VERSAILLES @渋谷C.C.Lemonホール 10.9.4

ヴィジュアル系シンフォニック・パワー・メタル・バンド、Versailles(ヴェルサイユ)のライヴを渋谷のC.C.Lemonホールで観てきました。

この日は、南米から欧州まで15ヵ国以上を回る、半年以上に及ぶワールドツアーのラストを飾る「Versailles World Tour 2010 “Method of Inheritance”-GRAND FINAL-CHATEAU DE VERSAILLES」(長い…)。

今年リリースされた新作「JUBILEE」は気に入っていたとはいえ、ライヴまで足を運ぶ気はなかったのですが、私がメタル好きであることを知っている、とある関係者の方からお声掛けいただき、私自身はバンドと何の関係もないのにいけしゃあしゃあと関係者席で観させていただきました。

開演18時の予定が、実際には20分くらい遅れる。それまでステージを覆う垂れ幕に海外公演の模様が映し出されており、海外でもやっぱりファンは女の子ばっかりなんだなぁ、などと思いながら観ていました。

ようやく開幕すると、メンバーが一人ずつステージの2階部分にせり上がって来て、見得を切るようなポーズをとって自分のポジションへ。
こんな大げさなメンバー登場を観るのは棺桶から出て来た聖飢魔II以来だ(笑)。

サポート・メンバーであるベースの人(本来のベーシストは昨年病死している)だけそっとさりげなくステージ袖から出て来る。

ショウのオープニングを飾るのは、アルバム「JUBILEE」の1曲目でもあった10分を超える壮大なエピック、「God Palace」。

私はこの曲が彼らの楽曲で1、2を争うくらい好きなので一気にテンションが上がる(でも関係者席なので座ったまま:笑)が、ちょっとサウンドのバランスが悪い。

シンフォニック・サウンドにかき消されてギターがよく聴こえず、個人的にこの曲のハイライトである間奏パート(CDだと4分半あたり)での泣きのギターがあまり響いてこなかったのがちょっと残念(徐々に改善されましたが)。

その後、アルバムの流れ通りにメジャー・デビュー・シングルである「Ascendead Master」へ。

通常のメタルのライヴであれば激しいフィストバンギングやヘッドバンギングが巻き起こること必至の勢いのある曲だが、ファンは皆KAMIJO(Vo)がステージ上でやっているのと同じ腕の動きを振付のごとく真似している。

「Amorphous」のようなバラード調の曲では皆どこから出したのか光る花のようなものを出し、アイドルのコンサートにおけるサイリウムのごとく左右に振っている。

「God Palace」と共に私のお気に入りの曲である「PRINCESS」にはアグレッシヴな爆走パートがあり、ここではさすがに激しいヘッドバンギングの嵐が巻き起こる!

…が、私の知るヘッドバンギングと若干異なるのは、皆アタマを前後ではなく下を向きつつ左右に振っていること。

髪の長い女の子が多いので長い髪が大きく揺れて、二階席から見ているとある意味壮観だが、今日は席があるからまだしも、スタンディングのライヴでこれをやられたら周りの人間は大迷惑なのでは…。そこはお互い様ということで許し合っているのでしょうか?

その後も各曲で随所に高揚感に満ちた疾走パートが登場し、私も座ったままとはいえ軽くアタマを揺らしていたりしたのだが、場内のノリ方が私のようなメタラーの感覚ではどうにも奇妙。

普通、メタル・バンドの疾走パートに対しては死を賭したヘドバンの嵐をもって応えるのがメタラーの不文律。
しかし、ファンの動きを見ていると、左右の腕を交互に上げる、走るときのような、というかモンキーダンス的な動きで疾走ビートに合わせている。

「なんだそのエコノミーで楽チンなノリ方はあっ!! 翌朝の筋肉痛はおろか、その場で眩暈を起こして倒れることも厭わぬヘドバンこそがメタルのライヴにおける醍醐味だろうがっ!」と説教したくなったが、関係者席で座って観ている人間が言ってもまるで説得力がない(苦笑)。

…そもそも、メタルのライヴに来ているという意識がないんでしょうね。
このモンキーダンスも、今日のライヴでもしばしば見られた「咲く」という、V系のファン特有のアクションの延長線上にあるものなんでしょう。

「今日はWOWOWのカメラが21台(22台だったかな?)も入っている。お前らを撮ってもらうから、本性を見せてみろ!」みたいなMCに続いて演奏された「BEAST OF DESIRE」では、さっきの光る花に引き続き、今度は皆またもやどこからか赤いタオルを取り出して矢沢永吉かDJ OZMAのコンサートのように頭の上でグルグル回転させる。

この花とかタオルとか、入場時に配られているのでしょうか? それともAC/DCのデビルホーンのようにみんなお金を出して買っているのでしょうか。
彼らのライヴ初体験者には謎なことが多いです(笑)。

ちなみに生で観てみたらどんなものかと興味を持っていたHIZAKIの「男の娘」ぶりも期待に違わぬもので、アクションも女性的な仕草を意識しているように見えました。肘を身体の内側に入れ、手首を外側に返すのがコツですね(笑)。

時々激しい曲の中では男っぽい動きが出るのは「わざと」なのか「無意識」なのか、どちらなのでしょう。

なお、このバンドの音楽における最大のネックだと思っていたKAMIJOのヴォーカルですが、予想外に良かったです。
もちろん急にマイケル・キスクのような高音が出るようになっているわけではないのですが、CDのイメージを崩さずにちゃんと歌えている、という意味ではかなり安定していました。

実はこの文章を書きながら、KAMIJOがかつてLAREINE時代の1999年に同じ会場(当時は渋谷公会堂と呼ばれていた)で収録したライヴ・ビデオ「Chantons l'amour ~リリーからの手紙~」を観ているのですが(なんでそんなものを持っているのかって? 人には過去というものがあるのです:笑)、当時に比べると格段に歌唱力が上がっているのがよくわかります。

ショウの終盤に演奏されたバラード系の曲である「Sympathia」を歌い上げるのを聴いて「アレ?結構上手くね?」とまで思ってしまいました。いやマジで。

ひょっとしたらこの半年に渡って続けてきたツアーでさらに「鍛えられた」のかもしれませんね。

そしてその後メンバー紹介。さりげなくドラムの人の後にサポート・メンバーであるはずのベースの人の名前(MASASHI)をコールしているのでオヤ?と思っていたら、最後に「エターナルメンバー、Jasmine You!」と昨年亡くなったベーシストの名前をコールした後、「この半年僕たちをサポートしてくれたMASASHIを“6人目のメンバー”として迎えることにしました」と発表し、客席から大きな歓声が上がった。

10月27日に発売されるニューシングルではそのMASASHIがプレイしていることを告げ、そのニューシングルとなる新曲「DESTINY-The Lovers-」がプレイされた。

河村隆一のソロみたいな明るめのバラード風に始まるも、途中でメタルっぽくアグレッシヴに盛り上がる、Versaillesらしい曲に仕上がっている。
間奏パートの冒頭には軽くベース・ソロっぽいものがフィーチュアされ、その後恒例のテクニカルなギター・ソロへなだれ込む。
個人的にはもっと暗いというか哀愁の強い曲のほうが好みだが、楽曲としてのクオリティは相変わらず高い。

しかしGALNERYUSといい、いわくつきのメンバー・チェンジを経て最初のシングルは「DESTINY」と名付けるのが流行っているのでしょうか?(笑)。

そしてメンバーが退場し、アンコールがかかる。

「We Are!」「Versailles!」と交互に叫ぶのが「お約束」のようだが、「We Are!」が男の声ばかりで、「Versailles!」が女の声ばかりと、そんな役割分担までしっかりしているとは、さっきの花やらタオルやらといい、ひょっとしたらVersaillesのライヴにはマニュアルが存在しているのではないかと思ってしまいました。

メンバー再登場。KAMIJOとHIZAKIは衣装が変わっている。
ギターのHIZAKIとTERUが抱き合ってみせた瞬間など、腐女子にはたまらなかったことでしょう(笑)。

「今夜は長いぜ。赤いベッドだ。グチャグチャになっちまってもいいのかぁ?」という気恥ずかしいMCから「The Red Carpet Day」をプレイ。

この人(KAMIJO)のMCは基本的に河村隆一タイプの「クサいセリフを絶叫する」スタイルで、まあV系の王道なのですが、それでもLAREINE時代に比べれば常軌を逸していると思えるほど浮世離れした恥ずかしいMCは少なくなっている気がします(笑)。

セカンドアンコールの前には再び今回のワールドツアーの模様がモノクロで映し出される。
恐らく「グランド・フィナーレ」を意識した演出なのでしょう。

2回目のアンコールは、クッサ~い、でもそれが気持ちいい名バラード「Serenade」から、彼らのライヴの定番のラスト・ソングらしい、X(もっとハッキリ言うなら「Silent Jealousy」)へのオマージュが強く感じられる「The Revenant Choir」で幕を閉じる。

終演後、関係者は2階のロビーでメンバーと間近に会うことができたわけですが、「関係者の関係者」という極めて「ただの他人」に近い私がそのときのことをあまりつぶさに書くのはマナー違反というものでしょう。

とりあえずステージではあまり前に出てこなかったので気づきませんでしたが、新ベースの人はデカかった、とだけ書いておきます。HIZAKI(決して小さくはない)より頭ひとつ大きかったです。

楽曲の方向性が好みで、演奏が充実していることもさることながら、パイロなど派手な演出が多く、メンバー揃ってのアクションなど、エンターテインメント性の強いステージは非常に見応えがあり、楽しめるライヴでした。

※本日のセットリスト

01. God Palace
02. ASCENDEAD MASTER
03. Rosen Schwert
04. zombie
05. Amorphous
06. PRINCESS
07. Reminiscence
08. Desert apple
09. The Umbrella of Glass
10. Catharsis
11. 愛と哀しみのノクターン
12. 月下香
13. BEAST OF DESIRE
14. Aristocrat's Symphony
15. Sympathia
16. DESTINY- The Lovers-

--1st アンコール--
17. The Red Carpet Day

--2nd アンコール--
18. Serenade
19. The Revenant Choir
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

ライブの作法

こんにちは。
ライブの定番はバンドによって様々ですものね。
私は陰陽座初ライブ時に扇子に戸惑った覚えがあります。
常連になるとその定番なしでは物足りなくなるのですが(苦笑)

>ひそかさん

手バン…ですか。新しい言葉を教えていただきありがとうございます。

まああれは明らかにヘドバンよりラクそうですから広まったのでしょうね。
ひょっとするとそのうちメタルのライヴでも見掛けるようになるかもしれませんね。

>森山樹さん

日本のバンド、特にメイクをしたバンドのライヴにはそういう独自の「作法」が多いですよね。

個人的にそういうのはご新規さんに対するハードルを上げるような気がするのですが、一方で既存ファンの連帯感を高めるのかもしれませんね。

私はGALNERYUSを観てきたのですが…。私の前の長髪の女性がやってました。下を向いて左右にヘドバン(苦笑)疾走パートになると激しく始まり、終わると頭を前後に振って元に戻る、って感じで。当然スタンディングですし、横の人は疾走パートの度に髪の毛が顔にバサバサ当たっていてかわいそうでしたね。私も彼女の後ろにいたので、彼女がヘドバンを終わる時の頭を前後に振る動作の時髪の毛がもろに顔に当たりました(笑)

正直迷惑でしたが、楽しみ方は人それぞれなのでいいのかなって思うようにして我慢しました。

V系のヘドバンだったんだ。確かにその女の子もゴシックな格好でしたね。ちなみにあまり曲は知らないみたく、疾走以外は大人しかったです(笑)

楽しんでもらえたようで何より

その、関係者です。

ASCENDEAD MASTER MV を作ったディレクターからみて

Versailles は 「撮影しがいのある」人たちでした。

ファンが何をみたいか、どう見られるべきか、をわかっている。

それを特別な美術セットなどなしにメンバーだけで実現できる。

かなり希有なミュージシャンだと思います。

MVをリリースして翌日にはYouTube にアップされるという昨今の事情には

困ったモノではありましたが

ショートフィルムまで作った身としては

主演女優がウクライナ人で

彼女の家族から感想をもらえたというのも

YouTube ならではの出来事という気がして

なかなかタノシイ経験でした。

メンバーの死を乗り越えて

がんばって頂きたい。


ちなみに、御ブログを拝見し

YNGWIE の ECLIPS が高得点であったことに

感銘を受けました(僕も好きなんです)。

はじめまして
ほぼ毎日このブログと本家サイトの両方をチェックしてるんですけど、コメントは初めてです^^

「We Are!」「Versailles!」と交互に叫ぶ~のとこがXのライブを思い出せたんで思わずコメントしちゃいました~
ちなみに僕はGALNERYUSと陰陽座のライブには行きましたが、陰陽座は横ヘドバンでGALNERYUSは縦でしたね~

まぁどっちも鞭みたいで痛かったですが^^;

>DYさん

DYさんはV系ヘドバンの犠牲者だったんですね(笑)。お気の毒様です。

GALNERYUSはSyuやYU-TOなど、ちょっとV系に人脈がクロスオーバーしているのでそんなファンも紛れ込んでいるんでしょうね。

まあ、男の汗臭い長髪じゃなかっただけマシだったのでは…(笑)。

>ASSASSINさん

なんと、ご本人降臨とは恐縮です。この度はどうもありがとうございました。
社交辞令じゃなく本当に楽しめました。おっしゃる通り、どう見られるべきかわかっているバンドですね。

ウクライナ人の感想は英語でもらったんですか…? てな細かいことはまた次回お会いしたときにでも聞かせてください。

「ECLIPSE」はいいアルバムですよね。隠れた(?)名盤だと思います。

>yu-kiさん

毎日更新しているわけでもないのにチェックしてくださるなんて、どうもありがとうございます。はじめまして。

「We Are!」は私もかつて一度だけ観たエックスのライヴを思い出しました。

とりあえずGALNERYUSはメタルで、陰陽座はV系ってことでしょうか?(笑)
個人的にはどちらもV系のエッセンスはあれども音楽的にはメタル以外の何者でもないと思いますけどね。