MOON DANCER / MOON DANCER (1979)

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後にVOW WOWのキーボーディストとしてHR/HMファンに知られるようになる厚見玲衣。彼がVOW WOW加入以前に参加していたバンドの、当時設立されたばかりだったアルファ・レコードから79年に発表された唯一のアルバム。

メンバーはその厚見玲衣(本作では厚見「麗」とクレジットされており、Keyの他にリード・ヴォーカルもとっている)の他、沢村拓(G)、下田和久(B)、佐藤芳樹(Dr)というメンバーで、厚見以外のメンバーもハード・ロック風のプレイからフュージョンっぽいプレイまでこなすなかなかのテクニシャンだが、MOON DANCER以降のキャリアは不明。

本作のプロデュースは、PINK FLOYDの評論などで知られる音楽ジャーナリストの立川直樹氏で、歌詞にも一部関わっている。

基本的には厚見がハモンド・オルガンやムーグなど様々な楽器を駆使して弾くシンフォニックなKeyをフィーチュアしたプログレッシヴ・ロックで、メロディはクラシカルでありつつも歌謡曲っぽいポップさも備えている。

日本語の歌詞がちょっと時代がかっているが(ジャケットのイメージでもある「大正浪漫」なんて言葉が浮かんでくる)、このセンチメンタルでロマンティックなメロディと大仰な展開はNOVELAのようなジャパニーズ・プログレを好む人であれば必聴のクオリティ。ハーモニーの使い方も素晴らしい。

当時大手芸能事務所に所属しており、メンバーのルックスが良かったこともあってテレビの露出など、アイドル的な売り出し方をされており、デビュー・ライヴが永田町にある砂防会館というのも、当時の「芸能界」っぽいが、本作でプレイされている音楽は当時の日本のロックとしてはかなり洋楽っぽいものである。

HR/HMの要素は一部のギター・プレイにとどまるかもしれないが、70年代のプログレを好む方や、ハードさにこだわらずメロディアスでドラマティックな音楽を好む人であればインパクトを受けるに違いない隠れた名盤。

97年の再発盤(私が購入したもの)に記載されている和田誠氏の解説も、氏が実は日本の古いロックに対する造詣も深いことを示す優れた内容だ。

◆音がよく聞こえない上に、ほとんど厚見玲衣しか映っていない当時のTV映像(YouTube)
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コメント

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お久しぶりです。そして、遅いコメントですみません。

このアルバム、アナログでしか持っていないのですが、CD化もされていたんですね。
わたしはラストの「哀しみのキャンドル」が大好きで、初音ミクに歌わせたこともあります(笑)。

厚見玲衣といえば、「ソーサリアン」のアレンジCDでもプログレ趣味全開のキーボード・プレイを聴かせていましたね。

>Harvestさん

お久しぶりです。

このアルバムは97年にCD化され、BURRN!の再発盤レビューみたいなものを読んで興味を持ち、購入しました。
発売元だったアルファレコードが倒産してしまったので、もうCD化されることはないかもしれませんね…。

厚見玲衣ほどの人でもゲーム音楽アレンジの仕事をしなくてはいけないというのはちょっと寂しいですね。
しかも「ソーサリアン」って、微妙にマニアックな所を…(笑)。
きっと出来は悪くないんでしょうけど。