HAREM SCAREM / HOPE

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ラスト・アルバムとして制作された12枚目のスタジオ・アルバム(RUBBER名義の作品含む)。

正直ここ10年近く彼らの音楽に関心が薄くなっていたが、解散宣言の直後に行なわれた昨年のラスト(?)・ツアーを(前座のSILENT FORCE目当てだったとはいえ)観てしまった縁もあるし、初期の彼らの音楽にはそれなりの思い入れもあるので、「餞別」感覚で買ってみた。

内容については、90年代オルタナティヴ・ロックからの影響を感じさせるダークかつオーガニックな作風で、日本での人気下降のきっかけとなったサード「VOICE OF REASON」に近い雰囲気。

もっとも、彼らは自らの最高傑作に同アルバムを挙げていたので、彼らは本気でこういう音に魅せられて、最終作で好きなことをやるならこの路線、と思ったのかもしれない。

むろん高いミュージシャンシップを持つバンドなので、フックは随所に設けられ、どの曲にもちゃんとキャッチーなメロディは配されている。ただ、僕が愛した「MOOD SWINGS」のダイナミックな華やかさは、ここにはない。

こうした音楽に付き物のメランコリックな哀愁を「最後」ということと結びつけて聴くことは容易で、アルバムのラストを飾るバラード「Nothing Without You」のサビで歌われる「立ち去るのはつらいさ/僕は死ぬまで犠牲となり、代償を払うことになるだろうね/ただ、君のいない僕は虚無だ、と言えるだけの強さはあるんだ」というフレーズの「君」をファンである自己に置き換え、瞼を熱くするファンがいてもおかしくない。

ましてその後、日本盤ボーナス・トラックとして初期の名曲「Stranger Than Love」のアコースティック・バージョンなんかが流れてきた日には、さして思い入れの強いファンではない僕だってちょっとグッと来る。

そういう意味で、現役のファンはもちろん、かつて彼らの音楽を愛した人であれば、一聴の価値はある作品だ。たとえ本作が、彼らの最高傑作はおろか、5本の指にさえ入らない作品であるとしても、ね。
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