サラ・ブライトマン / 神々のシンフォニー

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全世界で1500万枚を売り上げた「Time To Say Goodbye」などで知られる、世界一有名なソプラノ歌手、サラ・ブライトマンのニュー・アルバム。

一見HR/HMとは無縁、どころか対極にあるとさえ思える本作が最近、先行して発売されていた輸入盤や、ネット上の音源を聴いた一部のメタラーさんたちの間で話題になっている。

それもそのはず、神秘的な序曲#1「Gothica」から#2「Fleurs Du Mal」の流れを聴くと「な、ナンだこの超ハイクオリティなゴシック・メタルはッ!?」と思わず取り乱してしまうようなサウンドなのだ。

一般にクラシック歌手のようなイメージが強い彼女だが、実はポップスやロック、トランス的なサウンドまで幅広い音楽を歌ってきたシンガーであり、ゴシック的なムードを湛えた楽曲にも10年以上前からトライしている、幅の広いアーティストである。

しかしここまであからさまにメタリックな曲(といっても普段からメタルを聴いている人には大したことないヘヴィさだが)は恐らく初めて。

日本盤のブックレットには「ゴシック・インダストリアル的な影響が感じられる」とあり、EVANECENSEやNINE INCH NAILSなどの名前が挙げられていたが、一番近いのはWITHIN TEMPTATIONでしょう。

実際の所HR/HM的な要素がある曲はその1曲だけで、他の楽曲は彼女のパブリック・イメージ通りのクラシック的な楽曲から、フェイス・ヒルが歌った映画『パール・ハーバー』のテーマ曲のカヴァーといったポップな楽曲まで、幅広いスタイルの曲が収められている。

ただ、元祖ダークウェイブと言うべきDEAD CAN DANCEのVoだったリサ・ジェラルドの#5を取り上げたり、サラ自身が「ゴシック的」と形容する#10などの存在を考えると、やはり本作は全体的に「ゴシック」を意識した作風に仕上げていると思われます。

ちなみに、先ほどHR/HM的な楽曲は1曲だけ、と書いたが、実は#6「Be With You」にKISSのポール・スタンレー(Vo)が参加していて(何故?)、そういう意味ではHR/HM的な楽曲はもう1曲あることになるかな。

ちなみにこの曲は劇場版『ポケットモンスターダイヤモンド&パール ディアルガVSバルキアVSダークライ』のエンディングテーマだそうで、ポケモンのインターナショナルっぷりは凄えな、って感じ(笑)。

また、昨年の世界陸上のオープニングで彼女が歌い、パナソニック「ビエラ」のCMでも使われている#13「Running」はホルストの組曲「惑星」の「木星」(日本では平原綾香の「Jupiter」で有名か)をモチーフに使用した、ポジティヴな感動を呼ぶポップな名曲で、本作のハイライト。

なお、日本盤ボーナス・トラック#14は元JAPANのデヴィッド・シルヴィアンが、坂本龍一の名曲として知られる『戦場のメリークリスマス』のメインテーマを元に、坂本龍一本人とコラボレーションして作り上げたヴォーカル曲「禁じられた色彩」のカヴァーで、これもこのために国内盤待ちをした甲斐のあるなかなかの出来だ。

…とまあ、聴き所満載の内容なのですが、加えてアートワークも絶品であると強調しておきたい。

私はデジパックとか収納が面倒なので嫌いなのだが、これほど美しければデジパックにする意義もあろうというもの。ただ、サラ・ブライトマン自身は47歳のオバサンなので、このジャケットはほぼCGであると考えてよいでしょう(笑:いや、もちろん今でも充分に美しい女性ですが)。

余談だが、このアルバムを購入した際、国内盤のオビに誤植があるとかで、正しいオビを送ってもらうための連絡先が書いた紙を渡された。

サラ・ブライトマンのアルバムなら初回プレスからかなりの枚数をプレスしてると思われるので、結構バカにならない枚数の「追加オビ」を印刷してるんでしょうね。ご苦労なことです。
まあ印刷費よりむしろ発送費の方が高くつくのでしょうけど。

いずれにせよ、先日リリースされたターヤのソロ・アルバムが気に入ったような方はもちろん、「自分は別にメタルにこだわりがあるわけじゃなく、単に美しい(良い)音楽が聴きたいだけなんだよね」と思っているような方には是非聴いてもらいたいアルバムです。


サラ・ブライトマン公式サイト

EMIミュージックジャパンのページ
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