Killer - Revival of the Muse That is Violence"。フロントマンであるラース・F・ラーセンがなにやらシアトリカルな怪しいアクションを繰り広げており、本日時点ではとりあえずそれだけが印象に残りました。


NORTHTALE

元TWILIGHT FORCEのクリスチャン・エリクソン(Vo)と、元CELLADORのビル・ハドソン(G)を中心に結成されたメロディック・パワー・メタルの新星。

つい先日リリースされたばかりのデビュー・アルバムがかなり良かったので期待していたが、その期待に応えるステージだった。

豊かなブロンドの長髪に赤い革ジャンを着たクリスチャンにはこの手のバンドのフロントマンには珍しい華があったし、楽曲のギター・ソロ・パートになるとかならずステージのセンターに出てきて表情豊かに弾きまくるビル・ハドソンも、濃いめのマスクにマッチョな肉体がヌーノ・ベッテンコートを彷彿させ、昨今珍しい「ギター・ヒーロー」の趣があった。

速い曲からキャッチーな曲まで、変にヘヴィな要素もプログレッシヴな要素もロックンロールな要素もない、ピュアなメロディック・パワー・メタル・サウンドは、歌メロに漂う北欧ならではの哀愁含め90年代のSTRATOVARIUSを彷彿させ、個人的にはドストライクな音。

今のところ個性と呼べるものは見当たらないが、クサすぎないし、クリスチャンとビル以外のメンバーもルックス悪くなく、実際のライブ・パフォーマンス含めてバンドとして見栄えがする貴重な存在なので、ぜひ長続きさせてブレイクしてほしい。

まだ1枚しかアルバムを出しておらず、持ち曲が少ないからか、それとも「プレイヤー推し」をしたいのか、50分ほどの短いステージにもかかわらずギター・ソロ・タイムとドラム・ソロ・タイム(ドラムはイングヴェイのバックやW.A.S.P.のツアー・メンバーなどの活動で知られるパトリック・ヨハンソン)があったのも、結果的には他のバンドのライブとの差別化になっていた。

個人的には本日のベストと言ってもいいパフォーマンスで、まだアルバムが出て間もないにもかかわらず合唱も起き、フロアは大いに盛り上がっていたが、ステージ後ろにぶら下がっていた垂れ幕バナーは小さすぎて殆ど用をなしていなかったのはご愛嬌(笑)。


GRAVE DIGGER

HELLOWEENやRUNNING WILDと並ぶ、ドイツのメタル第一世代と呼ぶべきベテラン・バンド。RAGEのオープニング・アクトとして来日して以来、23年ぶりの来日公演である。

本国ドイツではメタル・ヘッズたちの確固たる評価を得て、安定した人気を誇るバンドだが、正直日本人受けするサウンドとは言い難いこともあってか、かなり長いインターバルが空いてしまったため、ファンにとっては待望の来日。

私は彼らのファンというほどの熱量はないものの、「ジャーマン・メタル」をメタラーとしてのルーツと考えている身として、一度は観ておきたいと思っていたので、こういう機会で観られるのはありがたい。

ショウは最新作の曲ではなく、その前作に当たる、本国ドイツで彼らの歴史上最高のチャート成績(15位)を収めたアルバム"HEALED BY METAL"(2017)のタイトル・トラックでスタート。

その後、ちょっとJUDAS PRIESTの"Turbo Lover"を思わせる"Tattooed Rider"、ヘヴィな"The Clans Will Rise Again"と続き、「やはりもう歳だから速い曲はやらないのか…」と思いかけた所で登場する"Lawbreaker"。

現代パワー・メタル的な感覚では速い部類に入らないテンポかもしれないが、最近の彼らの楽曲では勢いのある方の楽曲であり、サビがシンプルでコーラスしやすいこともあってフロアは大いに盛り上がる。

続いたのが"TUNES OF WAR"(1996)収録の"The Bruce (The Lion King)"というかなり渋めな選曲なのは、現在、映画『ライオン・キング』がヒットしているからでしょうか?(たぶん違う)

クリス・ボルテンダール(Vo)はビシビシとオーディエンスを煽り、その盛り上がりを確かめては「よくやった」とばかりに優しく微笑む様子に「昔は怖かったけど、今は丸くなって優しくなった先生」みたいな感じを受けました(笑)。

現体制になってからの代表曲、"Highland Farewell"を経てラスト3曲は、彼らのメロディック・パワー・メタルとしての代表曲"Excalibur"、BLIND GUARDIANからの影響が顕著なRebellion (The Clans Are Marching)、そして彼らのデビュー以来のテーマ曲と言うべき"Heavy Metal Breakdown"という鉄板の定番曲で締め。

私は上手(かみて)後方で観ていたのですが、私のすぐ近くにやたらと熱く楽しそうに盛り上がっている一団がいて、この人たちのためだけでも、彼らが今回来日した意味はあったな、と思いました。


ALESTORM

これまで転換の時間に流れているBGMは専らパワー・メタル系の音楽ばかりだったのだが、GRAVE DIGGERが終わるとLED ZEPPELINをはじめとするクラシック・ロックばかりが流れ始めるようになる。

そしてQUEENの楽曲が立て続けに流れ始めると、場内のオーディエンスが合唱を始め、昨今のQUEEN人気の高まりを感じさせられました。

そんな中、メタル・バンドのものとも思えないファニーな垂れ幕の前に、巨大なアヒル(黄色いけど、たぶんヒヨコではなくアヒル)のビニール人形が運ばれ、普通であればドラムセットが置かれる位置に鎮座する。

噂によると前日はこのアヒルをステージ上で膨らませるのに時間がかかって開演が遅れたということなので、膨らんだ状態で運ばれてきたのは前日の反省を生かしたということなのだろう。かわいらしいが、やはりとてもメタル・バンドのステージには見えない。

そしてフロアのBGMがフェードアウトし、照明が落ちると大きな歓声と共に一気に前方への圧縮が起こり、後方に立っていた私の前に大きなスペースが広がる。

そして1曲目、"Keelhauled"が始まるなり、そのスペースにて押し合い圧し合いのモッシュが始まる。

私はALESTORMを、いわゆるメロディック・メタル文脈のバンドだと思っていたので、目の前で始まったエクストリーム・メタル/ヘヴィ・ロック系ノリに面食らう。

たしかに本日のオーディエンスを観て、あれ?意外と若い人が多いな、しかも結構可愛い女の子もいるな?、パワー・メタルのライブっぽくない(涙)ぞ? とは思っていたのだが、なるほど、ALESTORMはこういう層をつかんでいたんですね。

そういう意味では、「このバンドは暴れられるぞ」と気付いた、ここで暴れている人たちに比べて自分のセンスはだいぶ鈍いな、と反省させられましたね。

時折、暴れてる人たちが私の方にぶつかってくるので、それを避けたり押し返したりせねばならず、あまり音楽やパフォーマンスに集中できなかったのですが、メタル・バンドらしからぬカラフルでカジュアルな衣装はセンスがいいし、スタジオ盤で聴くと、個人的な趣味からはちょっと外れる、シリアスさに欠ける響きの曲も、ライブではフックの効いたキャッチーな曲として盛り上がりを誘っていたので、素直にこれはライブ・バンドとして素晴らしいな、と思いました。

途中、サメの被り物をしたゲスト・シンガーが出てきたり(誰?)、鎮座している巨大なアヒル隊長のようなバルーン以外にもエンターテインメントな趣向が凝らされていて楽しめましたが、何と言っても圧巻だったのは"Nancy the Tavern Wench"におけるヴァイキング・モッシュあるいはローイング・モッシュと呼ばれる、舟漕ぎのようなモッシュ(?)。

会場の前方3列ほどと、私を含む最後方列を除く大半のオーディエンスが床に座り、舟漕ぎのようなアクションをしている様は、これまで100本単位でライブを観ている私も初めて目にする異様な光景で(ネットを通じてその存在は知っていたが)、ついついスマホで動画撮影してしまいました(そしてその動画をTwitterで上げた所、私のアカウント史上最高のリツイートといいねを獲得しました)。


これができたという意味では、本日すし詰め状態のソールドアウトでなくてラッキーだったのかもしれません。興行主以外にとっては。

スコットランドの民族衣装であるキルトスカート姿にキャップを被り、ショルダーキーボードを弾きながら歌う、フロントマンのクリストファー・ボウズのMCは、英語ネイティブならではの流暢さのせいか、アーティストとオーディエンスのコミュニケーションが適切に疎通できていたかというとそんなことはなかったのですが(そのため、「左右に分かれた後、ゆっくり歩み寄って握手しよう」というクリストファーのチャーミングな指示にも関わらず、左右に分かれろ、というジェスチャーだけしか理解しなかった輩のせいで単なるWODになってしまった)、とりあえずフロアは終始盛り上がり、今日イチかと思われたNORTHTALEや、貫禄勝ちかと思われたGRAVE DIGGERの印象をかき消すほどの強烈なインパクトのライブを見せてくれました。


この日、特別何かトラブっていた印象はないのですが、終演は予定の22時から大幅に遅れて22時40分にずれ込み、私は翌日のEXTRA-SHOWも観に行く予定だったのでそそくさと帰りました…と言いたい所ですが、ALESTORMのライブでさんざん「酒を飲め」という歌を聴かされてしまったので、ついついラーメン屋に立ち寄ってビールを頼んでしまいました(笑)。

evokenfest2019.jpg
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コメント

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行ってきました!

チケット半分がフライヤーに焼かれたものです。チケットは再発行できないとのことでしたが、黒焦げの部分も薄っすら文字が確認できるのと、半分は普通の状態だったので、その場で主催者に電話して事情を説明したら「問題なし」とのことで、当日は入場できました。でも、入り口のスタッフはギョッとしてましたけどね。私はNORTHTALEとGRAVE DIGGERが良かったです。私も上手後方で観てました。熱心なカップルのファンがGRAVE DIGGERで、騒いでましたから、近くにいらっしゃったんですね。おかげで楽しめました。改めて、ありがとうございました。

>ゆうしさん

やっぱりそういう場合でも再発行できないんですね。

EVPは大手ではない分、比較的融通も利きそうですからよかったですが、もし入場できなかった場合コンビニで補償してもらうのは結構大変そうですからよかったですね。

GRAVE DIGGERの時に上手後方でご覧になっていたなら間違いなく半径5m以内にはいましたね!(笑)。