DRAGON GUARDIAN / 真実の石碑

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前作「DRAGONVARIUS」がBURRN!誌(というか藤木記者個人?:笑)でも高評価を得たことによって、メタル・ファンの間でも注目度の上がったDRAGON GUARDIANのニュー・アルバム。

前作のリリース元であったSOUNDHOLICがレーベル閉鎖してしまったため、本作はメディアファクトリーからのリリースとなっている。

前作のアートワークもライトノベルの表紙みたいだったが、本作のアートワークはまるでOVAのパッケージで、いい年齢したオトナが買うにはちょっと気恥ずかしい代物(苦笑)。

しかし内容は今回も素晴らしい。ファンタジックかつファンタスティックなシンフォニック・パワー・メタル・アルバムだ。

しかも聴いていて前作ほど恥ずかしくないのはナゼ? と思ってみると、あのアニメ調のセリフがなくなっているんですね。ストーリーの表現は男声ナレーターによる「語り」のみになっている。

CHILDREN OF BODOMやメタルコアなどを彷彿させる攻撃的なリフや、ブラスト・ビートの導入など、前作に比してヘヴィな要素が明らかに増しているが、あくまで楽曲のスパイスとして機能しており、これまでファンを心酔させてきたクサいメロディはアグレッシヴな楽曲においても充実している。

単純にメロスピとしての快感指数で言えば前作の方が上かもしれないが、メタルとしての完成度は上がっていると思う。
同人音楽恐るべしだね。

DISARMONIA MUNDIなどを手掛けたアレッサンドロ・ヴェナーラがマスタリングを手掛けたことが功を奏したのか、音質も前作より向上しているし、初期においては頬を赤らめて「恥知らず!」とビンタの一発も喰わせたくなるほどベタベタだったシンフォ・アレンジがかなり洗練されてきているのもマル。

そして本作のクオリティには前作に引き続き参加しているLIGHT BRINGERのVoであるFuki嬢の貢献も大きい。
きっとアニメの声優であれば気丈な女の子の役が回ってきたであろう彼女の張りのある歌声が作品の勇壮な力強さを表現している。

静かなパートでの抑えめな歌唱にはまだ説得力が不足しているが、まだ若そうなのでその辺は今後改善されていくだろうし、凛々しく歌っているパートの魅力は技術的な未熟さを補って余りある。

前作と本作の間にリリースされたEPや、先週末のコミケで発売されたEPなど、このプロジェクトのFuki嬢が歌っていない音源を聴くと彼女のポテンシャルの高さが群を抜いているのは明らかだろう。

このプロジェクトの売りのひとつであるストーリーについては正直ファンタジー系ライトノベルに頻出する名詞やフレーズの継ぎ接ぎのように感じられてしまうが、あくまで「歌詞」であるからその辺の陳腐さはやむを得ないところか。

しかし、私が以前関わっていた、その筋では人気のあったアニメなどもそうだったが、世界を救う/世界を変える、みたいなスケールの大きなストーリーなのになぜか「学園生活」がぶち込まれていて、「生徒会長」なんていう妙に日常感のあるワード・設定が登場するのが個人的には理解できないんだよなぁ…。

メインターゲットに高校生くらいの層を想定していて、その辺に対する共感を狙っているせいなのか、それともこの手のストーリーを愛する人たちは「学園生活」に何か特別な思い入れ(未練?)のある人が多いのか。
だとしたらそりゃ「学園生活に満足すれば成仏する」なんてアニメも登場するわな。

欧州のシンフォニック・メタルを「映画音楽的」と形容するなら、彼らの音楽は「(RPG)ゲーム音楽的」なので、必ずしも欧州のシンフォニック・メタル・ファンのツボに入るかどうかはわからないが、オタク臭いイメージで敬遠しているメロディック・メタル・ファンは一度トライしてみる価値あり。【85点】 


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