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PRETTY MAIDS “UNDRESS YOUR MADNESS” アルバム・レビュー

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昨年、代表作のひとつである”FUTURE WORLD” 30周年記念公演で来日したPRETTY MAIDSの、前作”KINGMAKER”(2016)から約3年ぶりとなる通算14枚目のオリジナル・アルバム(”STRIPPED”と”LOUDER THAN EVER”は企画盤扱いということで)。

前作発表後、キーボーディストとしてクリス・レイニーが加入、ドラマーが元ROYAL HUNTのアラン・チカヤから同じく元ROYAL HUNTのアラン・ソーレンセンに交代している(しかしアラン・ソーレンセンは本作発表後既に脱退)。

本作発表直前の10月に、フロントマンであるロニー・アトキンス(Vo)に肺癌が見つかり手術を受けたという心配なニュースが発表されましたが、本作を聴く限り未だ衰えが見られない力強い歌声を聴くことができます。

実際、このバンドを他のメタル・バンドから際立たせているのは、楽曲の良さもさることながら、ロニー・アトキンスのエモーショナルでパワフルなハスキー系の歌声だと思うんですよね。パワフルでハスキー、というと暑苦しい感じになりがちなのですが、ロニー・アトキンスに関しては、温もりこそ感じれど暑苦しさは感じないんですよね。

元々彼らの楽曲はパワー・メタル的な色とメロディアス・ハード的な色の両方を持っているが、本作は後者の色がやや強め。

とはいえ力強いヘヴィなリフがフィーチュアされた曲も多く、軟弱な印象は全くない。この軟弱さを感じさせない要因も、ロニー・アトキンスの歌声に拠るところが大きい。

哀愁を感じさせつつもクサくはならないメロディ作りの妙はすでに職人の域だし、歌を主役に据えた曲における、ロニーの優しさと郷愁のようなものを感じさせるメロウ・サイドの歌声は本当に魅力的。

ついついロニーの歌にフォーカスしてしまいますが、ケン・ハマー(G)のギター・ワークもまた匠の技で、リフ・メイキングはもちろん、何気ないバッキングのアレンジに潜むセンスが彼らの楽曲を単調にさせず、歌を邪魔することなくエッジを効かせるという非凡なことを易々とやってのけている。

往年の名盤を超えているとまでは言わないにせよ、聴き劣りすることもない、ベテランならではの熟練と安定を感じさせる間違いのない一枚。【83点】




この曲のサビなんかは、ロニー・アトキンスの声だから魅力的になっていると思いますね。祈・回復。

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コメント

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「Spooked」までしか聴いたことが無かった所に今年「A Blast From The Past」がリリースされ、それほど評価が高くない2000年代の作品でも聴きどころのある曲(それでも復調した「Pandemonium」以降の方が良いとは思います)結構作っていたバンドだったんだなあと再び興味が湧いてきたところで新作だったので、個人的には結構良いタイミングで出してくれたなーと。内容も充実していて満足です。

でもケン・ハマー.....そのうち破裂しそう(笑)あの体型見たらロニー・アトキンスより先に逝っても全然おかしくないと思ってしまいました。

>YTさん

2000年代の作品は試聴しただけで「あー、これはパッとしないな…」と見切ってしまっていましたが、出来のいい方の曲だけ聴けばやはりそこらのバンドより良いのかもしれませんね。

私も早死にするならケン・ハマーだと思っていたのですが(不謹慎)、まさかロニー・アトキンスの方が先に深刻な健康問題を抱えるとは…。

プリティメイズはどんな外れアルバムにも一曲は必ず当たりがあるんですよ。俺ベストを作ると素晴らしいパワーメタルアルバムが完成します。
しかし、ケンハマーの体型はえらいことになりましたね。あれでよくギター弾けるもんだな。

>結城真之介さん

あー、確かに。彼らのアルバムはつまらない曲多めであってもハイライトとなる曲は確実にありますね。その辺は彼らがここまでやってこれた大きな要因でしょうね。

太ったことがない身からすると、腹の肉や指の肉はギター・プレイの邪魔になりそうに思えますが、イングヴェイやマイケル・ロメオ、ティモ・トルキ、そしてこのケン・ハマーを見ると肉が特に悪影響を及ぼしていないことがわかりますね…。

No title

このバンドの硬軟併せ持ったバランス感覚、大好きです。
ゴールデンコンビですなぁ。
いまのラインナップ、ライブだとベースの若い兄ちゃんが華やかでなかなかいいんですよね。

>馨さん

PRETTY MAIDSは本当にバランスのいいバンドですよね。
いや、エクストリーム・メタルが好きな人にとってはメロディに傾き過ぎなのかもしれませんが、このバランスは絶妙だと思います。

ロニー・アトキンスとケン・ハマーはHR/HM史上屈指の名パートナーですね。ケミストリーはもちろん、一度も喧嘩別れしたことが無いという意味でも稀有だと思います。

ベースの人には特に印象ありませんでしたが、たしかにロックンローラーな感じでカッコいいですね。