V.A. / SIAM SHADE TRIBUTE

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海外アーティストによるSIAM SHADEのメジャー・デビュー15周年(と言ってももう解散してるけど)を記念したトリビュート・アルバム。

実は好きだったんですよね、シャムシェイド。

彼らがデビューした95年頃ってホントに日本のHR/HMバンドって壊滅状態で、ANTHEMやEARTHSHAKERは解散してたし、LOUDNESSはお経みたいなつまらないアルバムを連発、X JAPANはバラード・シングルばかりという惨状。

ちょっとキャッチー過ぎて一歩間違うとWANDSみたいなビーイング系になってしまいそうだったけど、彼らのようなHR/HMやプログレからの影響を強く感じさせるサウンドは当時の日本の音楽シーン的には希少で、期待せずにはいられませんでした(結果的には必ずしも私の「期待」には応えてくれませんでしたが…:苦笑)。

本作の制作の中心になっているのはプロデューサーのマーティ・フレデリクセンで、AEROSMITHやDEF LEPPARD、MOTLEY CRUE、OZZY OSBOURNE、BUCKCHERRY、FUELなどの楽曲を数多く手掛けた、00年代のアメリカンHR/HMにおけるキーマンの一人である。

参加しているメンツを見るとセバスチャン・バックにエリック・マーティン、リッチー・コッツエンにジェイニー・レインにマイク・ヴェセーラ、マーク・スローターにジョン・コラビなど、長年のHR/HMファンであればご存知であろう名前が連なっている。なかなか豪華だ。

しかし、結論から言うと本作はちょっと退屈だった。

まず、ヴォーカリストこそ頭数を揃えているものの、バックの演奏に参加しているのは全曲デイモン・ジョンソン(G, B)とブライアン・ティッシー(Dr)の2名だけ。

2人とも優れたプレイヤーだけに難易度の高いSIAM SHADEの楽曲を無難にこなしているものの、常に緻密なアレンジが隠し味となっていたSIAM SHADEの楽曲が大味なアメリカン・ハード・ロックになってしまっており、かと言って独自のヒネリもなく(だからこそオリジナルのイメージを変に損なわなかったという面もあるかもしれないが…)「お仕事」感が否めない。

そもそもここに参加している錚々たるヴォーカリストたちがSIAM SHADEのことを知っていたとはとても思えず、そういう意味でも「トリビュート(賛辞・謝意)」というよりは「お仕事」って感じがするんですよね。まあ、近年の日本のロック・バンドでSIAM SHADEの曲をイメージを保ちつつ演奏できるようなバンドは少ないのかもしれないけど…。

まあ、実際の所そういう「思い入れ論」みたいな部分より、「選曲が私好みではない」というのが一番の問題なんですけどね(苦笑)。

個人的にこのバンドの魅力は超絶技巧に裏打ちされた哀愁メロディアス・ハードな部分にあって、栄喜(Vo)の青臭い歌詞、ちょっと細めの歌声もそういう路線にこそハマっていたと思っています。それが後期になるにつれてメロディがどんどんドライに明るくなり、不似合いなゴリゴリしたヘヴィさを強調するようになって興味を失ってしまったというのが個人的な経緯。

本作の楽曲はその私が興味を失っていた後期の楽曲が多く(アメリカ人的には多分こちらの方が肌に合うのでしょう)、「Calling」や「Destination Truth」のような初期の曲をやってくれれば私個人の満足度はもう少し上がったと思うのですが。

SIAM SHADEの精密機械のようなサウンドはやはり日本人だからこその魅力があって、それは欧米人にはなかなか表現できないものだということが証明されたことが本作の意義じゃないですかね。

個別の楽曲解説は追記で。

◆SIAM SHADE トリビュート特設サイト
http://www.sstribute.com/




01. Don't Tell Lies

「SIAM SHADE III」収録のライヴにおける定番曲。Voは元SKID ROWのセバスチャン・バック。この曲についてはSKID ROWの「SLAVE TO THE GRIND」に入っていそうな曲だなあ、と思っていたし、栄喜の弱めながら思いっ切り張ると独特の艶が出てくる歌声もセバスチャン・バックに似ていると思っていたので、個人的にはしっくり来る選曲・人選でした。

02. GET OUT

01年9月リリースのシングル「アドレナリン」のカップリング曲。Voはニック・フロストなるTHE BANGKOK FIVEというバンドのVoで、正直「誰?」って感じだが、スコット・ウェイランドの後任としてVELVET REVOLVERへの加入が噂されたというだけあって、そのハスキーかつパワフルな歌声は、著名人揃いの本作の中でも結構光っている。しかし残念ながらチョイスした曲自体がシャムの曲の中ではつまらない部類だと思う。

03. 1/3の純情な感情

人気アニメ「るろうに剣心」のEDテーマとして大ヒットし、多くの日本人にとってSIAM SHADEはこの曲だけの「一発屋」であろう、「SIAM SHADE IV」収録の代表曲。彼らの楽曲としてはかなり歌謡曲色が強く、日本語ならではの歌詞を持っているだけに、ジェイニー・レイン(元WARRENT)の歌には多少違和感がある。

04. せつなさよりも遠くへ

「SIAM SHADE VI」収録。恐るべき技量を持つギタリストであるリッチー・コッツエンを迎えておきながら、まさかの歌だけ起用(笑)。とはいえ彼のソウルフルな歌唱はオリジナルと全く違うタイプだけに、結構印象的。

05. LOVE

01年11月リリースのラスト・シングルで、ある意味ラストに相応しいベタベタのバラード。歌うのはJ-POPのカヴァー・アルバムで大儲けのエリック・マーティン(MR.BIG)。やっぱり上手いし、いい声ですね。正直こういうバラードに関してはオリジナルよりはるかに説得力があります。

06. LIFE

01年4月リリースのシングル。実は未聴だったのですが、いい曲ですね。思わずレンタルでこの曲が収録されている「SIAM SHADE IX A-Side Collection」を借りてきてしまいましたが、オリジナルはさらに長くドラマティックで熱い曲でした。というかオリジナルを聴かなければ悪くなかったのですが、このジョン・コラビ(元MOTLEY CRUE, RATT)のバージョンはイマイチかも。

07. GET A LIFE

「SIAM SHADE VI」収録。Voは元OBSSESSION~LOUDNESS~YNGWIE MALMSTEEN~MVPのマイク・ヴェセーラ。彼独特のアグレッシヴな歌唱によってオリジナルより攻撃的な印象に。てかマイク、ちょっと声質変わった? 単なる加齢によるものでしょうか。

08. 曇りのち晴れ

「SIAM SHADE VI」収録のシングル曲。Voは先日KUNIのサポート・メンバーとしてLOUD PARK 10に出演したマーク・スローター(SLAUGHTER)。LOUD PARK 10でも思ったのですが、マークの声、全盛期に比べるとだいぶ荒れてますよね…。仕上がりとしては「無難」と「微妙」の中間くらい。

09. Dreams

「SIAM SHADE V」収録のシングル曲。同作収録の「グレイシャルLOVE」と並ぶ爽やかハード・ポップの佳曲。これくらいキャッチーな曲でも売れなかったことがバンドの寿命を縮めたと個人的に思っています。VoはCINDER ROADのマイク・ルッコ。ちなみにCINDER ROADの2ndアルバム「DAMAGE CONTROL」にはSIAM SHADEのギタリストだったDAITAが参加しているそうな。オリジナルより骨太で生っぽい仕上がり。

10. Triptych

「SIAM SHADE VI」収録のインストゥルメンタル曲。リード・ギターを弾くのは元DOKKEN~LYNCH MOBのジョージ・リンチ。個人的にこの曲ならジョー・サトリアーニに弾いてもらいたかったけど、無理か(笑)。ジョージが弾くなら「Virtuoso」の方がハマったような気がするけど、Keyが必要になるから人件費が上がってそれもダメか。

11. 1/3の純情な感情

ボーナス・トラックみたいな扱いだが、実はこのトラックのニーズが一番高いんじゃないかっていうACID BLACK CHERRY(Janne Da ArcのVoであるyasuのソロ・プロジェクト)によるカヴァー・バージョン。SIAM SHADEとJanne Da Arcってきっとファン層かなり被ってますよね。オリジナルよりウエットな仕上がりになっていて魅力的です。

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コメント

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僕はLUNA SEAもSIAM SHADEも大好きです笑

超個人的にですがbloody train,fly high,passionあたりをやってほしかったですね^^

↑「BLOODY TRAIN」、良いですねぇ♪
僕は4・5枚目のアルバムがめちゃくちゃ好きだったので
(その頃DAITAが椎名へきるさんに楽曲提供してたので、
そっちも好きですが)その辺りの曲メインだと嬉しかったです。
レンタルで出てるので、ちょっと聞いてみよっと!

>LAMPSさん

SIAM SHADEとLUNA SEAをセットで語るあたりが通ですね(笑)。
「Bloody Train」や「Passion」なんかは人気曲ですね。
他にもいい曲いっぱいあるのになぜこの選曲なのか、ていうかちゃんと全曲聴いて選曲したのかとプロデューサーに小一時間問い詰めたいです(笑)。

>珍獣メガネコアラさん

私は2~4枚目が好きでしたね。当時かなり聴きました。

アニソンでブレイクするのみならず声優に楽曲提供までするとは結構アニメと縁が深いんですね。

レコード会社が同じソニーだし、椎名へきるがHR/HM好き、というのをどこかで読んだ気がするので、その辺も関係あったんですかね。

そろそろ年末ですね~。恒例の年間ベスト10発表近づいちゃいましたね。

今年は、年間プラス管理人さんが選ぶ、2000年~2010年代の曲のベスト10を是非発表してもらいです =*^-^*=

個人的には、1位はnocturnal ritesの「still alive」です。メロディー・リフ・歌の上手さ全て完璧に自分好みです。ボーカルの交代が大成功したバンドだと思います。イマイチ人気が内容ですが・・。

ブログのテーマと関係なくてごめんなさいm(__)m

私も好きでした

私もシャムはジャンヌとともにお気に入りのバンドです。(両バンドとも解散してますね・・・)
特に「Never End」は曲・PVともに彼らの最高傑作かと。
歌メロはキャッチーなのに演奏はテクニカルで、他の国内バンドと違い、凄く惹き付けられるものがありました。
本作には「Never End」は入ってないようですね。

追記:前回のコメですが、私はヘアメタル、アメリカン・ハード、グラインドコア、ドゥーム、真性デス以外なら何でもいけるクチなので大丈夫です。(一応メロスパー兼スラッシャーを自負してますが・・・)
他人の意見を鵜呑みにするより、自分が気に入るかどうか、がやはり大事ですよね。

>black&greenさん

すがすがしいまでに本文と関係ないコメントですね(笑)。
年間ベストとはまだ12月にもなっていないのに気が早い。

black&greenさんがおっしゃっているようなものは多分昨年末に「00年代ベスト」としてやっていますのでご興味があればどうぞ。
http://metalgateblog.blog107.fc2.com/blog-entry-7.html

ノクタの「Still Alive」も選出してます(9位ですが)。名曲ですよね。

>学生メタラーさん

人によってイチオシの曲が割れるというあたり、SIAM SHADEがいい曲をたくさん持っていたことの証明ですね。

メロスパー兼スラッシャーとは、スピード狂ですね(笑)。

トリビュートっていうよりはお仕事感が否めないのは同感ですが、まあまあ楽しめました。
リッチー・コッツェンはたしかにあのタッピングをどうやって弾きこなすのか楽しみだったのですが。。。

>naokiさん

選曲が悪くないと思える人にとってはまあまあ楽しめるかもしれませんね。
リッチー・コッツエンの参加クレジットを見て、まさか歌だけだと思った人は少ないですよね、きっと(苦笑)。

栄喜の声は哀愁メロハー路線にこそ合う、という意見には賛成ですね。確かに力量不足ではありますが、XのTOSHIと同じくシャムには彼のヴォーカル以外考えられなかったと思います。

個人的にですがその細く高い声もあってシャムのサウンドは「儚く、しかし美しい鋭利な氷」といったイメージがあります。

でもたしかに「don`t tell lies」やhideトリビュートの「ピンクスパイダー」などの路線の曲にはマッチしていたとは言いがたいですね・・・

僕は「cant forget you」や「dazed and alone」といった曲をやってほしかったですね。














































>sgzさん

正直私はSIAM SHADEに対しては曲が好きなだけでさほど強い思い入れが無かったので「もっと上手いVo入れればいいのに」と思っていましたが、なるほど、たしかにXファンの私にとってTOSHIのVoは「力不足だけどこの声しか考えられない」という類のものなので、ファンにとっては栄喜の声もそういうものなんですね。

「Can't Forget You」イイですね。こういう曲を原曲のようにシャープにプレイできそうな洋楽HR/HMバンドってちょっと思いつきませんが。

この記事を見て久しぶりにアルバムを聴きました(Ⅱ~Ⅴまでですが)。

数年前、当時聴いていたヴィジュアル系に飽きはじめてきて、そこからメタルを聴くようになるまでの間に良く聴いていました。
その時はテクニックのあるバンド、くらいにしか思ってませんでしたが、今聴いてみると演奏もアレンジなんかも完成度高いなあと感じました。

「Calling」や「Destination Truth」は私も好きでした。特に後者はかなり好きでしたね。

>minさん

SIAM SHADEはV系からHR/HMへの架け橋になれるバンドのひとつでしたね。

「Destination Truth」の魅力をわかってくれる人は私の周りにはいなかったので、同好の士がいて嬉しいです(笑)。