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Evoken Fest 2019 Extra Show at 吉祥寺 club SEATA 2019.9.1

前日に続き、Evoken Fest 2019の"Extra Show"と位置付けられたライブに行ってきました。

"Extra Show"というのはヘッドライナーであるALESTORMが不在であるために番外編的な扱いになっているようで、この日のトリはEvoken Fest皆勤賞となるイタリアのDERDIANだ。

吉祥寺に来るのは、かつてBLOOD STAIN CHILDを観に吉祥寺CRESCENDに来て以来なので、ほぼ10年ぶりだ。その前に来たのもさらに10年前なので、私にとって吉祥寺は期せずして「10年に1回来る街」になっている。いや、家庭を持って住むにはほぼ最高の街だと思うんですけどね。

当然、今回の会場であるclub SEATAも初めての会場だが、吉祥寺のメインストリート的な通り沿いなので迷うこともない。駅から会場に向かう途中、POWERWOLFなどという、だいぶ濃いバンドのTシャツを着た人とすれ違い、この人はもしや今日の会場も渋谷と勘違いしているのではなかろうか…と勝手に心配してしまいました(笑)。

会場に着くと、同じフロアに吉祥寺を代表する居酒屋(焼鳥屋?)の名店、「いせや」の支店が同じフロアにある。

残念ながら本日はおひとり様での参加ながら、もし友人と一緒に着ていたなら、ライブ後はここに吸い込まれること確実である(笑)。

地下の会場ということもあってか、昨日の渋谷ストリームホールとは違って天井が低い。そしてステージの前の梁(モニターが設置されている)が超ジャマで、ただでさえ狭いステージがさらに狭く見えるという意味であまり好ましくない会場だ。

Allegiance Reign

2017年にデビューした日本の「戦国バトル・メタル・バンド」。

甲冑(プラスチックのオモチャではなく本物らしい)に身を包んだ、その独特の和風な出で立ちは個性的ながら、この手の「独自の世界観」系のバンドは、「信者」以外にとってはサムくて観ていられないこともあるのでちょっと危惧していたが、杞憂だった。

RHAPSODY OF FIREとTURISASを足して2で割ったような勇壮なシンフォニック・メタルはなかなかのクオリティだし、YAMA-B(元GALNERYUS)そっくりの歌声を持つVoのMCは、デーモン閣下を思わせるユーモアのセンスがあり、バンドの世界観をすんなりオーディエンスに受け容れさせていた。

下手(しもて)のギターのMCも、時代劇っぽくて面白く(別に面白いことを言っているわけではないのだが、その時代がかった言い回しがなんとも味があって面白い)、その世界観とは全く無縁の(和風の要素皆無、シンフォニック・メタル風味全開)サウンドはかなりのインパクトでした。エイエイオー。


EPIDEMIA

クラウドファンディングで多額のお布施をした方の要望によってEVPが招聘し、来日が実現したロシアのバンド。

ロシアの情報というのはなかなか入ってこないので事実なのかわからないが、本国ロシアでは千人単位のオーディエンスがを前にアリーナ・クラスの会場でライブを行なう人気バンドらしく、本日このせいぜい600人くらいしか入らない会場がスカスカ、つまり恐らく300人くらいしかいない会場でプレイしてもらうのはなんだか申し訳ない気持ちになってしまう。

メタル・バンドとしての基本スタイルは、地理的に近いドイツや北欧のバンドに影響を受けたメロディック・パワー・メタル・スタイルのようだが、ドイツや北欧のその手のバンドがあまりやらないような、ちょっとダンサブルなパーティー・ソングや、「日本を舞台にしたMVを作った」と紹介された曲はポップ・ロック然としていたし、バラードは70年代のSCORPIONSみたいで、良く言えば型にはまっていない、悪く言えば方向性の定まっていない楽曲をプレイしている。

ライブの進め方というか、オーディエンスの乗せ方も、普通のバンドであればバラードでやるような、両手を挙げて左右に揺らすような動きをテンポの速いパートで求めたり、ちょっと西側諸国のバンドとは違っている感じで、これを「ロシアならではのオリジナリティ」と評価するか、「ロックのライブのお作法をわかってない、田舎臭いパフォーマンス」と感じるかはその人次第か。

ただ、垢抜けないながらも楽曲(特にメロディ)には耳を引くものがあったし、超テクというわけではないが、キャリアの長いバンド(結成は1993年)だけあって演奏も安定しており、何よりエルフみたいな容貌のヴォーカリストの伸びやかなシルキー・ヴォイスが素晴らしく、彼らのパフォーマンスに悪印象を抱いた人はいなかったのではないか。

実際会場はかなり盛り上がっており、前方にはロシア語の歌を合唱するようなコアなファンも集まっており、オーディエンスの人数はともかくリアクション自体はバンドを満足させる熱量があったように思う。

個人的にも本日の目当てはこのバンドで、その期待に応えるステージだったことは間違いない。

まあ、それは「ロシア料理もたまに食べると美味しいよね」みたいな感覚で、西側諸国の一線級のバンドと同じレベルのパフォーマンスだったかと問われるとそんなことはなかったのですが、また何年後かに来日してくれたらまた観たいし、できればフルセットのショウを観たいと思わせる魅力は確実にあったと言っておきます。


MANTICORA

昨日、飯タイムにしてしまったために見逃してしまったバンド。いや、今日観れることがわかっていたからこそ飯タイムにしたというのが本当の所ですが、それでも飯タイムにしてしまったのはそれなりの期待値でしかなかったというのもまた事実。

このバンドも2000年代初頭のパワー・メタル・ブームの際には日本盤が出ていて、「デンマークのBLIND GUARDIAN」的な評判でマニアには注目されていたので、当時は私も聴いていました。

ただ、そのサウンドは確かにBLIND GUARDIAN風ではあったものの、ブラガの持つドラマ性や叙情性ではなく、アグレッシブな面やプログレッシブな面が強調されたサウンドで、個人的な琴線にはあまり触れなかったというのが期待値が低かった理由。

しかし、そんな低い期待値を全面的に謝罪したくなるステージだった。ドラムのツーバスがオート連打モードでも付いているのではないかという強烈さで、その強靭なビートに支えらえたスラッシュ・メタルさえ彷彿させるほどのアグレッシブなパフォーマンスは猛烈なヘドバン欲を刺激し、こんなに激しくアタマを振ったのはいつ以来だろう…という勢いでヘッドバンギングしていた。

翌日の首の筋肉痛は間違いなくこのバンドのせいです(笑)。

ブロンドの長髪と、シアトリカルで個性的なアクションが印象的なヴォーカリスト以外のメンバーは「普段はIT企業で働いてます」といった感じの爽やかな短髪の欧米人だが、大して売れているとも思えないこのバンドの活動を続けているのも納得のパフォーマンスだった。

スタジオ盤ではイマイチでも、ライブだと素晴らしいと感じられるバンドの典型例ですね。予想外の満足度でした。

Voの人が途中、1曲だけネズミ男みたいな恰好になったのは意味不明でしたが(歌詞が理解できてれば意味がわかったのかもしれません)。


NORTHTALE

昨日観ているので、外に出て食事しててもいいのだが、この会場は再入場時にまたドリンク代を取られるのと、何より昨日のパフォーマンスが素晴らしかったので再びじっくり鑑賞。

昨日と内容は同じなので詳細は語りませんが、昨日同様にデビューしたてとは思えない(メンバー各々はそれなりのキャリアがあるので当たり前と言えば当たり前ですが)完成度の高いステージだったのですが、より広い会場だった前日の方がよりパフォーマンスが映えていたと感じたあたりは、バンドのスケール感を逆説的に証明するものだったと思います。

パワー・メタルの次世代を担う大器に育ってほしいし、日本で正当な評価を得てもらいたい所です。


BLOODBOUND

BGMでPRETTY MAIDSの"Raise Your Flag"とRUNNING WILDの"Riding The Storm"という、メタルを聴き始めの時期に聴いていた名曲が立て続けに流れ、BGMの選曲が昨日と全く同一であることに気付く。

BLOODBOUNDはスウェーデンのパワー・メタル・バンド。デビュー以来、アルバムが出るたびに買っている、つまりそれだけの魅力があるバンドなので当然お目当てのひとつ。本日はEPIDEMIAとBLOODBOUND、このどちらが欠けてもこの会場に足を運ばなかったでしょうね。

できれば初代のヴォーカリストであるアーバン・ブリードで観たかったが、現Voのパトリックも良いシンガーなので不満というわけではない。ただ、そのパトリックがスキンヘッドに、受験生がするような日の丸ハチマキを巻いて登場したのはちょっと失笑。

BLOODBOUNDのライブ・パフォーマンスというのは、スタジオ盤の印象に極めて忠実である。すなわち、楽しめるが、失礼ながらA級の風格は感じない。そういう意味で、NORTHTALEにはA級のポテンシャルがあるということを逆説的に感じさせられました(笑)。

しかし、このブログを読む程度にマニアな方であればB級にはB級の魅力があることはご承知の通りで、そういうA級ならざるランクのバンドを観られることがEvoken Fest…というかEVPが興行するライブの醍醐味。そういう意味でEVPの事業停止は惜しまれます。

セットリストは現Voのパトリック加入後の楽曲が中心で、近年押し出されるようになった「メタル」や「ドラゴン」など、わかりやすいアイコンを掲げてオーディエンスを煽る彼らのパフォーマンスはメタラーであれば嫌いになれない類のもの。

ショウの途中で出てきた、彼らのアルバムのアートワークにおけるマスコット・キャラクター(?)、ノスフェラトゥ君は、ステージが狭いせいか「何しに出てきたん?」という程度の存在感でした(笑)。

ラストは彼らのテーマ曲というべき名曲"Nosferatu"でしたが、チューニングが下がっていたのでちょっと違和感を覚えてしまったことは内緒です。


そしてこの後は本日のトリ、DERDIANの登場となるわけですが、翌日は月曜日ですし、昨年も観ているので、失礼ながらパスさせていただきました。

吉祥寺駅までの帰りがけ、大学時代に時々行っていた野方ホープの支店があったので、そちらでラーメン食べて帰宅。

本日はキャパに対して5割からせいぜい6割程度の入りだったので、バンドとバンドの間の転換時間は地べたに座れた分、昨年よりラクでしたが、まあこの客入りではビジネスとしては続けられないよなあ…という感じでした。

オールスタンディングの会場で、このバンド数でやるなら、体力のある若者向けのバンド中心でないと厳しいでしょう。然るに本日集まっていたオーディエンスは、ALESTORM効果があった昨日より高く、30代から40代の仕事で疲れている世代が中心。

体力の衰えたこの世代を相手にするには指定席型の会場が好ましいですが、そもそもそういう世代の人は仕事や育児などで忙しいので、椅子のある会場を埋めるほどの動員はなかなか見込みづらい。

そういう意味で、現代の日本でマニアックなパワー・メタルのフェスティバルというのはビジネス的にはなかなかの無理ゲーで、採算度外視…とまでは言わないにせよ、「儲かるかどうかより、呼びたいかどうかだ」の姿勢で招聘をしてくれたEVPが実現してくれたこの数年間の奇跡に感謝するしかありません。

evokenfest2019.jpg
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コメント

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LABYRINTHのReturn to~を聴きながら

EVF2019のレポありがとうございます。
日本のメタルファンはちょうどいま中(高)年で子育て中の方はライブから遠ざかっていて、子供が巣立った方たちはオールスタンディングは体力的にきつく、と本当に集客が難しいですよね。
そんな状況下で「呼びたいから呼ぶ、見たい(見せたい)から呼ぶ」で興行をしてくれたEVPさんの奇跡に少しでも触れることが出来て私も幸せでした。
長時間のライブ、2日間お疲れ様でした。
でもヘドバンの筋肉痛が翌日に出るなんて、adoreさん、若いですね~
私なんて多分3日後ですよ。笑

>なな吉さん

ちょうどMETAL WEEKEND 2019に足を運んで、4バンドくらいで指定席もある2,000~3,000人規模の会場が、現在の日本のメタルファンのボリュームゾーンを考えるとちょうどいいのかな、と思いました。

筋肉痛、中1日かかることもありますが、今回は翌日でした(笑)。

"RETURN TO HEAVEN DENIED"は、今聴くとアレンジはもうちょっと練れたんじゃないかという気もしますが、とにかくメロディと歌唱が素晴らしい名盤ですね。