TIMO TOLKKI / SAANA-Warrior Of Light PT1

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BURRN!誌上のレビューで「星1つ」という前代未聞の点数(?)を獲得した、ティモ・トルキ(元STRATOVARIUS~REVOLUTION RENAISSANCE)のソロ・プロジェクト。

「ロック・オペラ」という触れ込みであったが、本作にロックの要素は極小で、パッと聴きの印象はいわゆる「癒し系」と呼ばれるヒーリング系ポップ・ミュージック。

自殺しようとした薄幸な少女サーナの前にダミアンなる男が現れて旅へと連れ出し、フレイヤという女性が「存在」の意味を説く、というのがストーリーの大枠だが、ストーリーがどうこうというよりは、その根底に流れるティモ・トルキの哲学を語るということが本作の目的のよう。

本作を通じて語られる7つの教訓というのは(ティモ・トルキ曰く)武士道が基本になっていて、それは以下のようなものだという。

1.誠実さと正義
2.礼儀正しい友情
3.勇気
4.名誉
5.思いやり
6.徹底した誠意
7.責任と献身

これらを実践できるのが「光の戦士(Warrior Of Light)」なのだそうで。

本作においてはこれらを伝える歌詞がとても重要で、歌詞を追わずに音楽を聴いても「音も字幕もない映画を観るようなもので、理解できない」のだそうで、実際歌詞にあまり重きを置かない私のようなリスナーには今ひとつ魅力の薄いものでした。

とにかく淡白。メロディも、アレンジも非常に薄味で、全く印象に残らない。
一種サウンドトラックのような印象で、まるで音楽が主役ではないかのよう。

実際本作は後日DVD形式でリリースされるそうで、正直映像が伴わないとかなり退屈である。

いや、映像が伴ったからといって退屈でなくなるという保証は全くないが…。

先日リリースされたREVOLUTION RENAISSANCEのアルバムも、メロディ、アレンジともにかなり淡白な代物だったので、この辺はティモ・トルキの作曲に対するアプローチの変化の傾向を示すものかもしれない。

正直「メタルでもロックでもないので星1つ」、という採点がフェアなものであるかどうかは微妙な所で、同誌のレビューの採点をめぐってひと悶着起こしたことのある人をわざわざ再度刺激することもあるまいに、という気も個人的にはするのだが、ヒーリング・ミュージックとしての出来も「?」な感じなので、いずれにせよ高得点は難しい所だろう。

個人的には、TWILIGHTNINGのヘイキ・ポイヒア(Vo)が参加しているということが楽しみの一つだったが、作品のテイストもあり、彼らしい溌剌としたシャウトを聴くことはできず、その辺も物足りなかったり。



ちなみに、本作にはCDエクストラで本作からのビデオ・クリップ3曲と、本作のストーリーにおけるヒロイン、サーナ役を務めるジェニファー・ソウル(アメリカ人のオペラ歌手)と、ティモ・トルキのインタビューが収められている。

環境ビデオのようなクリップと、ジェニファー嬢のインタビューはとりあえず置いておくとして、ティモ・トルキのインタビューを聞いて(というかその和訳をブックレットで読んで)感じたことをちょっと。

ティモ・トルキが以前から数多くのセラピーや自己啓発セミナーを受けていることは、STRATOVARIUSのファンには比較的よく知られている。

しかし、先日のSTRATOVARIUS解散騒動などを見ても感じられる通り、彼の人格が陶冶されているとは全く思えない。

今回のインタビューで彼は自らが受けた音楽的影響について、「ビートルズ、特にジョン・レノンは重要だ」とか、最初のギター・ヒーローはシャドウズのハンク・マーヴィンだ」とか、「人生を決定づけたのはリッチー・ブラックモアだ」などと語っている。

しかし、これまで彼が発表してきた音楽を聴く限り、最も直接的な影響を受けているのはイングヴェイであり、HELLOWEENであることは明白である。

にもかかわらず、その2アーティストからの影響については全く語っていない。

別に彼がビートルズやリッチー・ブラックモアを好きであることを疑うつもりはないが、イングヴェイとHELLOWEENからの影響を否定することは「見栄」にしか思えない。

たしかにイングヴェイやHELLOWEENからの影響でSTRATOVARIUSの音楽が生まれました、というのはあまりにも直接的過ぎてカッコいいと思われるようなことではないかもしれないが、恐らくそれは事実であるはず。

自らにとって都合の悪い事実を認めないというのは、つまり自分のダメな所を受け入れることができない幼稚な人間ということであり、個人的にはそういう幼稚さがSTRATOVARIUSをダメにしてしまったのではないかという気がしてならない。

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