WHITESNAKE / GOOD TO BE BAD

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WHITESNAKEの11年ぶりとなるニュー・アルバム。

11年ぶりと言っても、97年に出た「RESTLESS HEARTS」は“DAVID COVERDALE&WHITESNAKE”名義で、デヴィッド・カヴァーデイル(Vo)ソロ・アルバムに近いニュアンス(内容的にも)だったから、実質的には89年の「SLIP OF THE TONGUE」以来19年ぶりのアルバムと考えてもいいだろう。ジャケットのデザインも、そんな感じ。

とはいえ、アメリカ進出を果たしてからのWHITESNAKEは常に「カバさんとゆかいな仲間たち」状態なので、そういう意味ではWHITESNAKEはカバさんの「バンド風ソロ・プロジェクト」なのだが。

今回の「ゆかいな仲間たち」はダグ・アルドリッチ(G:元LION~BAD MOON RIGING~BURNING RAIN)&レブ・ビーチ(G:WINGER)のツイン・ギターに、ユーライア・ダフィ(B:FLAMETAL)、EAGLESやブライアン・アダムスなどとの仕事で知られるティモシー・ドゥルーリー(Key)、日本では松本孝弘(G:B'z)のTMGでのプレイが一番知られているかもしれないクリス・フレイジャー(Dr)といういかにも「傭兵集団」(笑)な顔ぶれ。

内容は、往年のWHITESNAKEのエッセンスを忠実に表現した、「期待通り」かどうかはともかく「予想通り」のサウンドで、安心して聴ける音楽だ。

#2、#3、#5、#8といった(セールス的な)黄金時代である「SERPENS ALBUS」の頃を思わせるハード・ロックを主軸に、曲名からしてそれっぽい#9のように初期の面影もチラッと見せるなど、ターゲットは恐らく80年代以来のオールド・ファンであろうと思われる作風。

とはいえ新機軸もあり、90年代ロックからの影響を感じさせる「Best Years」を1曲目に持ってきたのは彼らなりの「現役感」の表現かもしれないが、アルバムのツカミを弱くしている気がする。

EAGLESを思わせる穏やかな#7「Summer Rain」も新機軸だが、平坦になりそうなこの曲をもり立てるKeyアレンジの巧みさは、さすがEAGLESと仕事をしていたティモシーの面目躍如と言ったところか。

正直楽曲に全盛期の力と輝きはない。その主犯はきっとダグ・アルドリッチで、ソロも含め「ジョン・サイクス風」のプレイで頑張っているが、やはりリフ・メイカーとしての才能の不足は隠せず、ソロも難易度の高さの割に印象に残らないものばかり。

ただ、#6「All For Love」なんかは、元々はジョージ・リンチ型のギタリストであったダグのメタリックなセンスがいい形でWHITESNAKEにマッチした佳曲で、日本ではウケそうだ。

その他にも、カヴァーデイルならではのアダルトなバラード#4や、LED ZEPPELINの「Rock And Roll」あるいはAC/DCなどを思わせる#10におけるエネルギッシュな響きなど、小粒なりに楽曲の粒は揃っている。

まあ色々言ってみたものの、この適度に脂の抜けたこのオーソドックスなハード・ロック・サウンドは聴いていてなかなか心地いいし、「懐かしさ」が購買動機であったような「リアルタイム組」のノスタルジーは充分に刺激するのではなかろうか。悪くないアルバムだと思います。
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