HUMMINGBIRD / HUMMINGBIRD

hummingbird01.jpg

日本のメロディック・パワー・メタル・バンドのファースト・アルバム。

バンドといっても、実質的にはVo&Gで、全曲の作詞作曲を手掛ける山崎泰央のソロ・プロジェクトである。

山崎氏は日本を代表するプログレッシヴ・メタル・バンド、VIGILANTEのギタリストである大本浩史のレッスン生で、その縁から本作のプロデュースはその大本が担当し、リズム隊はVIGILANTEのメンバーである海野真(B)と藤野隼司(Dr)が務めている。

プロフィールによると、山崎氏がギターに目覚めたきっかけは16歳のときに聴いたVAN HALENの「Eruption」だったという古式ゆかしいものだが(と言ってもリアルタイムの話ではなく、「BEST OF Volume1」で聴いたということだから1996年以降の話だろう)、本作で聴ける音楽性は冒頭に記した通りいわゆるメロディック・パワー・メタルにカテゴライズされるものである。

とはいえ、Keyがキラキラしてたりシンフォニックだったりというモダンなタイプではなく、割とオーソドックスなギター・リフを中心にした正統派寄りというか、ひと昔前の「ジャーマン・メタル」を思わせるサウンドだ。

全曲日本語詞であることもあって、いわゆる「ジャパメタ」の雰囲気も漂っている…のは日本人なのだからある意味当然か。

勢いのあるパワー・メタル・チューンを中心に、ヴァイオリンを取り入れた8分に及ぶ大作や、スラッシーなヘヴィ・リフに一部デス声を取り入れた楽曲(これはあまり様になっているとは言いがたいが…)まで、意欲的な楽曲にもトライしている。

全体的に楽曲がやや未整理で冗長な印象があり、アルバムを通して聴くとややダレるが、バンド名を冠した#2を筆頭に個々の楽曲はそれなりによくできているし、耳に残るメロディも多い。

日本のメタルにおいてネックとなりがちなヴォーカルに関してはやはり微妙だが、「副業」だと考えればかなり健闘しており、これくらい歌えれば下手な専任Voを迎えるより自分で歌いたくなるのも無理はないかな、という感じ。

HURRY SCUARYの南安秀を思わせる声質自体は、個人的には好きな部類です。

ただ、一語一語を丁寧に歌い過ぎて「ロックらしさ」を損なっている観があるので、次作ではもっとリラックスして歌ってもいいのではないかという気もしました。

サウンド・プロダクションは奥行きに欠けるものの、自主制作であることを考えれば悪くない方で、この辺は低予算でのレコーディング経験豊かな(?)VIGILANTEのメンバーをプロデュースに迎えた効果といえるかも。

ただ、実は一番VIGILANTE人脈効果を感じたのはリズム隊で、強力なリズム・セクションがサウンドを引き締め、アルバムの完成度を1ランク上げていると思います。
やっぱり普段プログレをやってる人にとってはこういうストレートなメタルはお茶の子さいさい、って感じなんでしょうかね。

良くも悪しくも「イマっぽい」音ではないが、リリースの形態も今時珍しい典型的な「自主制作」の形をとっており、ヴィジュアル系のブレイク以降一般的になった「インディーズ」とも毛色が違い、最近メタル・ファンにも知られるようになってきた「同人音楽」とも無縁という、良く言えば地に足のついた、悪く言えば不器用な売り方をしている(情況・資質的にそうせざるを得なかった、ということだと思いますが)。

そういった売り方から、歌詞、そしてもちろん音楽まで、この人は本当にピュアなHR/HMが好きで、自分の好きな音楽に真面目に取り組んでいるんだな、という印象を受ける、好感度の高い作品。

◆HUMMINGBIRDのMySpace
http://www.myspace.com/hummingbirdmetal

◆HUMMINGBIRD公式サイト
http://www.hummingbirdmetal.com/Top.html


スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

点数は100点満点から、10点満点方式に変えたのではなかったですか?
昔のクセですか?(笑)

>Endeさん

んー、やっぱり10点満点だとニュアンスが表現しにくいな、なんて思ったりして(笑)。

特にこの作品は本人からレビューを依頼されたので、その辺のニュアンスもお伝えするのが誠意かなという思いもありました。

やっぱり自分の得意な(好きな)音楽については100点満点で評価したほうがしっくり来る気がするので、戻すかもしれません。

イヤですね、BURRN!で育った人間の習性って感じで(笑)。