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DRAGONFORCE "EXTREME POWER METAL" アルバム・レビュー

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前作"REACHING INTO INFINITY"発表後、近年バンドへの貢献と露出が減少し、「育休中」と伝えられていたヴァジーム・プルジャーノフ(Key)が脱退。

ヴァジームに代わってソングライティング面での貢献を高めていたフレデリク・ルクレール(B)がKREATOR加入のために脱退することが報じられるのとほぼ同時にリリースされることになった通算8作目のフル・アルバム。

ここ2作ほど、フレデリク・ルクレールの影響によるものと思われるエクストリーム・メタルのエッセンスを取り入れたヘヴィな要素が音楽性に表れており、好意的に解釈すればバンドのサウンドの幅が広がったし、ネガティブに解釈すれば「らしさ」が減少していた。

しかし本作ではエクストリーム・メタル由来のエッセンスは減少し、特に歌メロの面でよりメロディックな要素が増して、原点回帰の様相を呈している。

さらに今回は、どうも意図的に80年代風のサウンドを志向した節があり、80年代的な要素が強く押し出された#4 "Heart Demolition"、#7 "Strangers"といった楽曲は、その時代の音楽にポジティブなノスタルジーを覚える私のような人間には極めて印象的である(不思議なことに本作で最もキャッチーなこの2曲はどちらも「エクストリーム派」であるはずのフレデリク・ルクレールの作だ)。

フォーキッシュというかケルティックな要素を取り入れた#9 "Remembrance Day"は、彼らとしては新味だが、メロディック・パワー・メタル系のバンドとしては割とよくあるアプローチで、そこまで目新しさはない(個人的にはHEAVENS GATEの"He's The Man"を思い出しました)。

#10 "My Heart Will Go On"は、映画『タイタニック』の主題歌として大ヒットしたセリーヌ・ディオンの楽曲のパワー・メタル・カヴァーで、ボーナス・トラック扱いではないが、ボーナス・トラック的な感触。

全体的には初期からのDRAGONFORCEファンが求めるものを提供している作風であると思われるのだが、今回なぜかマーク・ハドソンのヴォーカルが(元々その傾向はあったが)やけにか細く響き、結果としてサウンド全体がパワー不足に感じられてしまう。

アルバム・タイトルが彼らの音楽性のパブリック・イメージそのまま、DRAGONFORCEというバンドの音楽性をそのまま表現するものになっている割に、「エクストリーム」な要素が弱く感じられるという意味で、アルバム・タイトルから想像されるサウンドとミスマッチが起きているように思えてしまった。【85点】







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コメント

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個人的には「The Last Dragonborn」に激ハマりしました!

No title

なんか全体的にテンションが低いというか、元気がないですよね。
3rdか4thに今作のタイトルがついていれば違和感がないのですが…。

Galneryusの新作の方が「エクストリーム」に「パワーメタル」してますね(笑)。

>Lokiさん

彼らのレパートリーの中では珍しいミドルテンポの楽曲ですが、オリエンタルなエッセンスが効いた佳曲ですね。

>名無しのメタラーさん

彼らのカタログの中では"THE POWER WITHIN"と並んで元気がない印象の作品ですよね。決して悪くはないのですが。

GALNERYUSの新作は確かに"EXTREME PROGRESSIVE POWER METAL"ですね(笑)。