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LORNA SHORE "PAIN REMAINS"(2022)アルバム・レビュー

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私は基本的にメタルに関しては『BURRN!』で紹介されるようなアーティストしかチェックしていないので、近年のワールドワイドなメタルのトレンドには疎いです。

ただ、12月に入ると、色々なWebメディアが年間ベストアルバム的なものを発表し始めるので、そういったリストはチェックし、複数のメディアで高く評価されているようなものはちょっとサブスクやYouTubeで聴いてみる、というのが私のせめてものトレンドに対する向き合いだったりします(要するに完全なる後追いです)。

昨年トレンドとなった作品もいくつかチェックし、その多くは「評価されている理由はなんとなくわかるけど、自分には合わない」というものでしたが、このLORNA SHOREの "PAIN REMAINS"という作品にはちょっと近年のメタル・トレンド作の中ではかなりインパクトを感じたので、このブログでもちょっと取り上げてみることにしました。

その筋では既に有名なようなのであまり説明するのも野暮なのですが、彼らは2009年にアメリカのニュージャージー州で結成されたデスコア(デスメタルにメタルコアのブレイクダウンと取り入れたサウンド)・バンドで、本作を含め4枚のアルバムをリリースしています。

メンバー・チェンジが多く、既にオリジナル・メンバーは残っていないようで、前任ヴォーカリストのガールフレンドに対する虐待による解雇騒動で予定されていた来日公演が中止になるなど紆余曲折を経ているようですが、現ヴォーカリストのウィル・ラモスを迎えて発表した前作EP"...AND I RETURN TO NOTHINGNESS"(2021)収録曲、"To The Hellfire"がリアクション動画などでバイラル・ヒットとなり(Spotyfyのバイラル・チャートで最高4位を記録したそう)、YouTubeでは2022年1月現在で1300万回近い再生数を記録し、一躍注目度を高めたそうです。

その"To The Hellfire"で体現されていたシンフォニック/ブラッケンド・デスコア・サウンドを突き詰めた本作はその筋ではちょっとしたセンセーションを巻き起こしており、こういうシンフォニックなデスコア・サウンドが今ちょっとトレンドになっているとか。

本作がアメリカのビルボードでは150位ながら、ドイツのナショナル・チャートでは6位を記録している、というあたりに、本作が私にインパクトを与えた鍵がありそうで、とにかくシンフォ・アレンジが大仰でドラマティックで欧州的。

私のような素人には、もはやこのシンフォ・アレンジとデスコア・サウンドはそれぞれ単体で別々な曲として成立しているんじゃないかという気がしてしまうのですが(笑)、激烈極まりないデスコア・サウンドと、劇的で叙情的と言ってもいいほどのシンフォニック・アレンジのコンビネーションは、かつて90年代にメロディック・デス・メタルやシンフォニック・ブラック・メタルというジャンルに出会った時の衝撃を思い起こさせられました。

より近いのは読めないバンドロゴが象徴するようにシンフォニック・ブラック・メタルの感触なのですが、私がブラック・メタルを苦手とする最大の要因である甲高い金切り声のようなヴォーカルより、彼らのようなディープなデス・ヴォイスの方が個人的には馴染みやすい(?)ので、その辺も含め、意外なほど楽しめた作品です。

ドラマ性もアグレッションも非常にエクストリームで高密度な音楽なので、個人的には聴くのにそれなりの精神的エネルギーを要するものの、もし私が高校生や大学生の頃だったら、かなりハマったのではないかと思います。デス・メタル要素に耐性があり、シンフォニックなアレンジがお好みの方であれば一聴をお薦めします。

私もそうでしたが、「コア」と名の付く音楽に対する先入観(というか偏見)が粉砕される、強力な一枚だと思います。





以下は三部構成の組曲になっており、その辺もメタル的というかプログレ的というか。なお、第二部は貼り付けてはいますが、ショッキングな内容を含んでいて年齢制限が設けられているため、YouTubeのプラットフォームに飛んでいただく必要があります。







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コメント

非公開コメント

トレンドのメタルもカッコイイですね!

ちゃんとこのバンドを聴きましたが、強烈なサウンドと劇的なシンフォニック・アレンジの共存がインパクトがありますね。
現代的な情報量の多い曲ですが、演奏もバンド自体もカッコイイし、人気がでるのもわかる気がしました。

>なっつさん

これはなかなかカッコいいですよね。ギターが所々ちゃんとメロディを弾いていて、ソロもシュレッドなのがポイント高いです。

LOUD PARKに出たりしたら日本でももっと人気が出そうな気がします。ルックスも悪くないですし。

かなり激しい音楽性ですがメロディックに聴かせるパートがありかっこいいですね。国内盤が無さそうで購入を迷っていましたが、どうやら3月22日にソニーから国内盤がリリースされるようです。これを機に日本でも人気が出るかもしれませんね。

>わたなべさん

ちょっと圧倒されるようなカッコよさがありますよね。

日本盤、出るんですね。LOUD PARKの直前に発売とは、これはもしや…? いや、よく考えたらKNOTFESTの直前でもあるんでした(妄想です)。