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H.E.A.T "H.E.A.T II" アルバム・レビュー

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前作”INTO THE GREAT UNKNOWN”(2017)から、ベスト・アルバムとライブ・アルバムのリリースを挟んでリリースされた通算6作目のオリジナル・アルバム。

前作、前々作はHR/HMにとどまらない、より幅広いロック・サウンドに挑戦した意欲作で、それを演じ切ることができるバンドのポテンシャルもあって、メジャー感のある仕上がりではあったが、正直ファンには賛否両論だった。

その反応を踏まえたのか、本作では彼らに期待される80年代型の王道メロディアス・ハード・ロック路線に徹している。

そしてその決断は大正解で、本作は昨今稀に見るアリーナ型ハード・ロックの名盤に仕上がっている。

彼らの持つメジャー感が最大限に活かされたダイナミックなサウンドはもはや「北欧メロハー」などという狭い枠にはとても収まらない、贔屓目なしに全盛期のBON JOVIやDEF LEPPARDといったバンドに引けを取らないスケール感を放っている。

まず1曲目のタイトルが”Rock Your Body”ってのがいい。DEF LEPPARDの名盤 ”PYROMANIA(邦題「炎のターゲット」)”の1曲目は”Rock! Rock! (Till You Drop)”だし、BON JOVIの名盤 ”SLIPPERY WHEN WET(邦題「ワイルド・イン・ザ・ストリーツ」)”の1曲目は”Let It Rock”と、この手のロック名盤の1曲目はロック・アンセムと相場が決まっているのだ(?)。

それでいて北欧に多い「ヘア・メタル・リバイバル」みたいなバンドと違って懐古趣味やパロディ的なニュアンスは皆無で、「70年代だろうが80年代だろうが90年代だろうが2020年だろうが、カッコいいロックってのはこういうもんだろ」と、何の衒いも疑いもなく真っ向から叩きつけてくるかのようなすがすがしさがある。

90年代、NIRVANAの登場以降、ロックはすっかり「陰キャの音楽」になってしまっており、いかに枚数は売れようと、「クラスの地味な奴ら」が聴く音楽で、スクールカースト上位にいるパリピな連中が聴くのはR&BやHIP-HOP、EDMだった。

しかし、このアルバムで鳴っている音は、まさに「クラスの真ん中にいる人気者の音」なのである。

いや、実際にパリピがこのアルバムを聴くとは思えないが(苦笑)、とにかくこのアルバムには楽曲や演奏の質が高いだけのHR/HMアルバムとは一線を画す力強く華やかなオーラがある。

それは過去の彼らのアルバムにさえなかったもので、そういう意味では80年代以来、ほぼ30数年ぶりに世の中に出てきた奇跡のサウンドだ。

これを外部ソングライターの手を借りることもなく、プロデュースもメンバー(ギタリストのデイヴ・ダロンとキーボーディストのヨナ・ティー)の手によるもの、というのが素晴らしい。

まるでセカンド・アルバムかのようなアルバム・タイトルも、このサウンドを聴けば合点がいく。そう、彼らはネクスト・レヴェルに達し、セカンドステージに入ったのだ。

『BURRN!』誌のクロスレビューで、レビューした3人全員が90点以上をつけたのも納得である。

来月行なわれる来日公演が、現在猛威を振るうコロナウィルスの影響で中止にならないことを願うばかりである。【90点】


昨年9月にこの曲を聴いた時点で、本作が傑作であることを予感しましたね。コーラス・アレンジがちょっと往年のTREATを彷彿させます。







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コメント

非公開コメント

出ましたね

いつも楽しみにブログ拝見しております。

本作最高ですね!
本文に書かれている様に回顧主義のメロハーでは無く、今までのアルバムでバンドが取り組んできたロックなスピリットをきちんとベースに製作されているのが分かりました。
久々にライヴに行きたいと思いました。

最後になりますが、サイトやブログも初期から拝見させていただいております。
同年代かと思いますが、そろそろ体も20代30代の様に無理がしづらくなってきました笑

お体に気を付けてこれからも楽しい記事を書いて下さい。

adoreさんがメロハー系で90点代付けたのってAlienの1st以来じゃないですか?前作のこともあったので期待は程々にしていたら素晴らしい出来で嬉しいですね。ヨナがFighter Vのプロデューサーをしたのも良い方向に導いた気がします。

今年の個人的メロハーのベスト3これとRevolution Saintsで早くも2枠埋まったかもです(勿論1位はH.E.A.T)。

>xxxさん

最高ですよね。おっしゃる通り、最近のHR/HMにしては珍しく「ロック・スピリット」と呼びたくなるフィーリングを感じるのが高ポイントでした。

私も俄然ライブに行きたくなりましたね。

長いこと読んでくださってるとのこと、ありがとうございます。

確かに昔のように深夜3時とか4時とかに更新することはなくなりましたね。起きていられません(苦笑)。

>YTさん

点数のこと、よく覚えてらっしゃいますね(笑)。

とはいえ、あえてレビューしていないだけで、本文で触れたBON JOVIやDEF LEPPARDの作品とか、EUROPEのあの大ヒット作とか、FAIR WARNINGの初期3作とか、私の中では全部90点超えですよ(笑)。

あと、REVOLUTION SAINTSも良かったですね。

ただ、個人的にはギターはダグ・アルドリッチより適任な人がいるような気がしていますが(苦笑)。

No title

いつも楽しく拝見させていただいております。このバンドは以前から知っていましたがどちらかというとVoのルックスとかが先に話題となりわざと敬遠していました。今回新譜が出て来日ということで過去のベスト盤を購入、そして新譜を購入しました。確かに過去に比べると単なるメロディアスだけではなくロック!してるって感じですね。ひと皮むけた?少し上に上り詰めた感で次のアルバムが全世界のアリーナロックバンドに行けるかの勝負ですかね。あっ!ライブのチケット取らないと( ´艸`)

>しんさん

時々「しん」というHNで書き込んでくださっている方とは別の方ですね? はじめまして。

やっぱりVoがアイドル出身(という表現は適切ではないかもしれませんが)という点で敬遠している人もいるんですね。

おっしゃる通り、本作はロックしてるんですよ。こういうメロハー系の音楽でロックを感じさせるって結構ハードル高いんですが、それを見事にやり遂げている所が本作の凄さだと思います。

本来アリーナでやるべきバンドがクラブで観られるという意味で今回の来日公演は価値がありますが、問題はコロナウィルスですね、マジで…(苦笑)。