METALLION Vol.35の感想

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2000年代総決算ということで、久々に「METALLION」を買いました。

まず「10の現象で振り返る2000年代へヴィ・メタル」。
ちょっとあっさりし過ぎの感はあるが、まあこういう分析めいた文章は長くなるとウザいのでいい。

次は「ゼロ年代18傑」。なぜに18? ハンガー?

SLIPKNOT、ARCH ENEMY、CHILDREN OF BODOM、BULLET FOR MY VALENTINE、DRAGONFORCE、LAMB OF GOD、MASTDON、TRIVIUM、SHADOWS FALL、AVENGED SEVENFOLD、SATYRICON、SYSTEM OF A DOWN、OPETH、AIRBOURNE、STEEL PANTHER、MESHUGGAH、NIGHTWISH、DISTURBED。

上記がその「18傑」だが、AIRBOURNEとSTEEL PANTHERはいくらなんでも評価が早すぎるでしょ。

選定基準が今ひとつ不明で、全米チャートにしてはAS I LAY DYINGとかもっと成功した連中がいるし、影響力的な意味ではKILLSWITCH ENGAGEやIN FLAMES、SOILWORKといったバンドのほうがARCH ENEMYやSHADOWS FALLより大きい気がするんですよね。

ブラック・メタル代表ならSATYRICONよりDIMMU BORGIRのほうがやはりデカかった気がするし、HIMやWITHIN TEMPTATIONあたりもフォロワーの数でいったら選ばれて然るべきだと思うんですけどね。

ついでに、パワー・メタル代表をDRAGONFORCEにされるのも個人的には違和感が。
彼らはやっぱり一種のカリカチュアであって、パワー・メタルの本質を体現する存在ではない…というのはオタクの戯言なのかもしれませんが。

そしてこの号の目玉、「2000年代メタル名盤300選」と題した、「2000年から2009年にかけてリリースされた重金属音楽の代表的名盤を一挙掲載」企画。

…つーか、300枚って多くないですか?
単純計算で1年に30枚も「10年を代表する名盤」が生まれていたということに。

私の選んだ20枚と重複しているのはLINKIN PARKの「HYBRID THEORY」、NIGHTWISHの「ONCE」、SENTENCEDの「THE COLD WHITE LIGHT」、MACHINE HEADの「THE BLACKENING」、CHILDREN OF BODOM 「HATE CRUE DEATHROLL」の5枚だけ…というのは別に私のセレクトが偏っているのは承知しているので別に構わないのですが、まさかここまで違和感に満ちたものになるとは…。

過去の実績に敬意を表したとしか思えないバンド・作品が選ばれているとか、明らかに「次の10年」に評価されるべきポッと出のバンドがやたらに多いとか、そんな真っ当な難癖をつける以前に、やっぱり数が多すぎると思う。

ハッキリ言ってどうでもいい「B級バンドの佳作」を「2000年代の名盤」と呼ぶのはどう考えてもおこがましいし、98年に録音されたDEATHのライヴ・アルバムなんていうコレクターズ・アイテムみたいなものが選ばれているのも「?」という感じ。

そして何よりメロスパー的には、SONATA ARCTICAもANGRAもEDGUYもHAMMERFALLもガン無視で唐突にBURNING IN HELLが選ばれているという事態に滑稽ささえ覚えてしまう。

こうなると「IN FLAMESなら『A SENSE OF PURPOSE』より『COME CLARITY』でしょ」とか、「HIMなら『DARK LIGHT』か『LOVE METAL』のほうが…」なんていう重箱の隅をつつく気も失せようというもの。

HR/HMというジャンルが細分化されすぎてしまって、全体を俯瞰的に見ることが難しくなっているのは百も承知だけど、選者となったライターたちの私的なセレクトを単にアルファベット順に並べることをもって「編集」というなら、それはもはやプロの仕事ではないと思います。

まだ自分の好みを把握していないような若いHR/HMファンにはあまりオススメできない残念な一冊。
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コメント

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私の趣味としては参考になる面が多々あり読み応えありました。ただ、パワー・メタル系がどうにもお留守ですよね・・・。管理人さんが選者に加わればバランス取れていいのでは、なんて思いました。

SONATAのECLIPTICAとかEDGUYのHELLFIRE CLUBが選ばれてないんですか?ANGRAまでも無視とは・・・・・。
ホント信じられませんね・・・。

やっぱり90年代後半からのメロスピ・メロパワ系ムーヴメントは見て見ぬふりをされているようで悲しいですね。

確かに偏っているかも

私が思ったのは
2000年に発行したHEAVY METAL/HARD ROCK CD GUIDE のようにジャンル分けしても良かったかな?と
今や、いろんなジャンルがクロスオーバーしているので不可能だと言われればそれまでですが…
もし、ジャンル分けしていれば、もう少しバランスがとれたような気がします。

「300選」は確かに違和感ありましたね。MAIDENとPRIESTは、そうかなぁ?とも思いましたし、SOILWORKなら「NATURAL~」じゃないの?なんてのも。管理人さんに書かれて気づきましたが、確かにANGRAとか入ってないですね(-_-;)

やっぱ100選ぐらいに厳選した方が良かったかなぁと思いました。

まとめてお返事

かつてないほど「拍手」の数字が増えてますね(現時点で16)。

なんとなく共感をいただけたようで嬉しくもありますが、この数字以上の方が「毎回文句ばっか垂れやがってキモスパーが。気に入らないなら読むんじゃねーよ」と思っていらっしゃるだろうことはちゃんと理解しているつもりです。


>episode666さん
というわけで私が選者に加わるなんておこがましいわけですが、和田誠氏は無理にせよ、せめて藤木記者が入れば少しはバランスが取れたのかな、などと思います。

episode666さんはハンドルネームからして「そういう音」がお好みなのだろうと思いますので、今回の特集は結構お好みの音が多く取り上げられていてよかったかもしれませんね。


>LAMPSさん
ANGRA、EDGUY、SONATA ARCTICAあたりは少なくとも欧州・南米ではセールス実績もあるし、日本での人気もまずまずだったと思うんですけどねぇ。

98年~02年くらいのあのムーヴメントはBURRN!誌としては一切報じて来なかった動きなので、今更いけしゃあしゃあと「当時のムーヴメントは…」などと語りにくいのかもしれませんね。


>ミュウさん
> 2000年に発行したHEAVY METAL/HARD ROCK CD GUIDE
お~、私も持ってますよ。あれが出てからもう10年も経ったんですね~(遠い目)。
きっとジャンルが細分化されすぎていて面倒くさかったからこうなったんだと思いますが、その手間をかけるのが「編集」だと思うんですけどね。

いや、もしかしたらコアなものもメロディックなものも、細分化せず全て「メタル」として統合すべきだ、という崇高な意図の下、あえてジャンル分けをしなかったのかもしれませんが(笑)。


>珍獣メガネコアラさん
SOILWORKなら「NATURAL~」と私も思いました。10歩譲っても「FIGUER~」でしょう。

プリースト、メイデンはそもそも00年代にそれ以前より優れた作品を出していないという時点で「00年代を代表する資格がない」と思いますが、「ヴェテランたちの再生」の象徴として選ぶのであればメイデンは「BRAVE NEW WORLD」が妥当だったと思います。

確かに、BURNING IN HELLが選ばれてANGRAが無いのには?
伊藤氏がいれば、アルバムの解説でも絶賛していたANGRAの「TEMPLE~」は選考されていた可能性は高いと思うけど。
あれ!HELLOWEENも無いな、、、ページ飛ばしたかなと思い、
戻るも無し。
和田誠氏か藤木記者が選考すれば、ラインナップは明らかに異なっていたでしょうね。
SATYRICONよりもDIMMU BORGIRだろうな~やっぱり。
ただ、選考基準がどうあれ、日本にこれだけへヴィー・メタルの作品を振り返ることのできる雑誌があるということは、ある意味稀少、ありがたいですな。競争相手がいないのが問題なんだけど。
SLIPKNOTの「過剰な異形こそがメタルという一般的な認識が生み出す皮肉」についての内容が、それなりに的を得ていたと思う。

>フィンさん

まあ、00年代を代表するメタルを選出するにはメロディ重視派の選者は不適格だという判断があったのかもしれませんね(?)。

まあ、こういう雑誌が出版されるだけありがたいというのは同意です。