『METAL HAMMER JAPAN』 Vol.3 の感想

今年の3月に創刊された『METAL HAMMER JAPAN』の第3号を読みました。前2号は読んでません。
『METAL HAMMER』といえば言わずと知れた(?)、1983年にイギリスで創刊されたメタル専門誌で、全盛期には10ヶ国語以上で発行され、月間100万部以上の発行部数があったという名門雑誌です。
かつてその10ヶ国語以上で刊行されていたという時期には、基本的には同じ内容を多言語展開していたということのようですが、この日本版『METAL HAMMER』については、内容は完全に日本市場向けにローカライズされたものになっています(とはいえ一部のインタビューは本家英語版の翻訳と思われる)。
今年の3月というと、この新型コロナウイルス騒ぎがなければ、KNOTFEST JAPAN 2020とDOWNLOAD JAPAN 2020が行なわれていたはずで、メタルが盛り上がっているであろうタイミングと当て込んで創刊したはずなのにすっかり当てが外れた気の毒な雑誌ではあります。
そして第2号も、DREAM THEATERの来日公演のタイミングに合わせて彼らを表紙にプログレ特集を謳ってみると来日公演中止ということですっかり空振り。
この第3号の特集テーマを「メタルこそLIVEだ!」という「ライブ推し」にしたのは、前2号がライブの中止に祟られたことに対する一種の当てつけなのではないかという気がしてしまいます(笑)。
個人的にはその特集テーマに惹かれたというか、これまで本家『METAL HAMMER』がレポートしてきたであろう数々の「本場」の公演のアーカイブ的な、これまでのメタル史における名ライブを特集しているものだったら面白そうだな…と思ってポチったのですが、Amazonから届いた内容はそういうものではありませんでした(苦笑)。
基本的には来日公演とライブ・アルバム紹介を中心とした特集で、まあ現実的にはそうでないと誌面作れないよなという感じ。
掲載されているインタビューの数やレビューされているアルバムの数は『BURRN!』よりもだいぶ少なく、それでいて価格はほぼ倍なので、コストパフォーマンスがいいとは言い難い。少なくとも私が学生だったらきっと買わなかったでしょう。
とはいえ安かったら学生相手に売れるのかというとそういうご時世でもなく、メタル専門誌を買ってくれそうな高齢のマニアだけを相手にするとなるとこの価格でないと利益が出ない、ということなのでしょう。
「リマスターとは何か」についての機材や技術にフォーカスした特集や、ギターについての楽器紹介的な記事は「聴き専」向けの雑誌である『BURRN!』誌には載らないようなタイプの記事で、個人的には興味深くも、間口が広いとは言い難い。
特集主義であるところと、そういう楽器雑誌的な側面がある点が『BURRN!』との差別化ポイントなのだと思われるが、特集主義という意味では『ヘドバン!』の方がエッジが効いているし、楽器雑誌は他に専門誌があるので、この内容で「独自の立ち位置」を作るのは難しいのではないかと思ってしまいました。
ここ3号の表紙がOZZY OSBOUENE、DREAM THEATER、IRON MAIDENという時点で完全に『BURRN!』ですし(苦笑)。
本家『METAL HAMMER』はLAMB OF GODとかAVENGED SEVENFOLDとかNIGHTWISHとかBABYMETALとかもう少し新しめのアーティストも表紙を飾っているのですが、日本でそれをやるのはあまりにハイリスク、ということなのでしょう。
とりあえず月内の国内盤リリースをひと通りまとめてくれているという理由で購読し続けている『BURRN!』の代わりになるようなものではないですが、特集の内容次第ではチェックする、みたいな感じでしょうか。
※METAL HAMMER JAPAN公式サイト
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コメント
vol1を凄く楽しみで買いましたが値段の割に中身薄の感じ(写真多し)でガッカリした記憶が。
vol2以降、余りTwitterで宣伝してないので発売してないと思ってました。チェックしてみます。
ちなみにvol1は将来中古で値上りを期待して保存してます。笑笑
2020-10-12 22:35 としっち URL 編集
>としっちさん
中古で値上がりすることをお祈りしております(笑)。
2020-10-12 23:26 adore URL 編集