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TUNGSTEN “WE WILL RISE” (2019) アルバム・レビュー

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SILVER MOUNTAINやYNGWIE MALMSTEEN’S RISING FORCE、HAMMERFALLなどの活動で知られ、現在はMANOWARのライブ・サポート・メンバーにもなっているスウェーデンのベテラン・ドラマー、アンダース・ヨハンソンが息子2人と始めたバンドのデビュー作。

アンダースは元々SILVER MOUNTAINやYNGWIE MALMSTEEN’S RISING FORCEでは弟のイェンス・ヨハンソン(Key)と一緒にバンドをやっていたし、イェンスとはTHE JOHANSON BROTHERSというそのまんまなユニットでプレイしていたりもしたので、今度は息子とのバンドということで、かなり血縁重視な人ですね(笑)。

まあ、アンダース(とイェンス)の父親はスウェーデンではかなり有名なジャズ・ピアニストということで、ヨハンソン家には家庭環境含めミュージシャンのDNAがあるのでしょう。

このTUNGSTENは元々2016年に、ニック(G)とカール(B/Key)の2人の息子から彼らが作った曲を聴かされ、自分が思いつかないようなモダンなセンスのメタル・サウンドに感銘を受け、VoにCLOUDSCAPE、PLANET ALLIANCE、FULLFORCEなどのプロジェクトで北欧メロディック・メタル・ファンには知られるマイク・アンダーソンを迎えてSTROKKURというバンドを結成したのが始まりだそう。

2017年にアルバム” VANTABLACK”をデジタルのみでリリースし、その後現在のバンド名を現在のものに改名して2015年に設立されたドイツの新興レーベル『Arising Empire』(日本のLOVEBITESの欧州における所属レーベルでもある)からリリースされたのが本作。

日本人がアンダース・ヨハンソンの名前に期待するメタル・サウンドというのはいわゆる様式美系正統派という日本でしか通用しない概念のメタル・サウンドであると思われるが、本作で展開されているのはRAMMSTEINやPAINといった欧州のインダストリアル・メタルからの影響が感じられるモダンなメタル・サウンド。

しかし、このバンドのユニークネスや魅力というのはそういうサウンドの目新しさ(そもそもインダストリアル・メタル自体、今となっては大して目新しくもない)ではなく、欧州フォーク・ミュージックからの影響を強く感じるヴォーカル・メロディで、このヴォーカル・メロディのインパクトはここ数年でも最大レベル。

私自身はいわゆる「様式美系正統派」な音を好む保守的なメタル・ファンですが、このバンドはそういう嗜好を超えた魅力があり、ヘヴィなエッジがちゃんと効いているにもかかわらず、語弊を恐れずにいえば非常にキャッチーで、ある意味ポップでさえある。

モダンなヘヴィ・サウンドとトラディショナルなフォーク・メロディの融合、これは新しい「メタルの未来」のひとつかも。2019年の年間ベストにこれ入れてもよかったな。

一方で、バンドのロゴデザインやアートワークが、欧州パワー・メタル・ファンにはなじみ深いアンドレアス・マーシャルによるものであることは個人的にニヤリとさせられますが、このサウンドが気に入るであろうイマドキの若者(?)には古臭く見えるのでは? というのは杞憂でしょうか。そういう意味ではそもそもアンダース・ヨハンソンの存在自体に古臭さが出てしまうのかもしれませんが(苦笑)。【88点】







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コメント

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紹介ありがとうございました

買います

>Mark.Nさん

これ、発売時期に小忙しくて積んでしまったアルバムで、レビューの機会を逸してしまったなー、と残念に思っていたのですが、簡潔かつビビッドなリアクションをいただけて嬉しいです(笑)。

ある意味究極の親バカですね…。うちの父もこうであればよかったんですが。
CDは買いました。

>結城真之介さん

アンダース・ヨハンソンが息子たちとバンドをやることにしたのが「知名度も、業界のコネもある俺が息子たちをサポートしてやろう」という親心からなのか、「俺の息子は才能がありそうだから、ここでもうひと花咲かせられるかも」という下心(?)なのかはわかりませんが、親子の仲が良いことは確かでしょうね。