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NIGHT RANGER来日公演 at 昭和女子大学 人見記念講堂 2019.10.7

このサイト/ブログでは、意図的(サイト/ブログの個性を明確にするため)にハード・ロックよりメタル、アメリカンなものよりヨーロピアンなものをフィーチュアしてきたので、これまであまり触れてきませんでしたが、私はNIGHT RANGERが好きです。

と言っても、ほぼ1st"DAWN PATROL"と2nd"MIDNIGHT MADNESS"に好きな曲の大半が集中していて、近年のアルバムはほとんど聴いていないのでライブには足を運びかねていました(単にスケジュールが合わなかったというのも大きいですが)。

しかし今回の来日公演はその1st"DAWN PATROL"と2nd"MIDNIGHT MADNESS"を再現するツアーということで、私のような人間にはピッタリ。同じく80年代のNIGHT RANGERを愛する友人の誘いもあり、足を運ぶことにしました。

会場は昭和女子大学人見記念講堂という、5年くらい前にEXTREMEの来日公演が行なわれたとはいえ、HR/HMファンには(というか男性には?)あまり馴染みのない会場で、渋谷から東急田園都市線で世田谷方面に2駅の三軒茶屋にある。

開場18時30分、開演19時だったわけですが、私が銀座某所での打ち合わせが終わったのが18時35分。電車で行くと、開演には確実に間に合わない。しかし公演の趣旨から考えてオープニング1曲目はほぼ間違いなく私がこのバンドの楽曲で1番好きな"Don't Tell Me You Love Me"と想定される。遅刻は極力避けたい。

NAVITIMEで自動車ルートを検索すると、車なら首都高を使えば17分で着く、とある。これに賭けるしかない。

早速タクシーを捕まえ、首都高の銀座入口から高速道路に乗る…が、いきなりの渋滞。浜崎橋JCTで事故という表示は出ていたのでこれは想定内だが、その浜崎橋を過ぎてスムーズに流れだした、と思ったのも束の間、その後も断続的に渋滞が続き、渋滞情報のサイトをスマホでチェックすると、この先もずっと渋滞しているようだ。雨だしな…。

やむなく途中で高速を降りるも、ほぼ全ての信号で赤信号に引っかかるという不運なリズム。結局現地に到着したのは開演から15分ほど経ったタイミングでした。

大学時代にインカレのサークルで何人か友達はいたものの、当然ながら昭和女子大に入ったことはない。そもそもアラフォーの男性サラリーマンが勝手に入ろうとしたら逮捕されるんじゃないかと思い(そんなバカな)、門の脇に立っている警備員に「怪しい者ではありません。人見記念講堂はどこですか?」と訊こうとする間もなく、警備員の方から「ナイト・レンジャーですか?」と話しかけてきて、道案内をしてくれる。

講堂内に入ると、いかにも大学職員といった感じの、きちんとした身なりの人たちが丁寧に席の場所を説明してくれる。てか、そこまで丁寧に説明してくれなくても席番号見ればなんとなくわかるから早く通してくれ、という気分でした(苦笑)。

そして19時20分くらいに自分の席に着くと"At Night She Sleeps"がプレイされている。当然だが"Don't Tell Me You Love Me"も"Sing Me Away"も聴き逃してしまった…いや、楽曲の尺を考えると"Call My Name"まで終わっていてもおかしくないので、まだマシだったと考えよう。

2階席だったので、先に着いていた私の友人を含め、周りの人たちの多くは座って観ている。私が立つと後ろの人が見えづらくなると思われるので、とりあえず私も座って観る。とりあえず"Call My Name"は立ち上がって盛り上がるような曲でもないですし。

遅刻でちょっとブルーな気分でしたが、"Eddie's Comin' Out Tonight"のスリリングなツイン・リードにたちまち気分はアガっていく。この曲が『MCA』と契約するきっかけになったそうだが、こういう曲が大手メジャーに評価されるいい時代だったんですね。

上手(かみて)にドラム、下手(しもて)にキーボードがあり、センター後方には大きな「お立ち台」があるという変則的なステージ構成だが、これは結成当初からこうなっているようなので、弦楽器隊3人が縦横無尽に動き回るステージングをする上でこういうステージが良い、ということになっているのだろう。

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結成当時の思い出話など、恐らく毎回喋ってるんじゃないかというトークも、日本人の英語リスニング能力を考えてかなりゆっくり話してくれていたし、そのステージはまさに百戦錬磨といった熟練を感じさせる。

バンド名を冠した"Night Ranger"がプレイされた際には、途中のテンポアップして盛り上がる場面でドラム・ソロに突入。ケリー・ケイギー(Dr, Vo)が「ドラム・ソロ・タイムかって? いや、グルーヴ・タイムだぜ」と言うと、他のメンバーも全員ドラムキットの周りに集まって思い思いにドラムスティックでドラムやシンバルを叩き始める。こんな光景は他のバンドでは見たことがない。

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"DAWN PATROL"最後の曲である"Night Ranger"が終わると「まだ帰るなよ! まだまだ音楽はあるからな! 5分だけ休ませてくれ!」と言って一旦袖に引っ込む。

そりゃあ"MIDNIGHT MADNESS"も再現するってあらかじめ知らされているわけだから帰らないよね…などと思っていたら、ブラッド・ギルス(G)つながりなのかOZZY OSBOURNEの"No More Tears"がBGMで流れる中、ステージ上にアコースティック・セットが組まれていく。あれ? "Rock In America"じゃないの?

明らかに5分以上経って現れた彼らがプレイを始めたのは4thアルバム"BIG LIFE"からの"Color Of Your Smile"のアコースティック・バージョン。おや、今日は一昨日に行なわれた追加公演とはセットリストが違う?

アコースティック・セットは続き、再結成アルバム(私がHR/HMを聴き始めてからリアルタイムでリリースされた最初の作品である)"NEVERLAND"からの"Forever All Over Again"、そしてジャック・ブレイズ(B, Vo)が在籍していたDAMN YANKEESの大ヒット曲"High Enough"、5th"MAN IN MOTION"からの"Reason to Be"という4曲がプレイされる。

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正直、ブラッド・ギルスという、エレクトリック・ギターならではの技術であるアーミングの達人を擁する彼らが4曲もアコースティックをプレイする意味は薄いように思ったが、ビルボードライブみたいな会場にはハマりそうな気はする(少なくとも、先日ビルボードライブで観たURIAH HEEPよりも!/笑)。

そしてアコースティック・セットが撤収され、いよいよ始まる"MIDNIGHT MADNESS"完全再現。名曲中の名曲、"Rock In America"が始まると、座っている人が多かった2階席も2/3以上の人たちが立ち上がる。あからさまな今夜のハイライト。

この曲のAメロのキーボードは初めて聞いた時衝撃でしたね。こんなに歌メロのバックでキーボードが目立っていいんだ、と(笑)。

このバンドは2人いるギタリストのどちらもギター・ヒーロー扱いで、ベースとドラムはヴォーカルも兼任しているので、皆存在感が強いわけだが、キーボードのフィーチュア度の高さもHR/HMとしてはかなりのもので、「目立たないメンバー」がいないというのがバントとして魅力的(いや、現在のキーボーディストは知名度などの点でやや地味な人ですが…)。ステージを見る限りメンバー同士の仲も良さそうで、気持ちよくステージを観ていられる。

カジュアルな服装のメンバーたちの中、一人LAのグラム・ロッカーみたいな風体のケリ・ケリー(G)も「あの」8フィンガーのタッピング・ソロを見事に弾きこなして大きな歓声を浴びる。

全米5位の大ヒット・バラード"Sister Christian"ではオーディエンスに歌声を要求、ちゃんと歌詞を憶えている観客が多く、見事な歌声が場内に響き渡る。これが長年のファンを抱えたバンドの単独公演における妙味ですね。フェスだとなかなかこうはいきません(笑)。

スタジオ盤ではちょっと退屈な曲だと思っていた"Touch Of Madness"もライブ映えは抜群で、"When You Close Your Eyes"みたいなメロディアスな楽曲はもちろん素晴らしい。ホント、このバンドには日本人好みの歌謡センスがあって、その辺が2019年になっても東京で2,000人規模の会場を2会場ソールド・アウトさせられる根強い人気の源泉なのではないか。

"MIDNIGHT MADNESS"完全再現が終わると、(今夜は既にセットチェンジで袖に引っ込んでいるからか)アンコールという形は取らずに、オマケ的に3rdアルバム"7 WISHES"からの"Four In The Morning"、そしてタイトル的には公演ラストに相応しい"Goodbye"がプレイされて今夜のショウは終了。

しんみりしてしまうからか、バラードで終わるライブって実はあんまりないんですよね。でも"Goodbye"は最後エレクトリック・ギターがパワフルに盛り上げるのでギリギリ「アリ」なんですかね。"Goodbye"ではなく"See You Again"であってほしいですが。

25曲、2時間半に渡る大満足のコンサートでした。メンバーの演奏やショウ運びも非常にプロフェッショナルで、これなら新しいヒット曲やヒット・アルバムが出なくてもお客さんは集まり続けるだろうな、と感じました。

実際、オーディエンスは普通の私服やスーツ姿の人が多く(もちろん80年代のツアーTシャツを着ているような歴戦のファンと思われる方もいっぱいいましたが)、このバンドがいわゆるコアなHR/HMファンというより、ライトなHR/HMファンの人気が高かったという話も納得でした。

彼らはやっぱり曲もパフォーマンスも大衆性やわかりやすさに満ちていて、それは今のHR/HMが失ってしまったものなんじゃないかと思います。もちろん、今NIGHT RANGERの音楽性を再現してもそれは「大衆的」とは言えないのですが。

しかし、ジャック、ケリー、ブラッドというオリジナル・メンバーが還暦オーバーなのは想像がついていましたが、このパワフルなドラムをプレイして、しかも多くの曲でヴォーカルもやっているケリー・ケイギーが67歳って…。そりゃ60歳じゃ年金もらえませんよね(苦笑)。まだまだ働けそうですもん(笑)。

※聴けなかったこの曲のオフィシャル・ライブ映像を新旧で。



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コメント

非公開コメント

お久しぶりです
おじゃまします

意外と思われること確実ですが、
私もnight rangerかなり好きでして

好きなアルバムはman in motionです!

No title

こんばんは。自分もその日のライブを参戦していました。Night Rangerは大学時代に初めて聞きそれからアルバムはすべてきいています。ライブも来日時には必ず参戦していました。(Firehouseとのカップリングは行けませんでしたが(´;ω;`)
今回のライブはNRの大ヒットアルバムからで盛り上がらないわけはありませんが逆に次やる曲がわかるという完全再現の欠点ですかね(笑)
観た感想ですとケリーケリーが何気に目立ち、ブラッドギルスを凌いでいたような(-_-;)ケリーはあちこち動き回ってたからですかね。次は新譜だして来日してほしいですね。

>hateworkさん

現在存在が確認されている最古の当サイト読者hateworkさん、お久しぶりです。

MORBID ANGELの楽曲タイトルをHNにしている方がNIGHT RANGERが好きというのは確かに意外といえば意外ですが、NIGHT RANGERにはポップ・ファンからエクストリーム・メタルのファンまで、あらゆる人たちに響く普遍的な魅力があると思います。

しかしフェイバリット・アルバムが"MAN IN MOTION"というのはコアですね(笑)。

>しんさん

FIREHOUSEとのカップリング公演に行けなかったことは当時私もかなり悔やんでいました(笑)。

結果的にはその後どちらのバンドも観ることができたので、まあいいのですが。

しんさんがおっしゃるような欠点をバンド側も感じていたのか、この次の日のショウでは曲順を変えてプレイしたみたいですね。

そしてケリ・ケリー、頑張っていましたね。よく動いて、ルックスもロッカー然として存在感がありました。

しかし個人的にはやはりブラッド・ギルスのアーム芸が凄いと思いましたし、還暦過ぎてなおカッコいい、オッサンギタリストの理想形だと思いましたね。