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メタル版"We Are The World"

メタル版の"We Are The World"と聞けば、80年代リアルタイム組の方なら「ああ、ロニー・ジェイムズ・ディオが主宰した"Stars"のことね、と思われることでしょうが、今回取り上げるのはさにあらず、あの"We Are The World"「そのもの」のカバーです。

逆に80年代を通過していない人にとってはそもそも"We Are The World"とは何じゃい、という感じかもしれないので補足しておくと、それは1985年に当時問題になっていたアフリカの飢餓と貧困に対する寄付を行なうために多数のアーティストが集まって"USA For Africa"名義で発表されたチャリティ・キャンペーン・ソングです。

作曲を手掛けたのマイケル・ジャクソン(と、ライオネル・リッチー)ということで、マイケル・ジャクソンの大ヒット・アルバムを手掛けたクインシー・ジョーンズがプロデュースを担当し、ボブ・ディラン、スティーヴィー・ワンダー、ポール・サイモン、レイ・チャールズ、ブルース・スプリングスティーン、ダイアナ・ロス、シンディ・ローパーなど、45組に及ぶ錚々たるメンバーが終結した一大プロジェクトで、4週連続全米No.1を記録、750万枚を売り上げた大ヒット曲です。

チャリティという趣旨的にも、スケールが大きすぎて気軽に取り上げられないという意味でも、その有名さに対してあまりカバーされない曲でしたが(カバーされた例がないわけではない)、なんとメタル界隈でこれをカバーする猛者が現れたわけです。

そう聞くと、すわ、ついにロブ・ハルフォードやオジー・オズボーンあたりがメタル界の有名ミュージシャンを集めて、とか、企画プロジェクトに強い『Frontiers Music』あたりが、と思ってしまいますが、さにあらず。このプロジェクトを主宰したのはマリウス・ダニエルセンというノルウェー人ミュージシャン。

…誰?。

寡聞にして存じ上げなかったのですが、DARKEST SINSというバンドや、Marius Danielsen's LEGEND OF VALLEY DOOMというプロジェクトなどで活動している人だそうで、それらのプロジェクト名の文字面はなんとなく見覚えがあります…という程度の認知度。

そのMarius Danielsen's LEGEND OF VALLEY DOOMというのが、いわゆるAVANTASIA的なメタル・オペラ・プロジェクトのようで、作品にはマイケル・キスク(HELLOWEEN)、ティム・オーウェンズ(元JUDAS PRIEST, ICED EARTH)、ブレイズ・ベイリー(元WOLFSBANE, IRON MAIDEN)、マーク・ボールズ(元YNGWIE MALMSTEEN, RING OF FIRE)といった割とメジャーな人たちから、ミケーレ・ルッピ(元VISION DIVINE, 現SECRET SPHERE)やダニエル・ハイメン(元LOST HORIZON)、マティアス・ブラード(FALCONER)など、なかなか魅惑の顔触れが参加しており、己の無知を恥じました。

そういうメタル・オペラ・プロジェクトを制作した経験を生かして、総勢50人(!)ゲストを集めて制作したのがこのMV。



参加メンバーの名前を列挙するだけで長くなるので、このブログに登場したことがあるような人たちだけで言っても、ジェイク・E(元AMARANTHE, 現CYHRA)、リック・アルツィ(元AT VANCE, MASTERPLAN)、スティーヴ・グリメット(GRIM REAPER, 元LIONSHEART)、エリサ・C・マルティン(元DARK MOOR)、ニクラス・イスフェルト(DREAM EVIL)、トビー・ヒッチコック(PRIDE OF LIONS)、マルコ・パストリーノ(TEMPERANCE, 元SECRET SPHERE)、ガス・モンサント(HUMAN FORTRESS, 元REVOLUTION RENAISSENCE)、ハービー・ランガンス(元SEVENTH AVENUE, SINBREED, 現FIREWIND)、クリスチャン・エリクソン(元TWILIGHT FORCE, 現NORTHTALE)など、人によっては(笑)豪華と感じる顔触れが集まっています。

オリジナルの"We Are The World"は、参加者が全員ハリウッドのA&Mスタジオに集まってレコーディングされるという、ある意味そのやり方自体が一番豪華なんじゃないかって方法で録音されていますが、こちらは多国籍、かつこの新型コロナのご時世ということもあり、最近やたらと流行っているバラバラに撮った動画を編集するバーチャル・セッション的な映像になっています。

ちゃんと歌える人たちばかりを集めているので、参加者の知名度は微妙ながら、オリジナルのスケール感を損なわない、聴きごたえのある内容になっています。

アレンジには全くヒネリがないので、ほぼカラオケ状態ですが、これだけ大人数が参加するカラオケもそうはないと思いますので、それでも充分に価値のある試みでしょう。

オリジナルはチャリティ・ソングでしたが、このカバーの収益は新型コロナ対策のために寄付される…とかそういうことではないようです(笑)。

しかしこの謎のキャスティング能力、ノルウェーのメジャーとは言い難いミュージシャンが何故…?

かつてTRIBUZYというバンドのアルバムを聴いた時にも同様の疑問を感じましたが、実家が太いのか、あるいは他に音楽とは関係ないビジネスをやって儲けているのか謎ですね。

それとも今日び、コミュニケーション能力が高くて、コンタクトを取る手間を惜しまないマメさ、そして相手を動かすパッションがあれば、意外とギャラとは関係なくゲストを集めることができたりするものなのでしょうか…?

▼オリジナルの"We Are The World"の映像


▼マリウス氏がやっているプロジェクトのトレーラー映像


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コメント

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カバー自体は思ったとおり普通ですね...まあこの状況で奇を衒ったアレンジをするより、みんなが知ってるアレンジで普通に歌ってもらった方がいい、って判断なんでしょうけど。

それはさておき、この人はダニエル・ハイメンとミケーレ・ルッピを同じ曲で共演させるという偉業を成し遂げた人なので、要チェックです(笑

歌 うまし!!

懐かしくもあり、楽しめました。

一押しはRick Altziですね。
Gathering of kingsのVoの人ですよね。

詳しくは分からないけど、最近のヘビーローテです。
エヘヘ。

それにしても、太ってる人多い。
ロックミュージシャンがスリムだったのは、はるか昔の話ですね。

No title

リック・アルツィ(元AT VANCE, MASTERPLAN)、と記載ありました。

なるほどー、両方とも好きなバンドでした。
ペコリ。

>さそりさん

ギター・ソロくらい入れてもよかったんじゃないかという気もしますけどね(笑)。

しかしダニエル・ハイメンとミケーレ・ルッピ、同じ曲で歌ってるんですか…贅沢な共演ですね。

いや、この組み合わせを贅沢と感じるのは2000年代初頭のパワー・メタル・ブームにハマっていた人だけかもしれませんが(笑)。

>TAKAさん

GATHERING OF KINGSとはまたマニアックな所を突いてきますね。

まあ、AT VANCEにせよMASTERPLANにせよ、リックが歌ったアルバムはあまりメジャーな作品ではないですが…。

でも、パワフルで実力のあるヴォーカリストであることは間違いないですね。

体型については、ロック・ミュージシャンといえど人間ですから、やはり年齢に伴って維持できない人もでてくるのはやむを得ないのではないでしょうか…。

あれ…?
なんか普通に楽しめてしまいました。
スティーヴ・グリメットの声がすっかり細くなってしまったのは寂しいですね(直前がリック・アルツィというのも不幸)。
元DARK MOORのエリサの、とっても元気そうな姿を見ることが出来たのが個人的なハイライトでした。


〉このカバーの収益は新型コロナ対策のために寄付される…とかそういうことではないようです

ズコー!

>メタル・ジェントルマンさん

そもそもこの動画で収益なんてほとんど生まれないのではないでしょうか(苦笑)。

スティーヴ・グリメット、衰えましたね。
年齢や健康状態など考えれば無理からぬことではありますが…。