FC2ブログ

ヘヴィ・メタル50周年?

「ヘヴィ・メタルが生まれた日はいつか」

この問いに対して万人が同意する絶対的な答えは恐らく存在しないでしょう。

「この時には間違いなく始まっていた」と言えるタイミングは「NWOBHMが始まった時」と言えるわけですが、何をもってNWOBHMの始まりとするのか、という新たな問題が発生してきます。

一番確実な、遅い(新しい)タイミングを選ぶなら、NWOBHMの象徴であるIRON MAIDENのデビュー・アルバム "IRON MAIDEN"と、JUDAS PRIESTのアグレッシヴな面がフィーチュアされた代表作"BRITISH STEEL"がリリースされた1980年4月14日でしょう。この時点でまだヘヴィ・メタルが生まれていない、という人はさすがに皆無だと思うので。

個人的には、JUDAS PRIESTが音楽的に現在「ヘヴィ・メタル」とされているサウンドに近いものをかなり明確に打ち出し、レザーのコスチュームに身を包み、ステージでハーレーに乗る演出を始めた"KILLING MACHINE"がリリースされた1978年9月9日というのも有力な候補になりえるのではないかと思っています。

しかしあえて一番古い日付になる説を探るなら、BLACK SABBATHがデビューしたタイミング、でしょう。

「ヘヴィ・メタルの元祖はどのバンドか」という問いに対しては、一部の強引な、あるいはトリッキーな意見を除き、たいていJUDAS PREISTかBLACK SABBATHの名前に答えが集約されます。

ヘヴィ・メタルのイメージやサウンド・フォームを直接的に創ったのはJUDAS PRIESTだと思いますが、JUDAS PRIESTはデビュー当時においては必ずしもヘヴィ・メタル的ではなかったので、そういう意味でJUDAS PRIESTのデビュー時をもって「ヘヴィ・メタルの誕生日」とする説はあまり聞かないような気がします。

一方、BLACK SABBATHのデビュー・アルバムは、全体的にはヘヴィ・ブルーズ・ロックといった趣ながら、やはり冒頭を飾るバンド名を冠したタイトル曲"Black Sabbath"の圧倒的なインパクトによって、「これはヘヴィ・メタル(的)だ」と言われたらなんとなく納得してしまいそうな雰囲気があります。

実際、ヘヴィなギター・リフをメインにした、オカルト風の楽曲というと、「それはヘヴィ・メタルやないか」と言いたくなることはたしかです。

そういう意味でBLACK SABBATHのデビュー・アルバムがリリースされた1970年2月13日というのは、ヘヴィ・メタルの(少なくともインスピレーション的な意味での)誕生日と言ってもいいかもしれません。

いや、そしたらBLACK SABBATHが結成された日とか初ライブの日でもいいんじゃないの、という意見も出そうですが、せっかく「13日の金曜日」というそれらしい日(1970年の2月13日は金曜日)を選んでデビューしたわけですから、ここはそれを大切にしましょう。

そう考えると本日でもうヘヴィ・メタルが生まれてから半世紀。感慨深いものがありますね。

なお、ヘヴィ・メタルの誕生日かどうかはさておき、BLACK SABBATHのデビュー50周年に関しては、普段内容の薄い記事が多い(失礼)BARKSのこのコラムはトリビアが多くてなかなか面白かったです。

【コラム】祝・50周年!ブラック・サバスって、何が凄いの?

Rolling Stoneのこの記事も興味深い。

ブラック・サバス50周年、革命的なデビューアルバム制作秘話



関連記事
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

ブラックサバスといえば

BURRN!を昔から読んでいた愛読者(笑)は、広瀬編集長や藤木氏の啓蒙活動(誇張表現)により、様式美サバスを好んでいると思います(多分)。
私もHeaven and hell〜mob rules、the eternal idle〜TYRを愛聴していますが、一通り聴いた後は、やはり他の時期特にオジー期を聴かねばサバスは語れまいとの真理に至り大体聴いています。
中でも1st〜4thを好んでいますが、1stのN.I.B.が初期の最高傑作だと思います。知名度はparanoid、又はsweet Leafなんでしょうが。
あと意外と短いインストが実に私の好みでセンスを感じます。サバス信者に好評なのか分かりませんが^^;。

No title

バンド名を冠した楽曲もメタルの萌芽を感じますが、ハードロックなリフから、それまでありそうでなかった抒情的なリードフレーズとソロが飛び出してくるN.I.B.なんかもメタル的だな~と感じますし、こういう部分が後の様式美スタイルにも通じるのかなと思ってます。

私もやはりアルバムで考えるとTyr当たりの様式美時代を愛しているのですが、曲単体だと初期のものもやはりかっこいいな....と感じます(笑)

お、私もBLACK SABBATH元祖説の立場を取っており、「ヘヴィ・メタルが誕生したのは1970年2月13日」と主張(?)してきただけに、嬉しい記事でした。

語源に関してはSTEPPENWOLF説(Born to be wild説)、BLUE OYSTER CULT(の音楽性を評したサンディ・パールマン)説等いろいろありますが、大出力アンプの開発を背景にしたヘヴィかつ意外とキャッチーなリフを軸に楽曲を組み立てる音楽性と、ダークで黒魔術的な世界観は同時代のどのバンドとも違う個性で(「三大ブラック」のBLACK WIDOWとかBLACK CAT BONESとも違う)、狭義のヘヴィ・メタルだけでなく、後世のヘヴィ・ミュージック全ての元祖といえます。
メタルの誕生を決定づけたのは間違いなくBLACK SABBATHで決まり!

まあ、イアン・クライストの名著『魔獣の鋼鉄黙示録〜ヘビーメタル全史』の受け売りなんですが。

No title

こんばんは。
いつも楽しく拝読しております。

あくまでウィキペディア情報ですが、Deep PurpleのIn Rockのリリースは1970年6月とのことです。
Black Sabbathの1stのリリースは1970年2月13日とのことですので、ある意味サバスの方がパープルよりも先にメタル(ハードロック)の世界に出ているんですね。
もちろん、パープルの方がデビューは2年早いですが、メタル、ハードロック業界の観点ではサバスの方が先輩になるんですね。
驚きです。

>ゆうていさん

『BURRN!』のあの「啓蒙活動」は、そういう「オジー期を聴かねばならない」みたいな風潮を打破するために行なっていたと思うんですけどね(笑)。

"N.I.B."はヘヴィなリフ、ドラマティックな展開、泣きのギター・ソロと、初期サバスの中でも屈指の「メタルっぽい」曲ですね。

短いインストというのは"Embryo"とかでしょうか? あれは印象的ですね。

>紅さん

たしかにバンド名を楽曲にするのってHR/HMバンドならではという感じがしますね。他のジャンルに皆無なのかどうかは知りませんが(笑)。

オジー時代のアルバムにも、後の様式美路線のエッセンスみたいなものはちょいちょい感じられますよね。

そういう私も様式美時代のファンなのですが(笑)。

>メタルジェントルマン666さん

あの分厚い本、お読みになったんですか。決して読みやすくはないですよね(笑)。

ただ、実は個人的にはBLACK SABBATHがデビューしてから、いわゆる「ヘヴィ・メタル」が普及するまでの空白期間が長すぎるので、JUDAS PRIESTが元祖だと思ってます(笑)。

BLACK SABBATHがヘヴィ・メタルに対して大きなインスピレーションを与えたのは間違いないと思いますが。

>一メタルファンさん

ハード・ロックとヘヴィ・メタルはニュアンスが違うもので、DEEP PURPLEとBLACK SABBATHの違いというのはまさにその辺のニュアンスの違いだと思います。

いずれにせよ、1970年というのはLED ZEPPELINに続く存在が次々と出てきたHR/HMというジャンルにとってエポックメイキングな年であることは間違いないですね。

HRではなく、HMの萌芽となれば概ねの人はサバスで異論ないと思います。酒井周辺は取り敢えず置いておいてw

それより、1970年が50年前と言う事実が心にキますね…昭和生まれは元号三つ目と言う事実と合わせて、歳をとったなと…。

>結城真之介さん

自分が音楽を真剣に聞き始めた1990年当時、自分が50年前の音楽を聴くとは思ってませんでしたからね…。

光陰矢の如し、ですね。