『Beat Sound』No.14 「HR/HMしか愛せない」

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オーディオ雑誌の老舗『ステレオサウンド』の別冊扱いとなる季刊誌『BeatSound』の2月4日売りの冬号。
私は音楽についてはソフト(音楽)にはこだわるがハード(音響機器)にはほとんどこだわりがないので、普段この手のオーディオ雑誌を読むことは皆無に等しい。

しかし、本屋の音楽雑誌コーナーでふとこのフレーズが目にとまってしまった。

HR/HMしか愛せない

「No HR/HM, No Life.」

内容も確認せず、レジに持って行きました(笑)。
1,300円という金額を見ていたらちょっと内容を確認したかもしれないけど(笑)。

この魅惑的なタイトルを持つ特集の内容は、HR/HMの歴史を「100タイトル+α」の名盤・名作を通じて振り返る、というもので、いわゆる伊藤政則氏をはじめとする「BURRN!」人脈の人物を排して作られた企画なので、「BURRN!」的な価値観に染まってしまった身にはかなり新鮮というか奇異というか、ときに違和感も感じる内容になっている。

ここで選ばれているHR/HMアルバム100選は以下の通り。

001. ジミ・ヘンドリックス「アー・ユー・エクスペリエンスト?」(1967)
002. ジェフ・ベック「トゥルース」(1968)
003. グランド・ファンク・レイルロード「ライヴ・アルバム」(1970)
004. ディープ・パープル「マシン・ヘッド」(1972)
005. レッド・ツェッペリン「プレゼンス」(1976)
006. AC/DC 「バック・イン・ブラック」(1980)
007. メタリカ「メタル・マスター」(1986)
008. KORN「KORN」(1994)
009. ストーン・ローゼズ「セカンド・カミング」(1994)
010. リンキン・パーク「ハイブリッド・セオリー」(2000)

011. レインボー「 虹を翔ける覇者」(1976)
012. レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン「イーヴィル・エンパイア」(1996)
013. スリップノット「スリップノット」(1999)
014. クイーン「クイーンII」(1974)
015. ヴァン・ヘイレン「炎の爆撃機(VAN HALEN I)」(1978)
016. アイアン・メイデン「キラーズ」(1981)
017. ブルー・チアー「ファースト・アルバム」(1968)
018. ザ・フー「フーズ・ネクスト」(1971)
019. マウンテン「勝利への登攀」(1970)
020. スコーピオンズ「ヴァージン・キラー」(1976)

※長くなるので以下追記。



021. UFO「現象(Phenomenon)」(1974)
022. ユーライア・ヒープ「対自核(Look At Yourself)」(1971)
023. ブラック・サバス「パラノイド」(1970)
024. クイーン「オペラ座の夜」(1975)
025. レッド・ツェッペリン「レッド・ツェッペリンII」(1969)
026. モンスター・マグネット「スーパージャッジ」(1993)
027. エアロスミス「闇夜のヘヴィ・ロック(Toys In The Attic)」(1975)
028. ガンズ・アンド・ローゼズ「アペタイト・フォー・ディストラクション」(1987)
029. シン・リジィ「脱獄(Jailbreak)」(1976)
030. MC5「キック・アウト・ザ・ジャムズ」(1969)

031. モトリー・クルー「華麗なる激情(Too Fast For Love)」(1982)
032. ホークウインド「宇宙の祭典(Space Ritual)」(1973)
033. ラッシュ「2112」(1976)
034. キッス「ラヴ・ガン」(1977)
035. アンスラックス「狂気のスラッシュ感染」(1985)
036. ウィッシュボーン・アッシュ「ウィッシュボーン・フォー」(1973)
037. ヴァニラ・ファッジ「キープ・ミー・ハンギング・オン」(1967)
038. モーターヘッド「極悪ライヴ(No Sleep 'Til Hammersmith)」(1981)
039. ミニストリー「詩篇69」(1992)
040. ハンブル・パイ「スモーキン」(1972)

041. キャプテン・ビヨンド「キャプテン・ビヨンド」(1972)
042. スキニー・パピー「ラスト・ライツ」(1992)
043. モントローズ「モントローズ」(1973)
044. リンプ・ビズキット「スリー・ダラー・ビル、ヤ・オール$」(1997)
045. クリーム「クリームの素晴らしき世界」(1968)
046. ホワイトスネイク「スライド・イット・イン」(1984)
047. アリス・イン・チェインズ「ダート」(1992)
048. パンテラ「鎌首」(1996)
049. エクストリーム「ポルノグラフィティ」(1990)
050. デフトーンズ「アラウンド・ザ・ファー」(1997)

051. ステイタス・クォー「オン・ザ・レヴェル」(1975)
052. ニール・ヤング&クレイジー・ホース「ウェルド~ライヴ・イン・ザ・フリー・ワールド」(1991)
053. イギー・ポップ&ストゥージズ「イギー・ポップ&ストゥージズ」(1969)
054. パール・ジャム「Vs.」(1993)
055. ニルヴァーナ「ネヴァー・マインド」(1991)
056. ロビン・トロワー「ブリッジ・オブ・サイ」(1974)
057. モーターヘッド「アイアン・フィスト」(1982)
058. カクタス「汗と熱気('Ot 'N' Sweaty)」(1972)
059. ソニックス「ソニックス登場(The Here Are The Sonics!!!)」(1965)
060. スレイヤー「レイン・イン・ブラッド」(1986)

061. スウィート「スウィート・ファニー・アダムス」(1974)
062. バッジー「ネヴァー・ターン・ユア・バック・オン・ア・フレンド」(1973)
063. メタリカ「メタリカ」(1991)
064. フー・マンチュー「アクション・イズ・ゴー」(1997)
065. ピンク・フェアリーズ「キングズ・オブ・オブリヴィオン」(1973)
066. ザ・カルト「ラヴ」(1985)
067. ボン・ジョヴィ「ワイルド・イン・ザ・ストリート」(1986)
068. チープ・トリック「蒼ざめたハイウェイ(In Color)」(1977)
069. レッド・ツェッペリン「フィジカル・グラフィティ」(1975)
070. KMFDM「アングスト」(1993)

071. ロリー・ギャラガー「コーリング・カード」(1976)
072. スティーヴ・ヴァイ「パッション・アンド・ウォーウェア」(1990)
073. エアロスミス「ロックス」(1976)
074. ヴァン・ヘイレン「1984」(1983)
075. サウンドガーデン「スーパーアンノウン」(1994)
076. クイーンズライチ「クイーンズライチ」(1983)
077. MR.BIG「MR.BIG」(1989)
078. ドリーム・シアター「アウェイク」(1994)
079. アイアン・メイデン「鋼鉄の処女」(1980)
080. バッド・カンパニー「バッド・カンパニー」(1974)

081. モット・ザ・フープル「すべての若き野郎ども」(1981)
082. ウィッシュボーン・アッシュ「百眼の巨人アーガス」(1972)
083. ガール「シアー・グリード」(1983)
084. キッス「アライブ!~地獄の狂宴」
085. モーターヘッド「エース・オブ・スペーズ」(1980)
086. UFO「UFOライヴ(Strangers In The Night)」(1979)
087. テンペスト「テンペスト」(1973)
088. ベック・ボガート&アピス「ベック・ボガート&アピス」(1973)
089. ライオット「ロック・シティ」(1977)
090. ミートローフ「地獄のロックライダー(Bat Out Of Hell)」(1977)

091. アトミック・ルースター「アトミック・ルースター」(1970)
092. ジューダス・プリースト「背徳の掟(Defenders Of The Faith)」(1984)
093. ヴァンデンバーグ「ネザーランドの神話」(1982)
094. ホワイト・ゾンビ「アストロ・クリープ2000」(1995)
095. パンテラ「俗悪」(1992)
096. ウリ・ジョン・ロート&エレクトリック・サン「アースクエイク」(1979)
097. スキッド・ロウ「サブヒューマン・レース」(1997)
098. ワイルドハーツ「アースVSワイルドハーツ」(1993)
099. フリー「ハートブレイカー」(1973)
100. ハート「ハート」(1985)

正直「BURRN!」になじんできた人間には、「こんなバンドHR/HMじゃねえだろ」とか、「なんでこのバンドが1枚も選ばれてないの?」とか、「フツーこのバンドなら選ぶのはこの作品じゃないだろ」といった感想を抱くと思います。

オルタナティヴやNU METALをHR/HMの文脈で語ることにさほど違和感のない私でさえ、さすがにSTONE ROSESは違うんじゃないの? と感じてしまいました。

しかも、私の好きな欧州系のメタル・バンドはほぼ完全黙殺。
これだから英米の音楽だけ聴いて「洋楽通」を気取っている連中は…と思っていると、「編集後記」で編集長らしき人が挙げている「爆音で聴きたいベスト5」を見ると

1. ヘヴンリー/カーペ・ディエム
2. Liv Moon/Double Moon
3. ラムシュタイン/最愛なる全ての物へ
4. エリス/カタルシス
5. リーヴズ・アイズ/ニヨルド

と、とっても欧州系なセレクトがなされていたりする怪奇現象。

上記以外にもかなり多くのHR/HM名盤(HR/HMとは思えないものも多数だが)が紹介されており、イングヴェイ・マルムスティーンのファースト・アルバムは日本制作だった、とか、KORNと契約したのは日本人だった、なんてトリビアもあって、結構読み応えのある内容になっている。

本来オーディオ専門誌だけあって、サウンドに関する言及が多いのも特徴。
オーディオなどに興味がある人にとってはそういう意味でも興味深い内容でしょう。
SHM-CDのプッシュが強いのは個人的には苦笑してしまうけど。

非HR/HM誌でこの手の特集をやると必ず出てくる(苦笑)マーティ・フリードマンのインタビューも、彼やMEGADETHのファンであれば結構興味深いエピソードが語られている。

この巻頭企画以外のページをHR/HMファンが楽しめるかどうかはやや疑問ですが、この特集だけでも一読の価値は充分あると思います。


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コメント

非公開コメント

こういう記事は数々の雑誌で企画されてますけど、
どうも得られるものが少ないというか。
やっぱ耳で聴くものですから目で読んでもピンとこないんですよね。

もっとCD聴いて既知のものが増えれば楽しく読めるんでしょうけど
いくら名盤として紹介されても今聴いちゃうと色あせてるものが
多くついつい聴くのを先延ばしにしちゃうんですよね...

移転おつかれさまです。久々コメです。

なんともコメントしずらい微妙な100選ですね、なんて言ったらいいのやら・・・でもなかなか面白そうなので本屋に立ち寄った時にでも立ち読みしたいと思います。高いので買いませんが・・・

個人的にはWHOの18位に拍手したいですが、こういうのはやっぱり年代別にやったほうが無難だと思いますね。
90年代以降では欧州のバンドが入らざるを得ないような気がしますし(無理に英米で固めるかもしれませんが・・・)

あと、こんなにいろいろ入れているのに、キング・クリムゾン(「太陽と戦慄」「RED」あたり)が入ってないのが不思議だと思いました。

labyrinthファンさんが羨ましいです・・・国立はまだなので・・・

このキャッチでレジに持ってけるなんて、さすがMETALGATEの管理人!(拍手)

ざっと見たところ、私の触手が反応するものはないですね。しいて言えば、100のハートくらいでしょうか…ストライパーあたりが入ってると好感が持てるんですけどね♪編集長のベスト5に1票です!
あ、あと021が誤字ですよ~

ブラックサバスはもう少し上にあってほしいなと思いました・・・
あと個人的にはMEGADETHがはいってないのが残念です
メロデス勢も入ってほしいです

ただラムシュタインは爆音で聞いてみたいですw
 
とりあえず、本屋にあったら立ち読みしてみたいです^^

はじめまして

こんばんは、ちょくちょく見させてもらってます。
BURRNの読者にとってはもどかしいBEST100ですね
別にHELLOWEENの信者ではないですが、守護神伝が入ってない何てちょっと考えられないですね

またブログ見させてもらいます

>hmさん

そうですね。特にリストだけだとなかなか知らないものには興味が持てませんよね。

紹介文までひとつひとつ読めば、興味に引っかかるものが出てきてとっかかりになると思うのですが。

ここに挙げられているアルバムは、その筋では「名盤」とされているものばかりで、ついついありがたく聴いてしまいがちですが、hmさんのように「今聴くと色あせてる」と正直に言えることは大事なことだと思います。

>darklordさん

お久しぶりです。
複数人の選者が選んでいるからか、今ひとつ選定・順位の基準が見えにくいですよね。

BURRN!で同様の企画をやったときもそうでしたが、あの雑誌については長く読んでいるのである程度傾向などが「読める」という面がありましたが…。

とりあえず本屋でのヒマつぶしにはいいと思います(笑)。

>伊豆略さん

国立大を受けられるんですか。大変ですね~。
私には三教科が限界でした(笑)。頑張ってくださいね。
皆に言われていると思いますが、大学は楽しいですよ。

たしかにこのランキングはHR/HMと相性のいいプログレ系のアルバムはほとんど選ばれていませんね。

むしろガレージ系の、BURRN!者の感性ではパンク寄りの音が多く入っているのが特徴なのかもしれませんね。

>ここみんさん

> このキャッチでレジに持ってけるなんて、さすがMETALGATEの管理人!(拍手)

馬鹿にされているような気がするのは被害妄想でしょうか?(笑)

ストライパーとはまた渋い所を突いてきますね(笑)。
たしかに編集長の5選は結構ここみんさんの好みに近い気がしますね。

誤記の指摘どうもありがとうございました。直しておきます。

>リフティング人さん

たしかにMEGADETHとかメロデス系とか、そういうあからさまにメタメタしい音はあまり選ばれていませんね。

ただ、上記のランキングとは別項で「21世紀以降に登場した新世紀名盤10選」というコラムではソイルワークの「フィガー・ナンバー・ファイヴ」とチルドレン・オブ・ボドムの「ヘイト・クルー・デスロール」が選ばれていましたよ。

>Kさん

はじめまして。コメントありがとうございます。

そうですね、せめてハロウィンだけでも選んでくれれば少し納得感があったのですが、やはり大半のロック評論家にとってドイツのHR/HMといえば今でもスコーピオンズだけ、なんですよねぇ…。

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>管理人のみ閲覧できるコメントを寄せていただいた方

もちろん覚えてますよ。私のリクエストに応えていただいた恐らく唯一の方ですからね(笑)。

しかもこんなマニアックな雑誌を購入されたとあっては他人とは思えません(笑)。

この雑誌のランキングを参考にHR/HMを聴いていけば、日本人にありがちなBURRN!厨にならずに済むかもしれませんね(笑)。

「アンアームド」に収録されたHELLOWEENの原曲は、私のメタル原点というべき名曲群なので、ぜひ機会があれば聴いてみてくださいね。

ランキングに意見すると長くなるので自重します(苦笑)

>音楽についてはソフト(音楽)にはこだわるがハード(音響機器)にはほとんどこだわりがない

僕もそうですね。ギターには、ギターそのものにもプレイにもこだわるのに…不思議です。アーティストからしたら、やはり聴く時の音響にも関心を向けてほしいでしょうから、少しは考えようと思います。

>zkさん

まあ、正確に言えばこだわらない、というより、こだわるほど経済的な余裕がない、ということなんですけどね。

同じ価格帯のオーディオなら聴き比べて良いと思ったほうを買うわけですし。

ただ、高いオーディオを買うお金があったら、何枚CDが買えるかな…などと考えてしまううちは、オーディオに凝るのは難しいかもしれません(笑)。