映画『極悪レミー』感想

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先日のLOUD PARK 10でも圧倒的なカリスマ性と存在感を見せつけたMOTORHEADのフロントマン、レミー・キルミスター(Vo, B)。

かねてよりネット上などで話題になっていたレミーの半生を追ったドキュメンタリー映画「極悪レミー」をシアターN渋谷にて観てきました。
シアターN渋谷…前回来たときもメタル映画だな(笑)。

邦題の「極悪レミー」は、彼らの代表作である名作ライヴ「NO SLEEP TIL' HAMMERSMITH」のリリース当初の邦題だった「極悪ライヴ」から来ていると思われます。てか、この素敵な邦題はなんで今使われていないんですかね?

原題は「49% MOTHERFUCKER 51% SON OF A BITCH : THE LEMMY MOVIE」という、とんでもない上にクソ長いものだが、欧米の人はこれをフルで呼んでいるんですかね? やっぱシンプルに「THE LEMMY MOVIE」と呼んでいるんでしょうか…てなことはどうでもいいか。

本当は公開してすぐの週末である先週観に行きたいと思っていたのですが、小忙しかったのと、公開直後の週末はダイ・ハードな「MotorheadZ」たち大集合で、MOTORHEADのTシャツを着ていない人間は抹殺されてしまうのではないかと思い、遠慮しました(笑)。

公開2週目ですが、土曜日19時の回ということもあってか、かなり人は入っていました。
とはいえ、元々75席しかない小さな映画館なのに、それでも満員になっていないわけだから、商業的成功の規模は推して知るべし、ですが。

客層は20歳そこそこと思われるような若者から、いわゆる「オッサン」な感じの方までいましたが、いずれも「いかにもロック好き」な雰囲気の方々が多かったです。女性はほぼ「ツレ」な感じで、女性だけと思われる観客は私の見た限り一組だけでしたね(笑)。

メタル・ドキュメンタリー映画ということで比較の対象になるのは前年公開された「アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~」だと思いますが、「アンヴィル!」にはおよそロックとは無縁な雰囲気の、単なる映画好きっぽい客層も結構来ていたことを思うと、本作はよりコアなロック・ファン向けの映画として認知されているということなのでしょう。

HR/HMファン的にはMOTORHEADはANVILとは比較にならないくらいメジャーなバンドなのですが(笑)。

まあ、それもそのはず、「アンヴィル!」がドキュメンタリーとはいえ、それなりに誰が見ても感動できるハートウォーミングなストーリーに仕上がっていたのに対し、本作はシンプルにレミーの半生を追っているだけなので、レミーに興味の無い人、「ロックな生き方」を子供じみてると考えるような人にとってはあまり面白くないのかもしれない。

それに「アンヴィル!」の監督はハリウッドでの実績もあるそれなりにメジャーな人でしたが、本作の監督はほぼ無名に近い人ですし、そういったことも作品のメジャー感と無縁ではないでしょう。

で、内容ですが、レミーのファンには最高。ロックン・ロール・ライフをカッコいい、面白いと思える人にも最高。そこまでいかずともロック・ファンなら楽しめる。以上。

いや、実際それ以上の感想はないですよ。映画としてのストーリーテリングとか演出の妙とかはほとんど皆無で、レミー自身の生き様と、彼を崇拝するミュージシャンたちのレミーに対する言葉がいちいち面白い、というだけの映画なので。

このサイト/ブログを定期的にご覧いただいている方であればお察しの通り、私はMOTORHEADの大ファンというわけではありません。
しかし、単にいちメタルファン、あるいはロックファンとしてこの映画を鑑賞し、充分に楽しめたので、恐らくレミーのファンであればほぼ間違いなく楽しめるのではないでしょうか。

私の隣に座っていた男女(女性が男性に対して敬語を使っていたのでカップルではないような気がする)は、登場するHR/HM系のミュージシャンには一切反応せず、デイヴ・グロール(元NIRVANA~FOO FIGHTERS)や、アイス・T(ラッパー)、ヘンリー・ロリンズ(BLACK FLAG, ROLLINS BAND)、ラーズ・フレデリクセン(RANCID)にジャーヴィス・コッカー(PULP)といったミュージシャンに反応する、私とほぼ対極の音楽趣味を持つ方々でしたが、とっても楽しんでいたようだったので、この映画はメタル・ファンに限らず幅広いロック・ファンを惹きつけるものなのだと思います。

ま、MOTORHEADというバンド自体が「そういうバンド」なんですけどね。

かつてMOTORHEADファンクラブの運営に携わっていたというラーズ・ウルリッヒが在籍しているMETALLICAもかなりフィーチュアされていたので、METALLCAファンも必見なんじゃないですかね。

映画の内容自体にあまり触れてないのは「面白かった箇所の説明=ネタバレ」だからなのですが、正直レミーのロックな生き様については、個人的にはそれほど感銘を受けませんでした。

学生の頃であればそこに影響を受けたかもしれませんが、社会人になってみると、我が道を行くロックン・ローラーであることより、むしろ政治家だったり高級官僚だったり、企業の経営者である方がはるかにヘヴィでスリリングな人生を送っているということがわかってしまうため、あまり「凄い」とは思えないんですよね。

個人的にはむしろレミーの素朴である意味誠実な人柄、ジミ・ヘンドリックスやジョン・レノンといったロック・レジェンドたちとの意外な接点、家賃900ドルのアパートに住んでいるというリアルな現実に感銘を受けましたね。

レミーのような人間にはなれないし、なりたいとも思いませんが、日本にはほぼ存在しない個性だけにとても興味深く観ることができました。
大航海時代のイギリスの海賊にはこういう人がいっぱいいたのかな、なんて思ったり(笑)

あ、色々な所で言われているように、「アンヴィル!」と違って(苦笑)パンフレットが超充実している(特にディスコグラフィー関連の資料)ので、買わないと損です。

◆映画『極悪レミー』公式サイト
http://www.lemmymovie.jp/




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コメント

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はじめまして。いつも楽しく拝見させて頂いております。
昨夜は渋谷GUILTYにてBELLFASTのレコ発ライヴで、私はきっと管理人さんも来られてるだろうなと思っていましたが、極悪レミーをご覧になっていたんですね。
BELLFASTに来ていた友人も今日映画を観てきたと言っておりました。

ANVILは個人的な思いもありすぐに観に行きましたが、レミーには特に強い思いは無いので(LOUD PARKの演奏には熱くさせられました!)、機会があれば観たいと思います。

これからも陰ながら応援させて頂きますので、よろしくお願いいたします。

>keiさん

はじめまして。
一緒に行った友人と都合を合わせられるのが年内ではこの日のこの時間帯しかなかったんですよね…。

ANVILに個人的な思いがあってレミーにないとは、かなりコアなご趣味をお持ちですね(笑)。
ある意味「アンヴィル!」より気軽に笑いながら観られる映画だと思いますので、機会があればぜひ。

こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。

極悪レミー

はじめまして
極悪レミー見ました。最高だったのでパンフレットとTシャツ二枚買っちゃいました。レミーの生き様は凄まじいですが同時に素朴な感じもして好感が持てました。あとギターのフィル・キャンベルのしょぼくれ感にグッと来てしまいました。ステージではあんなにかっこいいギターを弾くのに、ステージを降りたときの“疲れたおじさん”オーラに激しいシンパシーを感じてしまいました。今までモーターヘッドは好きなバンドの一つでしたが、これからは一生ついていくつもりになりました。

>リッケン馬鹿~んさん

はじめまして。
レミーの生き様はある意味シンプルですよ。ああいう風にそれを貫き通せる人はそう多くない(というかほとんどいない)でしょうけど(笑)。

しかし“疲れたおじさん”オーラにシンパシーって…(笑)。
映画での発言を真に受ければレミーはまだまだやる気のようですので、ぜひ一生ついていって下さい。