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FIREHOUSE "ROCK ON THE ROAD" DVDレビュー

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新型コロナウイルスによる外出自粛を受け、この週末は久々に自宅にあるHR/HMのDVDをいくつか観ていました。

最近はYouTubeで手軽に色々な映像を観ることができるため、わざわざDVDをトレイに乗せることも少なくなっていましたが、せっかく買ったのだから複数回観ないともったいないな、という貧乏性的な考えですね(笑)。

本作はFIREHOUSEの唯一のオフィシャル映像作品で、1991年10月にVHSとレーザー・ディスクでリリースされたものが2008年にDVDで再発されたもの。

内容は1991年5月にクラブチッタで行なわれたショウケース・ライブ(プロモーション来日の際に、『BURRN!』の読者や『POWER ROCK TODAY』のリスナーで行なわれた募集に当選した人たちが無料で招待されるという、近年HR/HM系アーティストではまず考えられない太っ腹な企画)を収録したもの。

彼らはこのライブの翌月、1991年6月にシングル"Love Of A Lifetime"が全米5位の大ヒットを記録してブレイク、そういう意味ではブレイク直前の瞬間を記録したドキュメンタリーである。

ブレイク前とはいえ、既にバンドのパフォーマンスは完全に人気バンドのそれで、歌唱、演奏、アクティブなステージ・アクションと、メジャー感にあふれたパフォーマンスを楽しむことができる。

C.J.スネアの伸びるハイトーンは冴えわたっているし、あまりギター・ヒーロー的なイメージのないビル・レヴァティのギター・プレイもアルバムで聴く以上にエッジが効いており、ドラムのマイケル・フォスターのパワフルなプレイとショウマンシップも素晴らしい。

ただ、この時代の映像作品にありがちなのだが、数曲ごとにメンバーへのインタビューやオフショット映像などがインサートされており、MV集などであればともかく、ライブでは流れが断ち切られてしまってショウに没入できないのが残念。

とはいえ初期のライブをこの画質(4K時代の今見ると貧弱な画質だし、画角も4:3だが)で楽しめるという意味では貴重だし、音質は悪くない。

歌っている歌詞全てに日本語訳が付いているのは時代を感じさせるが、新人バンドのショウケース・ギグとは思えないほどオーディエンスは盛り上がっており、当時この場にいた人たちはきっと「間違いなくこのバンドは成功する」という確信を得たであろう勢いのあるライブがパッケージされている。

そして余談になるが、先述した通り、本作にはインタビュー映像が随所に挿入されており、自分たちの音楽に対して以下のような発言が記録されている。

「俺たちの音楽は聴けばすぐわかると思う。ギターもボーカルもすごく特徴があるからね」

「俺たちは見かけのイメージじゃなく、音楽で勝負してる」

「ジャンルの幅も広い。バラードからハードな曲までこなす」

「言葉で説明するより、聴いてもらった方が早い」

「ライヴを見れば、俺たちの音楽の本質がわかると思う」

「俺たちがやってるのはいわゆるロックンロールだ」

「小細工はいらないんだ。ビジュアルやイメージなんて関係ない。4人の男が集まってロックンロールをやってるだけさ」

「俺たちの音楽はスラッシュでもポップスでもメタルでもない。ジャンルの枠を超えてるが、あえて言うなら『ひたむきな音楽』ってところさ」

「色々な要素が混ざってる。それが唯一無二のファイヤーハウスさ」

こういった発言は、近年はともかく、80年代、HR/HMがメインストリームだった時代の残り香が残っていた90年代半ばくらいまではよく目にする紋切り型のインタビュー文言で、「唯一無二のファイヤーハウスさ」の箇所を他のバンドに入れ替えても成立してしまう所が滑稽ではある。

そもそもFIREHOUSEは間違いなく良い曲を良い演奏でプレイする良いバンドながら、個性的とは言い難いし、音楽性の幅は決して広くない(それは焦点が絞れているということで、必ずしも悪いことではない)と思うんですが、その辺やはり当事者は客観的になれないということなのか、「そういう風に思ってもらいたい」というだけのいわば心意気なのか。

ただ、私がこういう受け答えを陳腐で滑稽だと感じるのは、私もなんだかんだで80年代はリアルタイムで体験していない、むしろ世代的にはグランジ/オルタナティブ世代で、HR/HMに対して(愛しつつも)斜に構えた見方をしているからというだけで、ガチ80'S世代の人にとっては納得感のある発言なのでしょうか。



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コメント

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No title

懐かしいパッケージの画像を見て、「なんで今これ!?」と驚きましたが、そういうことでしたか。この作品は買ってませんが、当時テレビ(Sony Music TVだったか・・・)で放送されたのを録画して何回も観ました。そちらのほうでは、"Overnight Sensation" ~ "All She Wrote"で始まって、その次が "Lover's Lane"でした。実際のセットリストもその順だったと思います。1・2曲目の繋がり方がカッコ良すぎて、他の曲もいい曲なのに、あまり覚えていません。今は動画サイトでいくらでもライヴ映像を観られますが、当時は貴重な番組でした。

まだ現役で演ってるようですね。是非来日して欲しいですが単独だと厳しそうですから、以前あったナイトレンジャーとのカップリングで来て欲しいです。

No title

winger/Y&Tのカップリングで見た!
カッコ良かった!CJのVoにノックアウト!
トリがY&Tでなければ2014年bestアクトだった!

CJはルビコンクロスっていうアルバム出してましたね。仲互い(らしい)して以降2003年以降新作を出していないけど、新作出しても稼げないし・・・って感じかなあ

ミュージシャンって夢のある仕事だけど夢がない現実なんかなあ。
彼らのバラード/R&R/HRな曲って普遍的な良さがあって今聞いても色あせないけどねホント。

私もオルタナムーブメントの世代です。V系からメタルにシフトする日陰のバンドを渡り歩いたのですが、唯一無二の、とか、最高のロックとか言われると、気持ちは分かりつつも、うっと来るものがあります。
一瞬パンクバンドに入ったこともありますが、そのバンドには衣装の概念がなくて衝撃でした。肩の力が抜けていると言えばそうなのかも知れませんが、メリハリねーなー…と。

昨日、ジーンシモンズのドキュメンタリーが流れていまして、その中で「Tシャツとスニーカーでやれればこんな楽なことはないけど、俺たちはKISSだから」と言いながら20キロあると言う衣装を着ているシーンがありました。最早終わった概念なのかも知れませんが、ロックスターにはいつまでも(少なくともステージの上では)輝いていて欲しいものです。ラストのメイクを落としながら深く息を吐くシーンも実に印象的でしたよ。

>JAVANさん

このブログは単なる個人の趣味ブログなので、個人的なきっかけさえあれば「なんで今これ?」というエントリーがいつでも出現します(笑)。

『Sony Music TV』の件はライナーでも触れられていました。実際のセットリストが"Overnight Sensation" ~ "All She Wrote"だったなら、なんで変更したんでしょうね。どう考えても "Lover's Lane"よりインパクトがあると思うのですが。

>しんさん

この前に来た時もY&TやWINGERとのカップリングでしたから、やはり単独は厳しいのでしょうね。

良いバンドとのカップリングでまた来てほしいものです。

>名無しのメタラーさん

私もそのカップリング公演は観ました。たしかにあの日のY&Tは凄まじかったですね。

RUBICON CROSSってありましたね。今となってはこの辺のミュージシャンは新作を作っても売れないので、自己満足でもいいというほどの創作意欲がなければ「作り損」になってしまうのでしょう。

そういう意味では、「ロックンロール・ドリーム」は死んでしまったのかもしれません。残念ながら。

>結城真之介さん

パンク・バンドの衣装の概念の無さというのは、ストリート系ファッションのセンスがあってナチュラルに私服がオシャレであることを前提にそうなっているので、そこはなぜか私服がダサい人が多いメタル系/V系とは違うのでしょう。

KISSはまあ、ロックスターというか、ああいうキャラクターとして生きていくことを選んだ人たちですからちょっと特例ですね。

本当は80年代メイクを落としていた時代にバカ売れしてそのまま行きたかったのかもしれませんが(笑)。

てか、素材とか工夫してもう少し軽量に作れなかったんですかね、あの衣装。