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CONCEPTION "STATE OF DECEPTION" アルバム・レビュー

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今となっては元KAMELOTのロイ・カーン(Vo)が在籍していたバンド、というのが一番通りがいいであろうノルウェーのプログレッシヴ・メタル・バンド・CONCEPTIONの1997年の"FLOW"以来、約23年ぶりとなる復活アルバム。

CONCEPTION自体は1998年に一度解散し、2005年にアメリカのフェス、"PROGPOWER USA"に出演するために一時的に再結成したことを除くと、長いこと沈黙を続けていた。

ロイ・カーンがKAMELOT脱退後、音楽業界から遠ざかっていたので、彼のシーン復帰という意味でもめでたい話ではある(といっても本作に先立って昨年11月にEP "MY DARKEST SYMPHONY"が発表されていたが)。

ただ、90年代、日本で結構人気があった頃でさえ決してわかりやすくはないサウンドだったが、本作もまた私のようなキャッチーでメロディックなメタルを好むファンにはかなり難解な印象を与えるサウンドだ。

アルバムのイントロダクション的な#1から流れる実質的オープニング曲#2 "Of Raven And Pigs"の時点で、もしこれが見知らぬ新人バンドのアルバムだったとしたらきっとここで聴くのをやめていたに違いない…という極めて取っつきにくい曲で、KAMELOT的なサウンドを求めるロイ・カーンのファンを振り落としに来ているのでは…と穿った見方をしてしまったほど。

アルバム全体を通して聴くと、プログレッシヴ・メタルとして明確な個性と世界観を持ったサウンドで、音楽性・芸術性の高さがそのまま評価につながるようなタイプのレビュアーに評されれば高く評価されるのでは、という気はする。

ただ、冒頭申し上げた通り、私のようにストレートでわかりやすいメタルを好むタイプ人間にとって、本作を聴き通すことはある種の忍耐を要するもので、正直40分に満たないコンパクトな作品でよかった、というのが本音(苦笑)。

所々に顔を出す叙情的なメロディと、それを歌うロイ・カーンの妖艶な歌唱は非常に魅力的だし、比較的そういうニュアンスが強い曲などはKAMELOTのファンなどにもアピールするのではないかという気がするが、よほどのロイ・カーン・ファンでない限りなかなか広く一般におススメできるとは申し上げかねるサウンドである。

このバンドの3作目"IN YOUR MULTITUDE"(1995)を楽しめる(あれはあれで完成度の高い作品だったと思う)感性の持ち主であれば、よりスケール感を増した本作も楽しめるのではないかと思う。

しかし今となってはこのバンドがGAMMA RAYの前座として来日したというのは、組み合わせとしてミスマッチもいい所なのではないかという気がしてしまうが、当時(90年代前半)は欧州出身のバンドで、アルバム中に2曲くらい速い曲があれば、それだけで「HELLOWEENタイプのバンド」と見なされたんですよね。

今思うと日本におけるメロディック・パワー・メタルの需要に対してそれに応えられるバンドの層が薄かったんだな、という気がしますが、ファースト、セカンドは今聞いても(ノスタルジー込みかもしれませんが)楽しめますし、特に2nd "PARALLEL MINDS "のタイトル曲は掛け値なしの名曲として私のメタル・ヒストリーに燦然と輝いています。

個人的にちょっとこれをフェアな採点ができるほどに聴き込むのはしんどいので点数はつけません。とはいえロイ・カーンもトゥーレ・オストビー(G)もこのままシーンから消えてしまうのは惜しすぎる才能だと思っており、こうして復活してくれたことは嬉しかったので、このレビューとも何とも言い難い文章を綴ってみました。


AMARANTHEのエリゼ・リードをフィーチュアしたこのバラードは比較的KAMELOTのファンにも響くかもしれません。

日本盤の限定版はEP "MY DARKEST SYMPHONY"との2枚組仕様になっているので、そのタイトル曲のMVも貼っておきます。


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コメント

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No title

こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいております。私もストレートなメタルが好きなので、この情報があった際にMY DARKEST SYMPHONYを聴いてみましたが管理員さんと同様に今いちピンときませんでした。プログレは好きなのですがどちらかと言えばCIRCUS MAXIMUSのようなメロディアスなプログレが好きなのでKAMELOTのロイ・カーンを期待していたので(-_-;)
でもこうやってミュージックシーンに戻ってきたのは嬉しいですね。

>しんさん

CIRCUS MAXIMUSやKAMELOTを期待した人が今回の再結成CONCEPTIONを聴くとなかなかピンと来ませんよね。

ただ、元々CONCEPTIONのファンだった自分が、カーンがKAMELOTに加入すると聞いた時、「あんな普通のHMバンドにロイ・カーンはもったいない」と感じたことを思い返すと、カーンの独特の歌声はむしろこのバンドでこそその孤高性が生きるのではないかという気もします。

(もっとも、KAMELOTもどんどんカーンの個性を活かす方向に音楽性をシフトしていきましたが)

こんばんわ。
正直に申し上げて、解散前も好きな曲がある程度のバンドで、買ったのも懐かしさプラス、同年代頑張れのお布施感覚だったのですが、思いの外、はまってしまいました。
トゥーレが率いたArkを聴くと、プログレッシブともいえる取っ付きにくいメロディや音像はトゥーレ由来で、それをロイのシルキーな声でコーティングすると、Conceptionとなり、ふたりは、1+1を2以上にする関係があったと思います。
ただし、今作、特徴だった繋ぎの悪いメロディラインが、平坦なものになっているのに加え、なめらかな歌唱がそれに輪を掛ける結果となり、巷の暗く重たいという評判になっているのではと思います。
ただし、Doomやゴシックを好む私からすると、今作の湿度を感じるダークさや、所々に出てくる叙情的なメロディは非常に心地よく、リピート回数は今年イチになっています。
ミニアルバムも含め、ジャケットの世界観に反応する方におすすめしたいですね。

No title

3作目があまり楽しめなかった(4thは意外と好きですが)身としては、今作もやはり厳しい感じです(;^ω^)
むしろ名作2NDをリマスター盤で出してくれたらイイのに(笑)

>大介山さん

本作は(というかCONCEPTIONの音楽は)人を選ぶ音楽だと思いますが、それだけにハマる人はハマる音楽だと思います。

少なくとも、パワー・メタルのファンよりはゴシックやドゥーム系のファンの方が親和性が高そうですね。

おっしゃる通り、トゥーレ・オストビーの作る音楽とロイ・カーンの歌声は、単なる1+1=2を超えるケミストリーを生むコンビネーションだと思います。

>珍獣メガネコアラさん

3作目の方が「ああ、このバンドがやりたかったのはこういう音楽なんだな」という感じはしましたが、おっしゃる通り、なぜか4作目の方が私も聴きやすいと思いました(笑)。

せっかく復活したわけですから、過去のカタログのリマスター再発はやってもらいたいですね。