BLOOD STAIN CHILD東京公演@吉祥寺CRESCEND 2010/12/18

BLOOD STAIN CHILDは個人的にかなり気に入っているバンドで、当サイトにおける2005年の年間ベスト・アルバムには彼らの「IDOLATOR」を選出したくらいです。

そのBSCから今年の6月にVoとDrが脱退したと聞いて、「ああ、もうこのバンドも終わりなのかな…」などと思っていました。

しかし、ふと気付くとバンドは大変貌していました。
Voにはギリシャ人女性が加入し、Drは元YOUTHQUAKEのGAMIが加入、あまつさえ中心人物の一人であるGのRYUは「男の娘」になっていたのです(笑)。

元々サイバーでトランシーなアレンジによって際立った個性を放っていたとはいえ、基本的にはメロディック・デス・メタルにカテゴライズされる音楽性であるBSCに女性Voが入るなんていったいどんなことになるんだろう? ともの凄く好奇心を刺激されました。

そんなわけで、新生ブラステによる新しいサウンドを確かめに吉祥寺クレッシェンドに行ってきました。

前夜の飲み会が夜遅く、しかもそのとき食べた何かが当たったらしく、本日私のお腹は下り線で体調は良いとは言い難い。
おまけに今日は仕事の関係で幕張メッセに行っていたため、自宅からなら30分もあれば行ける吉祥寺に行くにも一苦労でしたが(苦笑)

吉祥寺に来たのなんて人生で2回目くらいである。
吉祥寺は何でもあって便利な街だが、都心に住んでいる私のような人間にとっては地方都市のようなもの、わざわざ足を伸ばす理由がないのだ。

久しぶり(学生時代以来だから10年ぶりくらいかも…)に来た吉祥寺は三越がヨドバシカメラに、伊勢丹がコピス吉祥寺なる三菱商事系の商業施設に変わっており、百貨店斜陽のご時世を反映した変貌を遂げていた。

そんな街並みを眺めつつ、てくてく歩いて(駅から結構遠い)会場へ。ほぼスタート時間ジャストの18時ちょい過ぎに到着。

客層は20代が中心と思われ、男女比は7:3くらい。ライヴハウスの暗闇効果もあるかもしれないが、なんか可愛い女の子が多かった気がする。

エモ/スクリーモバンドについて語っている「激ロック」な感じの人もいれば、HELLOWEENやSONATA ARCTICAについて話しているグループ、「テイルズ・オブ・なんとか」や東方がどうした、なんて話をしている集団(ただしアキバ系ではなく見た目はむしろV系っぽかった)など、集まっていた人々の属性は一般的なメタルのライヴに比べるとかなりハイブリッドな感じ。

外人の姿もチラホラ見られ、私の近くで「オマエはどこから来たんだ」「ドイツだ」「そうか、俺は北アフリカから来たんだ。このバンドはYouTubeで知ったんだ。ポップ・メタルだが音楽が素晴らしい」「そうだな。モッシュするのが楽しみだ」てな会話が英語で交わされているのを耳にしました。

ただ、本日は「EXTREME AGGRESSION #6」と題された対バン形式のイベントなので、BSCがプレイする前に3バンド観なくてはいけない。

1バンド目はオープニング・アクト扱いのsever black paranoiaなるバンド。
テクノでダンサブルなアレンジが特徴のヘヴィ・ロックで、FACTとかENTER SHIKARIをさらにヘヴィにしてテクノ寄りにした感じ。
まだショウ運びはぎごちなかったが、曲はかなりキャッチーだし、メンバーもなかなかイケメンさんなので頑張ればそこそこ人気出そう。

2バンド目はAmiliyahなるバンドで、物語性のある映像、SLIPKNOTをチープにしたような被りモノ系の衣装、フロントは金髪&白ドレスと黒髪&黒ドレスの女性というインパクトの強いビジュアルによって独自の世界を表現しようとしていた。

音楽性はモダン・ゴシック・ヘヴィ・ロックとでも形容すべきもので、独自の世界があるのはいいのだが、残念ながら曲のフックと女性Voの歌唱力が世界観に付いて行けてない。Key(というかプログラミング)奏者の一人芝居とダンスの中間のようなエキセントリックなパフォーマンスは面白かったけど。

観客とのコミュニケーションという意味でのMCはほとんどなく、演劇のように進行していくステージも「こだわり」は感じられるが、観客としては公開オナニーを見せつけられているような居心地の悪さがあり、曲が終わっても拍手もなし。会場がライヴハウスだけにチープに見えがちながら、それなりに手間暇のかかっていそうなステージだけに、この無反応ぶりは気の毒と言えば気の毒。

Voの女の子2人は力量不足ながらどちらもそこそこかわいいコだったので、こんなアングラなバンドやるくらいなら秋葉原で地下アイドルデュオでもやった方が話題になるんじゃないかと思ってしまいました。

3バンド目はDAZZLE VISIONなるバンドで、なんとなく名前は聴いたことがあった。
そこそこキャリアも人気もあるらしく、ステージ前方はかなり盛り上がっていたが、個人的には曲がどれも淡白で物足りない印象。

たぶん、Voの女の子が丸顔童顔で小柄な可愛らしいルックスなのにデス声めいたスクリームを交えて歌うというギャップが魅力なのかな、と思いました。

そしてようやくお目当てBLOOD STAIN CHILDの順番。
しかし前のDAZZLE VISIONが終わってから結構な時間待たされる。

本日200人キャパのこのライヴハウスはソールド・アウトで人の密度が高く、しかもタバコの煙がモクモクなので空気が悪い。
いい加減気分が悪くなってきた21時過ぎ、ようやくステージの幕が開く(手動)。

これまでBSCのライヴに関してはあまり良い評判を聞いたことがなかったので、正直アマチュア・レベルだった前3バンドと同レベルの音だったらどうしよう…と危惧していたが、なんとか私の考える「プロ水準」の音が出ていてひと安心。

まず今回気になっていたポイントは、デス声パートがどうなっているのかということ。
まさか新加入の女性Voがアンジェラ・ゴソウ(ARCH ENEMY)のように歌うのか? てなことも考えられたが、案の定というか、今年脱退したSADEWが加入する前にBとVoを兼任していたRYOが再びグロウルを担当している。

ルックス同様アレキシ・ライホ(CHILDREN OF BODOM)を彷彿させるそのシャウトは日本人としては充分強力で、何の問題もない。

本日のセットリストは基本的に現在の彼らの路線を確立した3rd以降の楽曲と新曲で構成されていた(しょっぱなが「Freedom」でラストが「Ez Do Dance」、アンコールが「Final Sky」だったのは憶えていますが、あとは記憶が定かじゃありません)。

専任クリーン・シンガーであるSOPHIAの存在を生かすためか、過去の曲もクリーン・パートを大幅に増量する形でアレンジされていたが、オリジナルのアレンジになじんでしまっているため無理矢理取って付けたかのような違和感があったのは事実。

ただ、新曲としてプレイされた3曲(4曲だったかな?)はどれも素晴らしい出来で、こちらはクリーン・パートもバッチリハマっていた。

本日は新ラインナップによる初ライヴということもあってかMCも多めで、色々な人がMCを入れたため、ショウ運びはややグダグダ。その点に関しては先にプレイしたDAZZLE VISIONの方がこなれていた。

しかもまだリハが足りていないのか、「Hyper Sonic」のプレイ中に「ドラムとギターが曲の違うパートをプレイしている(ベースが演奏放棄していた所を見ると、恐らくドラムが間違えたと思われる)」という学生バンドのようなミスまで発生していた(苦笑)。

注目の女性ニュー・シンガーSOPHIAはギリシャ出身で、親は五ツ星ホテルの経営者という「お嬢様」らしく、しかも5ヶ国語に通じ、弁護士の資格も持っているという才媛。弁護士の資格を持っているにもかかわらずイベント・オーガナイザーの仕事をしていたらしく、母国ギリシャで日本のV系バンドやアニメのイベントを開催・運営していたという。噂によると現地のオタク達の間ではかなりの有名人だとか。

BLOOD STAIN CHILDに加入したのも、彼女が運営に関わっていたイベントに彼らが出演していたことが縁になっているそう。

ただ、ライヴで歌うのは本日が人生初(!)らしく、初めのうちはアクションらしいアクションもなく、遠目にもナーバスになっていることが窺えた。
ちなみに彼女が新メンバーとして紹介されて最初に発した挨拶は「マイド(棒読み)」。

毎度って、ここにいる観客全員初めてなんですが(笑)。関西弁を仕込むのは勝手ですが、正しい用法を教えましょう(笑)。

正直歌唱力自体は「並」以上のものではなく、声質も特に個性的なわけではないが、元々BSCはクリーン・パートが弱かったので、それが強化されたことは間違いない。

とにかく繰り返しになるが新曲が素晴らしかった。初めて聴くにもかかわらず、耳慣れていて、しかも充分にクオリティが高い過去の楽曲よりむしろ高揚しましたね。

女性Voが入ることで音楽スタイル自体が変わってしまうのではないかと懸念していましたが、基本線は3rd、4th同様、トランス的なKeyアレンジをフィーチュアしたキャッチーなメロディック・デス・メタルを維持しており、アグレッションは一切損なわれることなく、サビのクリーン・ヴォーカル・パートを中心にメロディやドラマ性が増強されている。

「Forever Free」とコールされた(と、思う)最初の新曲披露から会場全体が大盛り上がりで、ソールド・アウトでギュウ詰めにもかかわらずフロア前方ではモッシュが発生していた(前述の外人も大暴れしていた)。

いや、マジでどの曲もこれまで以上のクオリティとスケール感を感じさせ、来年リリースされるというニュー・アルバムへの期待が俄然膨らみました。

SOPHIAという強力なキャラクターを得て彼らがどこまで飛躍できるか、個人的にはかなり期待しています。
いろいろ課題もあったとはいえ、記念すべきこのラインナップにおけるファースト・ギグを体験できたことは結構嬉しいですね。

来年の東京ワンマンもこの会場でやるみたいですが、正直こういう狭いライヴハウスは見づらいし疲れるので、早くもっと大きなハコでやれるようになってほしいと思います。

blood_stain_child_2010.jpg

◆BLOOD STAIN CHILDの公式サイト
http://www.bloodstainchild.com/
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コメント

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外国人を雇うなら、普通にデス声とクリーン、両方ともある程度上手いような人を探せばよかったんじゃあ……(笑)

BSCは「MOZAIQ」で「IDOLATOR」の使いまわしリフが多すぎて萎えまくった記憶しかないです。「IDOLATOR」の曲のリフでさえそれほど良いものではないのに。ギターの才能の枯渇早すぎ。
メロデスを保ってくれたのはいいんですが、何と言うかこれで女性Vo賛美のゴシック出身にわかがやってくると、ますますマイルドになっていきそうで怖いですね。テクノ的な軽いサウンドだからしょうがないのかなあ……

このバンドがデスメタルチックな重低音リフやブルータルなデス声を取り入れたら面白いのではないか、と常々思っているんですが、マニアックすぎますかね(笑)

楽しみ!

ギリシャ人女性シンガー+DISARMONIA MUNDIが所属するイタリアのレーベルと全世界契約、とのアナウンスを聞いて私も今からワクワクしております。
中心人物のエットレ氏がかなり気に入ったらしいですね。
彼らのレーベルなら良質なサウンド・プロダクションも期待出来そう。
私も同様、ニュー・シンガーはアンジェラ嬢のようにデス/グロウル担当かと思いきや、クリーン・ヴォイスとは意外でした。
なおかつ語学が堪能とあれば、発音や歌詞世界にも今まで以上に説得力が加わりそうですね。
MINSTRELIXのように一作でサヨウナラということがないように祈りましょう。

初めまして!

初めまして!
いつもブログ拝見しております。

地方者なのですが、ブラステが出るクレッシェンドのイベントは(限定音源目当てもあり)毎年観に行ってます。
昨日も最前で観ておりました(Ryu氏がブログで上げている写真にバッチリ写っております/笑)。

僕も昨日はライブを観るまでSophia嬢がグロウルをするスタイルなのかと思っていました。

前任のSadew氏がプロレベルにカッコいいステージパフォーマンスをしていたのと比べると、Sophia嬢は(人生初ステージなのでしょうがないですが)ステージでの佇まいが素人っぽいので、今後場数を踏んで解消していって欲しいですね。
しかしやはり見た目のインパクトは絶大です。

ちなみに3曲やった新曲のうち最後にやった「ETERNAL」と言う曲は、去年Sadew氏在籍時の会場限定音源としてリリース済で、あの時からして女性Vo(のサンプリング)が目立つ曲でした。
人によって意見はいろいろあるかと思いますが、近年のクリーンヴォーカルが増えていくこのバンドの傾向にはぴったりの人選だと思いました。
他の新曲も大変いい出来でした(「Forever Free」は一聴しただけで気に入りました)ので、来年のアルバムが楽しみですね。

まとめてお返事

>cthuさん
たしかに「MOZAIQ」にはある種のマンネリがありましたが、個人的には好きなタイプの音なので許容範囲でした。

新曲は充分にアグレッシヴでエッジも効いていましたが、メロディックなノーマル歌唱パートが増えているので人によってはマイルドになったと感じるかもしれません。

個人的にはブルータリティよりメロディを期待しているので別にマイルドで全然OKなのですが(笑)。


>学生メタラーさん
どうせ海外レーベルと契約するなら「Nuclear Blast」とか「Century Media」級のレーベルの方がよかったと思ってますが、おっしゃる通り欧米の言葉に通じたフロントマンを得たことでより海外での活躍を期待したいところですね。

あとは本当にSophia嬢が定着してくれることを祈るばかりです。


>ダイさん
はじめまして。地方在住なのに毎年吉祥寺の小さなライヴハウスまで上京するとは、かなりアツいですね!

たしかにSophia嬢はこの日の段階では素人でしたが、おっしゃる通り場数が解決してくれる…と思います。

今回のメンバーチェンジは明らかにクリーンヴォーカル重視のスタイルを強化するものでしたね。
個人的にそのスタイルは歓迎ですし、新曲も素晴らしかったのでニュー・アルバムが楽しみです。

初めまして

liveご覧頂けて光栄です!貴重なご意見ありがとうございます!!

>sever black paranoiaさん

ご本人に読まれるとは恐縮です。上から目線な物言いですみません。

お世辞抜きで、キャッチーでダンサブルな楽曲はなかなか魅力的で、個人的には後に出た2つのバンドより楽しめました。売れる音だと思うので、成功目指して頑張ってください。

気分悪いです

俺はメタルを分かってるぜ みたいな解説お疲れ様でした

>名無しさん

気分悪いブログにわざわざコメントお疲れ様でした。