HURRY SCUARY / BREAK IT UP (1988)

hurryscuary01.jpg

先回の220 VOLTのエントリーを書いていて思い出したのがこのアルバム。

いや、このアルバムもですね、05年の再発よりもかなり前、00年ごろかなぁ? 中古盤屋では結構なプレミア価格(万単位!)がついていた時期、当時のバイト先の近くにあった古本屋で980円で売っていて即捕獲したんですよ(笑)。

まあそんな入手のエピソードもさることながら、本作の音を聴いて「北欧っぽいなー」と思っていたことも220 VOLTとカブってきたわけですよ。

しかも本作はその220 VOLTの「EYE TO EYE」と同じ1988年の発表。こりゃ縁ですよ縁。このエントリーは今書かなかったら一生書かないような気がします(笑)。

いや実際私がこれまで聴いてきたHR/HMのアルバムを全てレビューするなんてことは仕事を辞めてニートにならない限り無理だし、特にこういう「今さら好きになっても既に存在してない」バンドを紹介するよりは、現役のバンドを紹介するほうが前向きだよなぁ、と思っているだけに、こういうアルバムはなかなか紹介しづらいのですよ。

とはいえ、そういう音楽にも思い入れのあるものは結構存在するので、ちょこちょこ機会を見つけて書いていきたいとは思っていて、本作に関してはまさに220 VOLTのエントリーを書いたこと、引いてはTREATが新譜を出したことが、その「機会」なのかな、と。

まあ、正直あまりニーズがないというか、読まれにくいエントリーだろうとは思いますが、いいんです、こういうのは自己満足で。自分が後で読み返して悦に入るために書いているので。「あー、このアルバム聴いてたなー、って」(笑)

前置きが長くなりましたが、本作は「和製イングヴェイ」と呼ばれたテクニカル・ギタリスト中間英明を中心とした関西のバンドが残した唯一のアルバムで、東宝東和提供映画「TOP DOG」(バイクレースものらしい)のサウンド・トラックという変則的な形で制作されている。

サントラといっても別にインスト曲が収められているわけではなく、全曲歌入りなので、普通のHR/HMファンでも安心して楽しめる。

どうも元々はこの映画のサントラを手掛けるのは前年に解散したMAKE-UPが予定されていたらしく、実際本作に収録されている9曲中4曲は松澤浩明、河野陽吾ら元MAKE-UPのメンバーが作曲を手掛けている。

しかし実際にはMAKE-UPによる制作は実現せず、このHURRY SCEARYのデモを聴いたプロデューサーがその音を気に入り、たまたま上京していたメンバーの身柄を確保し、強行軍的なスケジュールで制作されたらしい。なんだかんだ言われつつHR/HMが流行っていた時期ならではのエピソードですね。

そんないろいろといびつな経緯で制作されたアルバムであるためか、彼らをデビュー以前から知っているようなオールド・ファンにとって本作の出来は必ずしも納得のいくものではないようだ。

まず過剰にリヴァーヴのかかった、少しエッジに欠ける音質。そして元々日本語詞だった曲が英語詞に変更されているものの、Voの英語の発音が正直今ひとつである上、歌いなれた日本語から急遽変更したためか、本来の表現力が発揮できていないらしい。

ただ、個人的にはそのリヴァーヴ過剰なサウンドもなんとなく北欧っぽい「ムード作り」には一役買っている気がするし、何だかんだ言って英語詞であるおかげで「北欧メタル」として楽しめる気がするというのも正直な所。

元々ファンの間では#6「Dirty Streets」と#9「Feelin’ High」の2曲(特に後者)が名曲とされていたようだが、私のような後追いにはそれらの楽曲はありがちなネオクラ系の曲でしかなく(悪くはない)、むしろ元MAKE-UP組のペンによるドラマティックかつキャッチーな楽曲の方が魅力的に感じられる。

特に映画のテーマ曲である#1「Top Dog-Reaching For The Sun」はイントロのKeyアレンジからして北欧メタル・ファン殺しのドラマティックな名曲だ。

続く#2「We Can Try Again」もコーラスのアレンジが耳に残る佳曲で、その他の楽曲も強いインパクトはないがなかなかのクオリティ。

サウンドのせいか、サウンド・トラックという商業作品ということで遠慮したのか中間英明のギター・ソロはそれほどキレていない気がするが、たしかになかなかテクニカルで、ギター小僧なら耳を引かれるだろう。

こちらも北欧メタル好きであれば一聴の価値あるアルバムです。
再発盤はまだ普通の価格で入手できるようですので、よろしければどうぞ【84点】


しかしやっぱYouTubeすげーな。これもちゃんとあるわ。しかもアルバム収録テイクとは違う日本語バージョン。

※HURRY SCUARY 「Top Dog-Reaching For The Sun」のPV?



スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

私も草食男子です(笑)

ご紹介ありがとうございます。さっそく220VOLT共々、探して聴いてみたいと思います。
そもそも私が洋楽のHR/HMに足を突っ込み出したのは1990年頃でした。Xに衝撃を受け、メロディックな疾走感のあるメタルにはまり(当時メロスピなんて言葉無かったような…。)、Xみたいな速いの聴きたいんだけどってバンドでギターをやってる友人に紹介されたのがYngwieのTRILOGYでした(苦笑)速い曲やるバンドが聴きたかったのに速弾き紹介されちゃった訳ですが、哀愁を感じるメロディー、聴いた事の無いハイトーンVOに感銘を受け、以降インギーの作品を買いあさりました。ギターはやりませんでしたけど。(アコギで長渕剛を少々かじりましたが…。)
という訳で、私も北欧メタルは大好きです。ただ、インギーの後にHELLOWEENやVIPERを知っちゃった為、北欧のメロハーの方へはあまり行かなかったんですけど。
再びメタルを聴き出して、この本サイトと出会い、色々な作品を聴いてみると、やっぱり自分がいいなぁと思うのは、北欧系の音なんですよね。もちろん、疾走感があるバンドが好きなんですが、ブラックやスラッシュはちょっと違う。DragnForceよりもSONATAを聴いてしまう。
WETやLASTAUTUMNSDREAMEを聴いて、やっぱりこれだなぁと、懐かしくなりますね。ジェフスコットソートやマルセルヤコブ。私にとってのHR/HMにはまるきっかけをくれた作品に関わってた人達の名前を見るとうれしくなっちゃう。当然作品も気に入りました!
TREATも最高でした。哀愁たっぷりのキャッチーなメロディー、思わず口ずさんでしまいます。
草食男子いいじゃないですか(笑)これからもたまにはこんな素敵な北欧メロハーを紹介してくださいね。楽しみにしてます。

>DYさん

エックスからジャーマン系へ、というあたり、まさに私と同じ、そして多分我々くらいの年代にはかなり多かった音楽遍歴ですね(笑)。

たしかに当時はメロスピではなく「ジャーマン」と呼ばれていましたよね。

DRAGONFORCEよりSONATA ARCTICA、そう、その感性がまさに私と同じ「草食系北欧愛」です(笑)。

私もジャーマン系ではなく、北欧っぽい哀愁こそが自分の琴線に触れるんだ、と気付いたのはHR/HMを聴き始めてある程度の年月が経ってからでした。

それに気付かせてくれたアルバムもいつかここで紹介したいと思いますが、その作品も今や入手困難ですし、私にとって本当に特別なアルバムなので、然るべき機会(リマスター再発とか?)を待ちたいと思っています。

220 VOLTにせよ、このHURRY SCUARYにせよ、個人的には大好きですがB級だと感じる人も多いはずなので、ご購入は熟考の上ご決定ください(笑)。

このアルバムが話題になるなんて(別に愛聴盤ではないですが)うれしいです。

>名も無きメタラーさん

愛聴盤ではない、といっても何か思い入れがあるからわざわざコメントを残してくださったんですよね。

こういう自己満足みたいなエントリーでそう言ってくださると、書き手としても嬉しいです。

なんだかんだで

当時いろんな意見があったバンドでしたが、中間さんはやっぱり華がありましたね。中間さんが参加したバンドをいろいろと観に行った中で、短い命ではありましたが、何気にアンセムが一番燃えました!

このアルバムも当時よく聴いていました。いそうでいなかったジャーニーっぽいサウンドで、いまだにサビは歌えます(笑)。

当時バイクレースシーンが盛り上がった影響で、市販のバイクも、各社レーサーレプリカをこぞって出し始めた時でした。レース番組などで結果のVTRバックでかかる音楽は、ファイナルカウントダウンなどのシンセをフィーチャーしたミディアムナンバーが多かったのを覚えています。なんでスピードナンバーじゃないのか?と当時思っていたのですが、重要なシーンは必ずスロー再生になるので、画とはまり易かったんですねー、と今更発見しました(笑)。

>【S】さん

【S】さんは中間英明在籍時のANTHEMを観ているんですか!レアですね!
噂では柴田直人だか森川之雄だかが「俺たちの新しいナカマだ!」という寒々しい紹介MCをしていたと聞きましたが…。

私は本作をJOURNEYっぽい、とは感じませんでしたが、たしかに単なるネオクラに比べるとキャッチーな音ですよね。

私はバイクには全く疎いのですが(仕事の関係でちょっとMoto GPを「勉強」したことがありますが…)、【S】さんはそういう番組もご覧になっていたということは、ご趣味が広いんですね。