映画 『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』 感想

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(一部で)話題の映画、「アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~」を六本木ヒルズのTOHOシネマズで観てきました。

公開2日目ということもあり、満席でした。
てっきり先日LOUD PARKに来ていたような人達が集合しているかと思いきや、ごく普通の映画好き、みたいなカップルや夫婦っぽい人たちが大半で、SLAYERのパーカーを着ていたような人はむしろ浮いていた感じ。

やはり六本木ヒルズというロケーションがメタラーには近寄りがたいのでしょうか?(笑)

さて内容ですが、80年代初頭には「注目のバンド」であったANVILだが、結局ブレイクすることなく時は流れ、今ではヴォーカル&ギターのリップスは給食センターで、ドラムのロブ・ライナーは建設現場で働いて生計を立てている。

それでも彼らはバンドを生き甲斐とし、50代になった今でもANVILで成功するという夢を捨てずに頑張っているというその様子を、かつて彼らのローディーであり、現在はスピルバーグのもとで脚本家として活躍するサーシャ・ガバシが生々しく描いたドキュメンタリー。

かつて共演したミュージシャン(具体的にはマイケル・シェンカー)に忘れ去られていたり、欧州ツアーをしてみれば観客が4人しかいなかったり、マネージャーの段取りが悪く電車に乗り遅れて野宿するハメになったりと、話だけ聞くとユーモラスだが、当事者としてはやるせない思いになるであろう経験を乗り越え、前向きにバンドに取り組む様は健気としか言いようがない。

そして何より15歳のときから一緒にバンドをやっているリップスとロブ・ライナーの友情、そして彼らを支える兄弟や奥さんなど、家族の絆が胸を打つ。

これを観て「バカな奴ら。さっさと見切りつけてマトモな仕事に就けばよかったのに」というような人は、だいぶ荒んだ心の持ち主ですね。

たしかにメタル・ファンならずともグッと来るであろう、ハートウォーミングな映画でした。

ただ、一方でこれはむしろメタルについて何も知らない人の方が素直に楽しめる映画かもなあ、という気もしました。

本作は「スーパー・ロック '84」の映像で始まり、「LOUD PARK 06」の映像で終わる、という構成になっていて、まるでANVILが日本では根強く支持されているかのように見えますが、実際は日本盤さえロクに出ていなかったというのが事実なのはファンであればご存知の通り。

実はLOUD PARK 06では私はANVILがプレイしている最中は物販コーナーに並んでいたので、実際どの程度盛り上がっていたのかは知らないのですが、エンディングでのあの盛況ぶりはカメラワーク・マジックなのでは…という気さえしてしまいます(笑)。

また劇中でラーズ・ウルリッヒ(METALLICA)やレミー(MOTORHEAD)、スコット・イアン(ANTHRAX)にトム・アラヤ(SLAYER)、スラッシュ(GUNS N' ROSES~VELVET REVOLVER)といった錚々たる面々がANVILを絶賛していますが、ANVILの才能が彼らに遠く及ばなかったことはこれまでANVILが残してきた作品を聴けば明らか。

そしてスラッシュの「30年もバンドを続けてるなんて、ストーンズに、フー、そしてアンヴィルくらいだ」、というセリフも真っ赤な嘘で、30年以上解散せずに続けているバンドなんて、HR/HMに限っても、パッと思いつくだけでSCORPIONSにAC/DC、JUDAS PRIESTにIRON MAIDENと、ゴロゴロ存在しています(まあ、これほど売れないのにしつこく続けているのはたしかにANVILくらいかもしれないけど…)。

この作品を観てメタルに興味を持った人が手始めにとANVILのアルバムを聴いてしまって、「やっぱメタルってつまんないね」などと思われたら個人的にはとても残念です。

なので、私がここで言いたい事は、「この映画は良い映画ですが、ANVILの音楽はメタルの中でも初心者向けとは言いがたい部類に属するので、ANVILを聴いてメタルという音楽を評価しないでほしい」ということですね(苦笑)。

どうでもいいことですが、ロブ・ライナーの息子はかなりのイケメンで、さらにリップスの子供はメチャクチャかわいかったです。

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◆映画『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』公式サイト
http://www.uplink.co.jp/anvil/

◆映画『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』予告編映像



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