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VISON DIVINE “WHEN ALL THE HEROES ARE DEAD” アルバム・レビュー

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LABYRINTHのギタリストとしても知られるオラフ・トーセン率いるVISION DIVINEの、前作” DESTINATION SET TO NOWHERE”(2012)以来7年ぶりとなる通算8作目のフル・アルバム。

前作がリリースされてから、2017年にLABYRINTHの” ARCHITECTURE OF A GOD”がリリースされるまで、オラフ・トーセン関連作品のリリースが途絶えていたのでてっきり引退したのかと思っていたが、こうしてLABYRINTHの新作から2年ほどのインターバルでVISION DIVINEの新作も発表されるとは、充電期間(?)を経て再びオラフ・トーセンの創作意欲のギアが入ったようだ。

前作発表後、2016年にドラマーがアレッサンドロ・ビサからYNGWIE MALMSTEENでの活動やARTENTION、AXEL RUDI PELL、RAGE、MASTERPLANなどの活動で知られるマイク・テラーナに交代、また、昨年2018年にはANGRA加入に際して脱退したファビオ・リオーネに代わってDERDIANのヴォーカリストとしても知られるイヴァン・ジャンニーニが加入している。

マイク・テラーナはともかくイヴァン・ジャンニーニについては、失礼ながら「格落ち」な感を抱いてしまったが、加入時に公開された”Angel Of Revange”のMVが思いのほか良い出来でひそかに期待していた。

そして1年弱待たされて発表された本作はその期待に充分応える力作で、プログレッシヴ・メタル色の強いパワー・メタルと形容できるVISION DIVINEのサウンドにイヴァンの歌唱は新たな求心力を宿らせることに成功している。

私がこのバンドの弱点と思っていたサビにおける盛り上がりの弱さは完全に克服されたとは言い難いまでもかなり改善されているし、イヴァンのエモーショナルな歌唱スタイルもその弱さを補い、叙情性を強化する方向に作用しており、ケミストリーという意味ではファビオ・リオーネにミケーレ・ルッピという偉大な前任シンガー以上かもしれない。

アルバムトータルで見たときの楽曲クオリティ、サウンド・プロダクションなど、総合点ではバンド史上最高傑作と言っても過言ではなく、過去の彼らの音楽を気に入っていた向きであれば必聴だろう。

#8 “The King Of The Sky”なんて、このバンドを代表する疾走曲である” La Vita Fugge”を凌駕するほどの煽情力を秘めたスピード・チューン(もっとも” La Vita Fugge”の魅力は楽曲そのものというよりもエンディングにおけるミケーレ・ルッピの人間離れしたハイトーン・スクリームに拠る所が大きかったけれども)。

前述の”Angel Of Revange”が収録されていないことに貧乏性的な感覚での不満はあるものの、これだけのクオリティの楽曲が揃えられるのであれば同曲の収録は必須ではないだろう。

日本盤は同時期にリマスター&ボーナス・トラックを追加されてリイシューされたデビュー・アルバムとの2枚組仕様。

Evoken de Valhall Productionが健在であれば来日も期待できたはずなのだが…。【84点】





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コメント

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概ね同じ感想です。このバンド、毎回悪くはないけどそんなに良くもないアルバムを出してる印象がありましたが今作はとても充実してますね。国内盤ボーナスがrusty nailになったのはまあ仕方ないのでしょうね。

>rassieさん

今回のアルバムはこれまで感じてきた「物足りなさ」を感じなかったので、充実していることは間違いないと思います。

このバンドが"Rusty Nail"をカヴァーする必然性はあまり感じませんが、出来は結構いいと思うので結果よし、ではないでしょうか。

ケミストリーの大切さを過去最大に感じた事例かもしれません...!

>Lokiさん

オールド・ファンであればマイケル・シェンカーとゲイリー・バーデンの関係にそれを見出していたのかもしれませんが、2010年代に生きる我々としては本作に息づくケミストリーに「有名な人を集めればいい作品が生まれるわけじゃないんだな」という事実を痛感させられますね(笑)。