THE SNAKES / ONCE BITTEN... (1998)

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本サイトでレビューを掲載したAVANTASIAの新作「THE WICKED SYMPHONY」、「ANGEL OF BABYLON」でも、「主役」であるトビアス・サメットに次ぐ登場頻度でその強力な歌声を響かせているヨルン・ランデ。

現在でこそMASTERPLANをはじめとする数々のプロジェクトによってシーン屈指の実力の持ち主として欧州HR/HMファンに広く知られる彼だが、彼が元TNTのギタリストであったロニー・ル・テクロの新バンドVAGABONDのヴォーカリストとして登場した時点ではさほど注目される存在ではなかった。

それはまだ彼自身が発展途上だったことや、VAGABONDの楽曲が彼の個性を生かすものではなかったこと、そして何よりVABABOND自体があまり売れなかったことが原因と思われるが、ロニー・ル・テクロは「BURRN!」誌のインタビューの中で「彼は本当に凄い才能の持ち主なんだ。僕がヘテロでなければ彼と結婚したいぐらいさ!」という彼らしい悪趣味すれすれのユーモアのセンスをもって絶賛していた記憶があり、それを考えると当時からそのポテンシャルはズバ抜けていたのだろう。

そんな彼が一躍日本での知名度を上げるきっかけになったのが98年発表のこのアルバム。

初期WHITESNAKEのギタリストとして知られるミッキー・ムーディとバーニー・マースデンが(なぜか)ノルウェーで結成したバンドのデビュー作。

バンド名から察しがつく通り、本作で聴ける音楽性はまんま初期のWHITESNAKEで、「懐かしい」と感じるか苦笑してしまうかはその人の感覚次第だと思うが、個人的にはこれくらいのクオリティが備わっていれば、初期WSのファンであればつい心躍らせてしまうのではないかと思う。

冒頭を飾る「Labour Of Love」からして、WHITESNAKEで発表したとしても名曲と呼ばれること確実のカッコいいブルージーなハード・ロック・チューンで、その他の楽曲も確信犯的に古巣の楽曲を思わせつつ、クオリティの高い楽曲を揃えてきている。

しかし何より衝撃的だったのは、本作では「ジョニー・ランダ」と英語風の表記をされているヨルン・ランデの歌唱で、そのデイヴィッド・カヴァデールにそっくりのパワフルかつソウルフルな歌声は、黙って聞かされれば「本人?」と思ってしまう人も多いだろう。

そのそっくりさんぶりは、DEEP PURPLEファミリーマニアとして知られる「BURRN!」誌の広瀬編集長をして、「本作をデイヴィッド・カヴァデールにもし聴かせたら『はて、これはいつレコーディングしたんだろう? 思い出せない…』とでも言うに違いない」と言わしめるほどだった。

それほどの出来にも関わらず、当時世界的にこの手の音楽はサッパリだったため、本作は日本だけでリリースされているというのが実にもったいない話。

ちなみにBとDrもノルウェー人で、プロデュースはロニー・ル・テクロ。そういう意味では北欧産だが、北欧というよりはまさにブリティッシュ・ハード・ロックで、初期WHITESNAKEのファンの方にはぜひ聴いていただきたい一枚。【83点】


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