KAMELOT/POETRY FOR THE POISONEDのチャート成績

KAMELOTの新作、「POETRY FOR THE POISONED」の各国におけるチャート成績は以下の通り。

ノルウェー:7位
フィンランド:21位
スウェーデン:23位
ドイツ:32位
オランダ:43位
スイス:48位
日本:55位
オーストリア:57位
ベルギー:64位
アメリカ:74位

時代の流れか、ゲスト多数参加が効いているのか、過去最高のチャートアクションです(日本は前作の34位が最高ですが)。

KAMELOTはアメリカのバンドですが、フロントマンがノルウェー人だけに、やはりノルウェーでの成績が突出していますね。

そして母国アメリカでは初のビルボードチャートイン。

まあ一般人の感覚からすれば大した順位ではないかもしれませんが、結成から約20年、アルバム・デビューからは約15年、9作目のアルバムにしてようやく果たした祖国でのチャートインに、中心人物であるトーマス・ヤングブラッド(G)感慨はいかばかりでしょうか。

こういうキャリアの長いアーティストがチャート成績を伸ばせるというのがHR/HMというジャンルの特徴かもしれませんね。

他のジャンルだとせいぜい2~4枚目がキャリアハイ、下手するとデビュー作が一番売れたアルバムってケースが多いような気がしますしね。

まあ、80年代の売れてた頃はHR/HMもそんな感じだった気がするので、要は一度売れてしまうと、その後旬を過ぎて売れなくなってくると、悪化する状況に耐えられなくなって(あるいはバンド内の雰囲気が悪くなって)解散してしまったり、「好きな音楽をやること」より「売れること」の方を重視する(あるいはレコード会社やマネージメントの圧力によってそうせざるを得なくなる)ようになって迷走したりというケースが多い、というのが真実なんでしょう。

そういう意味では、90年代、メタルが最高にダサくて売れない時代、それでも俺にはメタルしかないんだ、と信念を貫いてきた人たちが今ようやく報われている、と考えるとなかなかイイ話ですね(笑)。

あえて同じく90年代のHR/HM暗黒期にメタル者として生きてきた人間としての気概を言わせてもらえば、売れなかろうが、ダサかろうが、モテなかろうが、それでもこの音しかない、そう思わせる何かがメタルにはある、と私は信じています(もちろん他の音楽にそれがない、とは思いませんが、メタルは特にそういう「こだわり」を持った人を刺激する傾向が強い音楽であるように思います)。

しかし今年ドイツでMASTERPLANの新作が31位、RHAPSODY OF FIREの新作が33位だったことを考えると、この辺買ってるのはほぼ同一人物だろ(笑)。

◆本作収録「Hunter's Season」のPV [YouTube]


◆本作収録「The Great Pandaemonium」のPV [YouTube]


◆本作収録「Necropolis」のPV [YouTube]


◆ニュースソース
http://www.roadrunnerrecords.com/blabbermouth.net/news.aspx?mode=Article&newsitemID=146575



蛇足ですが、実際の所、最近HR/HMのチャート成績が底上げされているというのは、もちろん時代の追い風もある(特にTOP10入りするようなケースは)とは思いつつ、こうしたメタルに忠誠を誓った固定ファンたちによる「買い支え」が、市場全体のアルバム・セールスが落ち込んだために相対的に力を持つようになったというだけ、という面はあると思います。

実際、一部の例外を除くとチャート上位に昇るのは発売直後の初動一発であることが多いのがその証拠で、そういう意味ではアイドルやアニソンのCDなどと同じ売れ方、というのは一面で事実です。

しかし、アイドルやアニソンのように一種の「グッズ」として売れている観もあるCDと違って、購買層の購入動機の多くはあくまで「音そのもの」なので、アイドルやアニソンとHR/HMの売れ方が完全に同じかというとそうは言えない面もあります。

浮動票に対しては「お試し」感覚であり、そのアーティストの出すものなら全部買いたい、というコレクター向けのアイテムでもあるシングルではなく、あくまで純粋にそのアーティストの世界に浸るための商品形態であるアルバムばかりが売れる、ということがそのことを如実に表していると言えるでしょう。

そもそも初動型、というのはキャリアがあって固定ファンの付いているアーティストに関してはどのジャンルでも同じなので、メタルだけが特殊というわけではありません。

いずれにせよチャートに名前が載る、というのは当人や関係者、ファンにとっては嬉しいはずで、それは信念を貫いてきたアーティストとファンの絆の成果と言ってもいいんじゃないでしょうか。

そしていかなる形であれチャートに入れば、それだけ「チャートインする」→「知名度が上がる」→「興味を持つ人が出てくる」→「売れる」→「さらにチャートを上がる」という好循環が生まれてアーティストが活動を続けられる経済的基盤を手に入れることができますし、「売れるジャンル」には才能が流入しますから、シーンも活性化してさらにいい作品が生まれる可能性が高まります(2000年代におけるフィンランドの状況などはまさにこの典型でしょう)。

このブログで割と頻繁にチャート情報を取り上げるのは、そういった「好循環」を煽りたい、という気持ちがあることが大きな理由のひとつです(もちろんランキング好きの日本人にとって興味を引く話題だという意識もあります)。

ただ、それが行き過ぎると流入者が増えすぎ、玉石混交の「石」が多くなって80年代のような「バブル」に陥ってしまうのが難しい所ですが…。

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コメント

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man on a mission

「信念を貫いてきた人たちが今ようやく報われている」
ダウンロード販売が増えた昨今、しかしメタラーはCDでアルバムを聴くのですね。
ガンマレイのBest盤の音が良いとのことで、昔の曲を今のマスタリングされた音源で聴きたくなり、衝動購入。
購入の際、ハロウィンのEPもついでにゲット!!
いつもと違うCDショップで購入したため、20代後半くらいの若作りの店長が、「ガンマレイはDVDも入荷していますが、いかがですか」と言って来た。
「おお、こいつ、ガンマレイをpushしたきたな」と関心至極。
専門SHOP以外では、最近はガンマレイすら知らない店員がほとんどの世の中で「ガンマレイ」と流暢に発音してるぞと。
J-POPが大部分を占めるSHOPだったので、いい経験させてもらいましたわ。DVDは買わなかったけど(笑)

邦楽視聴皆無の私が最近気になった曲がありました。
THE BACK HORNの「閉ざされた世界」です。
なかなか良いです。

>フィンさん

メタラーがCDでアルバムを買う、というよりはメタルには(私も含め)ダウンロード販売になじめない、年齢層の高いファンが付いているという面もあると思います。

20代後半で若作りって、学生みたいってことですか?(笑)

私もそうでしたが、普通のCDショップでもメタルが好きな人間は一定数いて、そういう人がいる店は微妙にメタルが充実しているものです(笑)。