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CYHRA “NO HALOS IN HELL” アルバム・レビュー

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元AMARANTHEのジェイク・E(Vo)と、元IN FLAMESのイエスパー・ストロムブラード(G)の音楽的ビジョンが一致したことで2016年に誕生したCYHRAのセカンド・アルバム。

前作発表後、ピーター・イワース(B : 元IN FLAMES)が脱退、本作では(イエスパー以外の)もう一人のギタリストであるオウゲ・ヴァロヴィルタ(元SHINING)がベースをプレイしている。

メイン・コンポーザーの一人であるイエスパー・ストロムブラードは、相変わらずメンタル的に不安定なようで、前作”LETTERS TO MYSELF” (2017)発表後に行なわれた数十本のライブ活動からは早々に離脱してしまったが、脱退するわけではなく本作のアルバム制作にも全面的に関わっている。

本作も前作の路線を受け継ぎ、メランコリックでキャッチーなモダン・メタル路線がアルバム全編に渡って展開されており、前作を気に入った人であれば間違いなく本作も好きになるだろうし、初めて聴く人も惹きつけるだけの楽曲クオリティがある。

ジェイク・Eの、メタルを歌うに足るだけのパワーと声域を持ちながらも野暮ったさを感じさせないイマドキな歌声は「ポップ・メタル」を現代的にアップデートさせており、実は結構ゴリゴリしたリフやアグレッシヴなリズム、ガッツリ弾いているギター・ソロが導入されているにもかかわらず、非常に聴きやすく耳触りのいいサウンドに仕上げている。

我々が「イエスパー節」と認識しているリード・ギターのメロディから始まる#4 “I Am The One”や#8 “Kings Tonight”から、ピアノをバックに歌い上げるバラードの#7 “Lost In Time”まで、どの曲もコンパクトなのにドラマティックな印象を与える佳曲揃いで、中でも#6 “Dreams Gone Wrong”は、なぜこれでMVを作らなかったのかと思ってしまう出色のキラー・チューン。

この歌モノとしての楽曲の粒ぞろい度は、近年でいえばBEAST IN BLACKに匹敵するほどだが、BEAST IN BLACKだと「メタリックすぎる」「80年代っぽすぎる」と感じる人にとってはこのバンドの方がハマりやすいだろう。

いや、実際のところ今10代とか20代という若い人で、あまり過激でエクストリームなサウンドは求めていないけどメタルに興味がある、という人にとって最良の入り口になるのは「ポップだけどダサくない」このバンドなのではないだろうか。

大げさな言い方をすれば80年代にBON JOVIやEUROPEが「メタルの入口」として機能したような役割を彼らの音楽に期待できるというか。世の中的な人気度合いではなく、J-POP的なわかりやすい曲しか聴いたことがない人でもスッと入ってくるメロディと歌唱を備えているという意味で。めっちゃ良いです。【88点】





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コメント

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なるほろ~

確かにメタルのライト層?にも受け入れやすいですね、今風の歌声で。
日本のただでさえ数が減っている若年層のさらにメタル好きなんてレッドリストですからね、まずは聴いてもらわないことには。

ところで地元の新千歳空港からフィンランドへの直行便が定期便として出ることになったのですよ。
ああ・・メタルの聖地へ行ってみたいものですなあ。

>なな吉さん

この歌声のイマっぽさって、声質の問題なんでしょうか、それとも歌い方の問題なんでしょうか。

問題はこのサウンドが若い人の耳に届くかどうか、ということなのですが(苦笑)。

新千歳からフィンランドへの定期便…そんなにフィンランドに行く人がいるんですかね?

新しく感想をアップした『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』という映画を観ると、フィンランドは別にメタルの聖地というわけでもなく、ただの田舎だということがわかりますよ(笑)。