さよならDUNGEON、また来てLORD

本サイトでオーストラリアの正統派メタル・バンド、DUNGEONのラスト・アルバム、「THE FINAL CHAPTER」をレビューしました。

解散の理由については、メンバーの脱退が表向きの理由ですが、もともとこのバンドは中心人物であるロード・ティム(Vo/G)以外のメンバーは流動的で、実質的に彼のソロ・プロジェクトのようなものだったので、ビジネス的な問題が解散の原因だった模様。

実際ロード・ティムが新たに立ち上げたバンドLORDは音楽的にはほぼDUNGEONと同じようなもので、実質的にはDUNGEONの「名義変更」と言う感じ。

個人的には(商業的に)この程度のレベルのバンドがビジネス上の問題で解散するなんてのは笑止だと思うが、まあそれがビジネスというもの。私自身も実はわりと「権利ビジネス」的なものと比較的近い距離にある仕事をしているのでわかるのですが、イヤですね、大人の事情って(苦笑)。

その辺も含めて、このバンドはつくづくツイてないバンドだったと思う。

世が世なら、「ブラジルのANGRA、スウェーデンのHAMMERFALL、フィンランドのSONATA ARCTICA、イタリアのRHASODY、フランスのHEAVENLY、スペインのDARK MOOR、イギリスのDRAGONFORCE、そしてオーストラリアのDUNGEON」みたいなノリで、「その国を代表するメロディック・メタル・バンド」扱いを受けてもおかしくないポテンシャルを秘めているバンドだったと思うが、商業的にも音楽的にも、その可能性を発揮することなく終わってしまった感がある。

それはまあ、オーストラリアという国自体がHR/HMに関しては(AC/DCというモンスター・バンドを生んだものの)後進国で、HR/HMバンドが活躍するための環境が整っていないことが最大の理由である。

ただ、そんな事情を考慮しても、欧州では彼らよりPEGAZUS(同じくオーストラリア出身の正統派メタル・バンド。日本盤は多分リリースされたことがないはず)の方が知名度が高かったし、日本でも若いメタル・ファンの間では下手するとVANISHING POINTあたりの方が知られているかもしれない、というさびしい状態。

それはひとえにビジネス上の問題で、いいマネージメントに恵まれなかった、ということに尽きるわけだが、やはりHR/HMバンドにとって一番ツラい時期(90年代中頃)に出てきてしまったという「間の悪さ」もあったのかもしれない。

そんな彼らのキャリアにおける最大のラッキーは、初期のデモ音源集である「DEMOLITION」が日本でリリースされ、しかも5千枚以上の売れ行きを記録した、ということなのではないか。

まあそれはまさにBURRN!誌効果で、このアルバムになんと88点(だったと思う)という高得点がついたことが原因なのですが、そういう感性の担当者にレビューされたことはまさに幸運以外の何物でもあるまい。

このアルバム、もうジャケット通りのチープなサウンドで、いかにもデモ音源集といった感じのB級、いやC級な作品だが、何気に80年代HR/HMを愛する者であればついくすぐられてしまうようなフックに満ちた楽曲が多数収められていて、かなり楽しめます。

特に冒頭を飾る「Don't Leave Me」は名曲で、今でも聴くと結構ときめきます(笑)。この曲があればこそ、ここまでCDを買い続け、こうしてブログにちょっとした思い入れめいた文章を書いたりしていると言っても過言ではありません。

ちなみにこの曲は最新作で再録されていましたが、妙に重心が下がっていて、なんか再結成後のEUROPEによる「Seven Doors Hotel」(遅い)を聴いたときのような違和感があったというのが正直な所です(苦笑)。

もし最新作を聴いてこの曲をカッコいい、と思ったら、ぜひ中古盤屋さんを巡ってこの「DEMOLITION」を買いましょう(結構よく見かけます)。音は悪いけど、アレンジはこっちの方がカッコいいです。

ただ、ちょっと気になるのは、この「DEMOLITION」がリリースされた際、「正規のアルバムではなく、デモ音源集である」ということは一切リスナーに知らされていなかったような…。

それってちょっとサギじゃね?
まあそのおかげでこんないいアルバムにめぐり合えたのだから、文句を言うつもりはないけれども。

とりあえず、ロード・ティム(Vo/G)の新バンドであるLORDも今月日本デビューするということで、そちらの活躍を祈りつつ、このDUNGEONがいつか再評価される日が訪れることを心の片隅で願っております。

ちなみに、8月22日にリリースされるLORDのアルバムにはX JAPANのカヴァー、「Silent Jealousy」が収録されるそうです。VoはVIGILANTEの丹羽英彰がゲストで歌っているとのこと。


DUNGEON公式サイト

LORD公式サイト

DUNGEONとLORDの日本盤リリース元、SOUNDHOLICのHP
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