BLACK TIDE / LIGHT FROM ABOVEのレビュー

メンバー全員10代、フロントマンのガブリエル・ガルシア(Vo&G)に至ってはなんと14歳ということで話題のニューカマー、BLACK TIDEのデビュー・アルバム「LIGHT FROM ABOVE」をレビューしました(こちら)。

本国で話題になった2月ごろ、Web上で試聴した時点で「なかなかいいな」と思っていたのですが、先日リリースされた日本盤を購入したわけですが、これが想像以上に良くってビックリ。

VAN HALENのダイナミックさ、MOTLEY CRUEやGUNS N'ROSESのストリート感覚、JUDAS PRIESTやIRON MAIDENのドラマティックさ、初期METALLICAのようなパワーと勢い、それらを兼ね備えたその音は見事に80年代HR/HMのいいトコ取りで、懐かしさに近い心地よさがある。

その一方で、これはナマっぽくドライな現代的プロダクションの賜物かもしれないが、フレッシュで破天荒なエナジーに満ちているのだ。

デビュー・シングル「Shockwave」のPVでは、スケボーをする悪ガキが大騒ぎする様が描かれているが、こうしたストリート感覚は、90年代以降パンクの連中の専売特許になっていたものだ。しかし、彼らはいともたやすくそれをHR/HMの手に取り戻した。

90年代以降、HR/HMファンは「ダサい奴ら」の代名詞だった。
私のような重度のメタル中毒者でさえ、メタルのカッコよさを「ダサカッコいい」と表現し、あまつさえ「メタルはダサい所がいいんだよ」などという開き直りのような言葉を聴くことも一再ではなかった。

しかし、彼らの音楽は、そういう「世の中の雰囲気」に遠慮した注釈付きのものではないピュアなカッコよさに満ちている。

未だにニルヴァーナやレッチリが表紙を飾るような音楽雑誌の読者を「終わってるオッサン」と小バカにできる資格=「若さ」がある。
何しろ、彼らが音楽を聴きはじめた頃、カート・コバーンはとっくに墓の中だったのだ。

まさに時代が一回りした、ということなのだろう。

本作自体は全米チャート最高73位と、BULLET FOR MY VALENTINEの全米4位や、AS I LAY DYINGの全米8位に比べるとまだ「そこそこ」の成功しか収めていない。

しかし、Voが「叫んでいる」のではなく「歌っている」彼らの音楽はより幅広い層に受け入れられるポテンシャルがある。

再びメタルが大衆に受け入れられる時代が来るとしたら、その先頭を走るのは彼らかもしれない。

個人的には、あまり若くしてショウビズの世界に染まることは人格形成においてはあまり良いことだとは思えず、オトナにスポイルされないといいなあ、とちょっと心配だったりもするのですが。

MySpaceを見ると影響を受けた音楽にはジューダス、メイデンからイングヴェイ、チルボドといったバンドまで挙げられており、実際そういったバンドのファンが楽しめる要素も充分なので、「アメリカ出身」というだけで聴く気をなくすような人にもぜひ聴いてもらいたいですね

◆「Shockwave」のPV[YouTube]



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コメント

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最近洋楽を聞き始めてBlack tide のこのアルバムがすごく好きなのですが、管理人さんがオススメするバンドがあれば教えて頂きたいです。

>RMAさん

最近洋楽を聞き始めてBLACK TIDEに手を出すというのはなかなかにマニアックですね(笑)。

私のオススメはこのブログやサイトで高得点をつけているアーティストです。年間ベストに選出しているようなバンドは特にオススメですね。

そういったアーティストが必ずしもBLACK TIDEに通じる音を出しているわけではありませんが…。

あまり回答になっていないかもしれませんが、好みを把握しているわけではない方へのオススメというのは難しいので、こんな感じでご勘弁いただけると幸いです(笑)。