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BURRN! ONLINEがリニューアル

一昨年にローンチしたものの、今一つ『BURRN!』とは無関係な感じだった『BURRN! ONLINE』が、去る6月9日にリニューアルしました。「ロックの日」に合わせたのでしょうか。

これまでの『BURRN! ONLINE』は運営会社も『BURRN!』誌の発行元であるシンコーミュージックではなく、『BURRN!』編集部の方の関与も少なそうで、妙にニッチな情報ばかりを扱うサイトでした。

しかし、このリニューアルで運営会社がシンコーミュージックとなり、元『BURRN!』編集部の藤木昌生氏が編集責任者を務めるということで、だいぶ『BURRN!』色が感じられるようになりました。

藤木氏、先日しれっと編集部を去っていたので(まあこの人はかつても一度編集部を離れたことがありますが)、ついに偏屈な人柄が災いして寂しい部署に異動か…と思っていましたが、ONLINEを任されることになったわけですね。

▼しかししょっぱなから自分の媒体名を誤植してますが、大丈夫ですかね…(苦笑)。
burrnonline_start_210609.png

従来の『BURRN! ONLINE』は、とにかく内容的に『BURRN!』本誌と重複しないことを意識していたと思います。「ONLINEがあるから雑誌は読まなくていいや」という人が一人も出てはいけない、と(雑誌の編集部側が)考えていたのだと思います。老人ばかりの編集部が考えそうなことですね。

しかしそんな、本誌が扱っている日本におけるメインストリームなHR/HM情報を丸々避けた形で集客力のある媒体が作れるはずもなく、『BURRN! ONLINE』はただの一部国産アーティストと辺境メタルの情報ばかりが載るニッチ媒体と化していました。

私はずっと雑誌を購読してきた世代なのであまりリアルに想像できませんが、もし今の若い人が「『BURRN!』って面白いのかな? とはいえ紙の雑誌なんて買いたくないし立ち読みしようにも近所に本屋もないし、ネットでチェックしてみるか」という風に興味を持ってくれたとしても、『BURRN! ONLINE』だけ見て「ああ、『BURRN!』って超マニアックなんだな、俺には関係ないや」と、機会損失につながっていたかもしれません。

そういう意味で、多少なりとも本誌と連動感のある形にリニューアルされたことは良いことなのではないかと思いますが、とはいえこの新生『BURRN! ONLINE』には致命的な弱さがあります。

それは、『BURRN!』誌の唯一と言ってもいいキラー・コンテンツである新譜レビューがないことです。これがない限り、『BURRN! ONLINE』が大きく化けることはないでしょう。

とはいえ、それこそ『BURRN!』誌の編集部にとっては「それをWebに載せちゃったら、雑誌買ってくれる人がいなくなるでしょ」という意識なのだと思います。「レビューは載せない」ことが『BURRN! ONLINE』リニューアルにおける編集部の「譲れない線」だったのではないでしょうか。

実際、レビューがWebで読めるなら、もう雑誌は買わない、読まない、という人が一定数出てくることは想像に難くありませんが…。

以前、『BURRN! ONLINE』がオープンした時にもこのブログに書きましたが、『BURRN!』誌の価値というのはほぼ全てのHR/HM国内盤がレビューされ、国内で行なわれる来日公演のほぼ全てがレポートされ、国内盤がリリースされるアーティストの大半のインタビューを取ることができるという「網羅性」にあるので、それが満たされないのであれば『BURRN! ONLINE』が『BURRN!』を求める読者を満足させることはできないと思われます。

個人的には、レビューまではいらないから、国内盤がリリースされるアルバムのリリース情報だけでも掲載してくれれば、そこだけでもチェックするようになると思うんですけどね。

意外とHR/HM国内盤の新譜情報を網羅的に見やすくまとめているサイトって他にないので。

CDショップのサイトとかだと、再発とか輸入盤と渾然一体になって、国内盤が出る新譜がどれなのかわかりづらいですし。

あとこれも以前書きましたが、有料コンテンツになってもいいので、『BURRN!』創刊号以来の全レビューと全ライブレポート、全インタビュー記事をWEBアーカイブ化してくれると、このサイトの価値は一気高まると思います。会員登録も相当されるんじゃないでしょうか。

ちなみに個人的には以前の『BURRN! ONLINE』に掲載されていた東南アジアやインドの辺境メタル情報は結構面白いと思っていたので、そのアーカイブが削除されてしまったのがちょっと残念です(笑)。

BURRN! ONLINE

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コメント

非公開コメント

レビュー、ウェブでもやればオフィシャルのMVやAmazon、サブスクへのリンクなども貼れますし、なかなか面白いコンテンツになりそうなのでやってほしいですね...

ブンルルン!って...

>紅さん

そうですね…。

読者目線でもスポンサー目線でも、より多くの人の目に触れる可能性が高い媒体でレビューが行なわれることが望ましいはずですが、B!誌としては「雑誌が存続すること、なるべく部数を維持すること」が第一目的なのだろうと思うので、なかなか難しそうです。

とはいえ時代の流れなので、どこかのタイミングで実現するのではないかと思いますが、それがいつになるかは…?

>Lokiさん

実は確信犯で、「これはBURRN!にあらず」というメッセージが込められているのかもしれません(笑)。

雑誌とWebでレビュー担当者を変えてやってみたらどうですかね

No title

ギター・マガジンみたいに電子書籍化もしてほしいですね。立ち読みじゃなくてついついポチっちゃうかもw

>名無しのメタラーさん

ひとつのやり方ではあると思いますが、よほどこだわりの強い人でなければ、Web版だけで満足してしまうのではないでしょうか。

>Neolさん

たしかに。電子書籍化をしないのは怠慢以外の何物でもないですね。

いや、電子書籍化するコストを知らないので何とも言えませんが、私は電子書籍化されたらそちらを買いますね。

なぜBURRN!がメタル衰退の責任を問われているのかの話でもありますが

音楽は語るのが難しいからか漫画やスポーツみたいにネットでファンが自主的に文化で共有される価値観を作っていけない所があるんですよね(サブジャンルやアングラも共通見解があってこそ成立すると思うので)

リテラシーの高いファン(それこそこのサイトさんみたいな)やビギナーがお互い知識を伝染しあって勝手に文化がビルドアップされていくというネットの性質が音楽には不思議と作用しづらい

なのでそこはメディア(知識人)に上からの統制でやって貰わなければいけなくなり、BURRN!にはメタル文化をある意味「経営」「治世」する使命があった筈ですが、メディアの見識がほぼそのまま文化の見識になる事、本来であればメタル百年の計における中興の祖となる筈だった90年代~2000年代の20年に空白を作った事が後のメタルの国力に直結する事に「BURRN!幕府」がどれほどの自覚を持っていたかは不明です

おそらくはその自覚を持って仕事していたロッキング・オンも結局は90年代で時間が止まってしまいましたが、メタルは2000年代までは新陳代謝が活発だったのでそこで手札を分厚く出来ていればロッキング・オンに勝ててたのになあ

そのロッキング・オンも出版不況時代に「フェスにおけるバンドの動員力」を価値観の指標にし、文化の管理権限をリスナーに一部委ねる事によって勢力維持を図っている風でしたが、近年(特にコロナ禍)それも厳しくなってサブスクのランキングやYoutubeやTikTokの再生数に価値観の決定権を取られちゃった感じがしますね

小出版社に務める編集者から過去の出版物の電子化は人手とコストが掛かり、版権処理も大変だと大変だと聞きました。バックナンバーの電子化は難しいと思います。

>222さん

音楽というのは本来物語やスポーツに比べてよりパーソナルで共感性が低い文化なのかもしれません。

個人的にはそういうものに対して「統制」や「治世」を持ち込むことが健全なことなのか?という思いはあり、正直な所ロッキング・オン的な姿勢は個人的には「キモチワルイ」と思っていました。

『BURRN!』はロジックや思想ではなく点数というデジタルなものに依存していたせいで思考停止に陥り、しかもそれで90年代までなんとなく上手く行ってしまったせいで2000年代以降機能不全に陥ってしまったのでしょう。

『BURRN!』というのはこのサイト/ブログなどと同じ「自分の趣味嗜好に共感してくれる人だけ読んでくれればいい」というスタンスで、文化の振興や普及に対して良くも悪しくも打算的ではなかったのだと思います。

価値観の決定権をリスナーが持つというのはそれ自体は悪いことではないと思いますが、メタルのような誰かが積極的に広めないとそもそも知られる機会が得られないマイナー・ジャンルは厳しいですね。

>さまよえるメタラーさん

やはりそうなんですね。音楽雑誌は基本他者(アーティスト)の肖像や著作物に依存する媒体なので、権利処理は大変なのだろうと想像していましたが。

バックナンバーは難しくとも、新しく発行される号くらいは電子書籍版を出してほしいと思うのですが。主に収納事情的に(笑)。

藤木信者参上(笑)

> 藤木氏、先日しれっと編集部を去っていたので(まあこの人はかつても一度編集部を離れたことがありますが)、ついに偏屈な人柄が災いして寂しい部署に異動か…と思っていましたが、ONLINEを任されることになったわけですね

藤木氏のメロディを愛する拘りと、編集後記で暴れる偏屈さと、最近嬢メタル(笑)にハマっているのは有名ですね。でも信者としては復帰していただけたのは嬉しい限りです。藤木さんが編集部を去られたせいで、BURRN!本体を購入しても楽しめない己の信者振りに思わず笑ってしまいます。元々BURRN!本体より、酒井氏が編集長を務めるBURRN!別冊炎の方が好きだった位なので、編集長は偏屈な奴の方が面白いと思っています。
でもぶっちゃけ登録するメリットをまるで感じていないので未登録なんですよねぇ^^;
とりあえず今までの全てのアルバムレビューと、人気投票の結果をアーカイブにしてくれると嬉しいなぁ。

>ゆうていさん

藤木氏のメロディ重視の姿勢は共感できるのですが、そもそもメロディの好みというか、どんなメロディを良いメロディと感じるかが若干私と違うみたいなんですよね(苦笑)。

結局期待されるのは過去についてのコンテンツというのが『BURRN!』の、というか日本におけるメタルの限界なんでしょうね。